そのわからなさが高チル素
梅雨の合間にやることと言えば、ピクニックである。初夏のみぎり、木陰はまだまだクールネス。
奧さんと1歳4ヶ月の娘と3人で、広い公園に訪れた。
花見シーズンはピンクに染まり、賑わうひとで桃源郷めいた風景のその公園だが、今はグリーンに揺れる木々と草だけで人気がなく、穴場だ。
近所のスーパーで食べたい・飲みたいものを調達して、チルな時間をたのしんだ。
奧さんの笑顔、娘のたべっぷり、ネイチャーサウンド――
それらも十二分にこのひとときのチル素となったが、予想外にキマったのは、これである。
カレーパンとちくわパンとチューハイ。
片手で食べられる惣菜パンの手軽さは、このリラックスタイムをブーストする優れたデザインであるが、ことさらカレーパンの、ごはんぢからとスパイシーさ由来のおつまみ力と具材の満足感が合わさった、お酒のアテとしての才覚は気になっていて、今回選んでみたら、やっぱり良かった。
ちくわパンはどこかのご当地パンだったと思うが、ソフトなパンにちくわが刺さっており、ちくわにはツナがインしてる。これも、お酒のアテに良さそうだと思った。
ちくわパンとはたぶん初対面であったため、その存在のことがよくわかっていないのだけど、お酒のアテって、なんかよくわからんものが良かったりするみたいなところあるので、選んだ。(ぬたとかとうべいとかもよくわからないから、お酒に合う)
これもやっぱり良かった。
どういうことなんだろうなあこれは、と思いながらちくわパンを食べ、チューハイを呑む。わからなさの加減が、チューハイと溶け合い、良さを押し上げてゆく。
たぶん、その組み合わせであることだけじゃなくって、この日のピクニックだったからハマったような気がする。
いつもあんまり何も決めずに休日あそぶけれど、そうしてフリーにしといた食指が新たな楽しいひとときを発見するのがすき。