欲を捨てたら楽になった話
欲を捨てるというと、修行みたいな大変な行為と思いがちだけれど、別に意気込んで我慢しなくても、最近は欲が減ってきた。
理由は色々思い当たる。
まずは物を捨てたこと。自分の適量を知ったこと。購買意欲を刺激するようなSNSを見なくなったこと。不要な通販会員登録を軒並み削除してみたこと。
あと、意外と関係あるんじゃないかと思うのは、甘いものをあんまり食べなくなったことだ。
糖分が血糖値をあげることは言わずもがな周知の事実だと思うが、その血糖値の乱高下がそのまま感情の起伏にも繋がるとかなんとか、最近はよく耳にするようになった。
きっかけは特になく、なんとなくお菓子を食べなくなっただけなのだが、意外と食べなくても平気だと気づき、ついでにイライラも減った気がしている。根拠はないけど。体感としては、前よりも穏やかに人と話せるようになったというか。
そして、気持ちが安定すると、食べ物だけでなく暮らしの中にも欠乏感が出なくなる。
雑貨や収納用品なんかは、あったら便利だろうなぁと思いつつ、でもあるもので何とかしよう、とか、もう十分持ってるしな、とか、衝動で手を出さずに節制できるようになってきた。
少し前までは隙あらばインスタを見て、楽天に飛び、何かを検索する毎日。
気づけばカードの支払いもかさみ、買ったはいいものの失敗することも多々あった。そして後悔したり、捨てることに罪悪感を覚えたり・・・そういうことに、良い加減疲れていたのだと思う。
「欲しい」という欲を持たないことが、こんなに気持ちを楽にしてくれるとは。別に囚われていたわけでもないのに、なんて解放感だろう。
自分の身の回りに置くものや、招き入れるものにこだわることは、自分を大切にすることに似ている。節制が日々の暮らしを磨く。だってそれらが、自分の心地よさにつながるのだもの。
イライラやモヤモヤ、罪悪感や欲求も、完全にゼロにはできないけれど、それはそれでいいのである。そういう感情をきっかけにして、気づけることもたくさんある。だけど、溢れるほどに抱え込む必要はない。
何にでも言えることだが、「程々に」「適量で」が、人生を楽にするコツなのだ。
若いころ、食欲に任せて食べまくっていたことも、買っては溜め込み、捨てては買ってを繰り返した経験も、今では自分の学びになったから、あんまり後悔はないけれど、ちょっと極端だったとは思う。まぁそれも人生。これからは「程々に」「適量で」暮らしを楽しんでいきたいところ。願わくばわたしに幸あれ。そして、これを読んだあなたにも。