休肝日翌日の日本酒晩酌。そして、好きな音楽を楽しんだこと。
休肝日翌日の昨日。まだ冷蔵庫には日本酒があったのだが、仕事帰りに立ち寄ったスーパーで秋田の「雪の茅舎」の山廃を見つけた。
雪の茅舎は冷やしても香り豊かで口に含めばフルーティーで上品な味わいが美味しく、北海道に住んでいた頃から私のお気に入りの銘柄のひとつである。とはいえ、日本酒専門店ならともかく仙台市内のスーパーで雪の茅舎を見つける機会は多くは無く、ここしばらくは呑む機会が無かった。
昨日は休肝日を頑張ったし、買っちゃおうか。
自分を甘やかすかのように心の中でそう呟いて、1本買って帰宅した。
その約30分後。
残業を終え、私より少し遅れて帰宅した夫もまた、日本酒を手にしていた。
「お酒、まだあるのは分かってたんだけど、燗酒用にいいかなーと思って」
ニコニコしながら夫が差し出したのは、八海山の本醸造。
打ち合わせたわけでもないのにこの展開。私が冷蔵庫から雪の茅舎を取り出すと、夫も一瞬驚きの表情。そして二人で顔を見合わせ思わず笑ってしまった。
結果、昨夜は冷酒と燗酒のリレーという至福の晩酌となった。
千葉県産のメザシ
宮城県産の縮み雪菜のお浸し
鶏ササミの塩焼き
冷ややっこと山形のだし
スーパーで山形・庄内の㈱マルハチさんの「山形のだし」を見つけたので、買ってきてお豆腐にのせていただく。
山形の家庭料理とされる「だし」は、細かく切ったきゅうりやナス、ミョウガなどの野菜を刻み昆布と一緒に醤油につけたもの。初めて食べたのは今から4,5年前、山形県内のホテルに泊まった際の朝食バイキングだったのだが、シャキシャキの野菜の食感と昆布の旨味ととろみでごはんが進む美味しさだった。
市販のだしを購入したのは今回が初めて。大豆の甘みを感じさせてくれるお豆腐に、だしのしゃきしゃき食感と野菜の味わい、そして昆布のまろやかな旨味がたまらない。口の中が楽しくて嬉しくなる。
フルーティーな雪の茅舎の山廃とともに味わえば、爽やかな旨味が口の中に広がってまさに至福の時。
久しぶりの千葉県産のメザシも、また美味しかった。
ぎゅっと締まった身の旨味とほんのり残るワタの苦味は、八海山のぬる燗との相性抜群。日頃は純米酒を呑むことが多い我が家だけれど、ぬる燗でいただくなら本醸造だなぁと思う。しみじみと美味い。
クリスマスを過ぎたからか、昨日のスーパーでは鶏肉が驚きの安さだった。申し訳ないようなお値段で買ってきた鶏ササミは軽く塩と料理酒を振り揉み込んでからフライパンで蒸し焼きにし、わさび醤油をつけていただいた。これがまた冷酒にもぬる燗にも合う美味しさ。
昨日も幸せ晩酌のひとときを過ごした。
昨夜は、スカパーでブルース・スプリングスティーンのライブを見ながらの晩酌だった。
夫が大好きなミュージシャン。
そして、私にとっては、好きなミュージシャンであると同時に、日本のロックやニューミュージックを聴かなくなるきっかけになったミュージシャンでもある。
ブルース・スプリングスティーンの『NEBRASKA』というアルバムを私が初めて聴いて、好きになったのは高校時代。もちろん、後追いである。
けれど、もっと聴いてみたいと思ってブルース・スプリングスティーンの他のアルバムも聴き始めた私は、それまでの自分が好きだった日本のミュージシャン達の曲の中に、ブルース・スプリングスティーンから「影響を受けた」という言葉で済ませてはいけないのでは?と思うレベルの「類似」がいくつもあることに気付いてしまった。
はっきり言ってしまえば、彼の曲をモロパクリしている日本人ミュージシャン達に、気が付いてしまったのだ。
今ならば、「(類似した曲を発表している日本人のミュージシャンやバンドは)スプリングスティーンに憧れていたんだな」と思えるだろう。
けれど、当時の私は「真似していただけなんだ」「盗作だったんだ」と思ってしまった。
そして同時に、そんな盗作を盗作だと気付きもせずにカッコいいと思ってた自分自身を「恥ずかしい」と思った。
それ以降、私は日本のロックやニューミュージックをほとんど聴かなくなった。
そして、ブルース・スプリングスティーンの音楽を積極的に聴こうとすることも、避けるようになった。
聴くと、辛くなってしまうから。
けれど昨日は、ブルース・スプリングスティーンのライブをとても楽しく聴くことが出来た。
時間が経ったこと。自分自身の物事のとらえ方や考え方が柔軟になったこと。理由はたくさんあるだろう。
けれど、一番の理由は、ブルース・スプリングスティーンの音楽が、そのライブ自体が本当に素晴らしかったことと、その音楽を心から愛して楽しんでいる夫と一緒に楽しめたからだと思う。
好きなものを素直に好きと思えるのは、幸せだ。
そんなことをあらためて思った夜だった。