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江國香織「神様のボート」〜好きで嫌いで


有名だけど、
私は、ほとんど読んだことがない作家さん。

たまに江國香織が嫌いだという主婦
に出会うけど、

ああそういうことかと
この本を読んで思った。

この作品が江國さんとの出会いだったら
常識的な、真面目な人
嫌いになるかもなと。

結婚してるのに
骨が溶けるような恋をして
娘を産んで
夫と別れ
東京には住まないでくれという
元夫の言いつけに従って
娘と2人で
各地を転々とする
女。


ヒラヒラ揺れる長いスカートを履き
タバコとコーヒーが似合う女。

ピアノを教え、夜の店で生計をたてる女。

私の中では、
不健康な時のキョンキョン
イメージだったけど

ドラマでは宮沢りえが演じているらしい。

ああ、たしかに、ぴったりかも。

こんな女が母親で
こんな女が妻だったら
人生最悪だね。

妄想なのか、なんなのか

家族より好きな男
しかも、
たぶんもう会えないであろう男を
ずっと待ちわびて 
生きてる女なんてね。

でも、心の片隅で
そんな恋、あるかもなと
思ったりもする。

どうしようもなく、なにもかも
好きで好きで

身も心もとろける恋を

誰しも経験したくて

生きてるのかもしれないと

思ったりもする。

子どもがいても夫がいても
そんな自分を夢想してしまう。

だから、
みんな不倫ドラマや小説に
自分を投影して
ハマってしまうのかもしれない。

口では不倫なんて気持ち悪い
って言いながらも。

結末に関して、いろんな意見があるけど

私は、女は自殺したんだと思う。

最初から生きるエネルギーが
枯渇してるような女だから。

ただ、ただ、好きな男のためだけに
生きてるような女だから。

もしかしたら、
ただのメンヘラで

好きな男に出会ったことすら
彼女の妄想なのかもしれない。

一度出会ったら、人は人を失わない。


いい文章だと思う。

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