14° giorno: 会社員、ヴェネツィアへ行く(24年7月最新情報あり)
14日目。後半の授業開始まで3連休です。
貴重なオフの使い方はいつも迷いますが、今週はヴェネツィアに行きました。
ミラノ中央駅(Milano Centrale)からTranialiaのTRENORDに乗ります。ヴェローナ乗り換えで約3時間の道のり。
お金さえ出せばFrecciarossaという速い列車もあるのですが、2週間で円安の辛さが身に染みている私は迷いなくTRENORDを選びました。
ヴェネツィアが近づき海が見えた瞬間、スマホから一斉に顔を上げる乗客たち。日本と変わらない光景でした。
そんなこんなでVenezia Santa Lucia駅に到着。
ヴェネツィアは張り巡らされた運河のそばに古くて趣のある建物がたくさん並ぶ街。
歩いても歩いても絵になる風景ばかりです。
写真が趣味の私はこの日のほとんどを写真を撮って過ごしました。
とはいえまずは腹ごしらえ。
ヴェネツィアの郷土料理を堪能します。
食事の後はいよいよ散策、私の愛機X-T4の出番です。
本当に大好きなカメラで、コロナ期間中は早く海外に連れて行きたくて仕方ありませんでした。
ちなみにnoteに使っている写真は全てiPhoneで撮ったものです。往々にして私が一眼で撮るよりも上手で少々凹みます。
運河沿いも迷路のような路地も写真に残したい場所ばかり。地図も見ずに歩いているうちにSan Pietro島まで辿り着いていました。
さて、ベネチアと言えばゴンドラです。
6年前の卒業旅行は冬だった上、ヴェネツィア本島に渡る橋が封鎖されるほどの強風だったためゴンドラには乗れませんでした。
次は絶対に乗りたいと思っていたゴンドラですが、まさか1人で来るとは思っていたかったので一艘あたり€90という価格に少し悩みます。
日本円にして現在のレートで¥15700、円安を張り倒したくなる価格ですが次にヴェネツィアに来られるのも7年後かもしれません。
夕飯の価格を抑えることを決めて乗りました。
ゴンドラは発着点によってルートが違います。
私はヴェネツィアで最も大きな運河に出るルートを行く、Hard Rock Cafe Venice (ヴェネツィアにもあるんですね) 前の発着所から乗りました。
時間にして30分、短いですがゴンドラに揺られます。
道中(水路中?)、ゴンドリエーレさんが色々な話をしてくれます。
ヴェネツィアを構成する島、水路に架かる橋、その水路を行き来するゴンドラ、漕ぎ手のゴンドリエーレ、それぞれの数の多さ。
(ヴェネツィア本島内でも水路で区切られていれば違う「島」としてカウントされるようです)
ゴンドリエーレは仕事がなくなる冬の分まで夏に稼ぎ、夏は1日に15時間も働くこと。
ヴェネツィアのゴンドラは全て1つの会社が運営していること(*)。
度重なるモーターボートの衝突で水路沿いの壁が傷み続け、ヴェネツィアの地盤は毎年1mmずつ沈んでいること。
合わせて気候変動で水面も上昇しており、2〜300年後にはヴェネツィア自体が無くなってしまう可能性があること。
私は6年振りにこの景色を見ることができたけど、200年後の人は一生見られないかもしれないということです。目の前の景色が綺麗な分、何とも切ない気持ちになりました。
ゴンドラがこの運河に出た時、橋の方からサイレンを鳴らしながらすごい速さで近づいてくる船が。
ゴンドリエーレさんが急いで進路を開けながら「あれは救急車だよ。ここでは救急車も船なんだ。」と教えてくれました。聞き覚えがあると思った音は普段街中で聞く救急車のサイレンの音でした。
ゴンドラはふたたび狭い水路へ向かいます。
そうこうしているうちに出発点に帰ってきました。
決して安くはありませんが、古き良き街並みを眺めながら自由自在に水路を進み、橋の下をくぐったりする経験はそうできるものではありません。
本当に乗ってよかったです。
皆さんも機会があればぜひ乗ってみてください。
また、「1人○○どこまで出来る?」という話題になったら、私のこの輝かしい実績を思い出してください。
昼間はカンカン照りで暑かったヴェネツィアも、日が傾いてくるとだいぶ涼しくなります。
そしてヴェネツィアの街並みにも、夕方の少し落ち着いた色の空の方が似合うような気がします。
今回は不思議と、1人旅にも関わらず自分の写真が増えました。
うっかり家族写真を邪魔したお詫びに撮影を申し出たら「あなたの写真も撮るよ!」と言ってくれたり。
ハイテンションな1人旅のお姉さんとリアルト橋の上で撮り合いっこしたり。
私は不思議とよく写真を頼まれるので、撮ってあげたついでにお願いしたり。
今までの1人旅にはなかった体験でした。
景色を楽しみつつ、まだしっかり見ていなかったメインのSan Marco広場へ向かいます。
どこを撮っても美しいヴェネツィアですが、特にお気に入りの写真がこちら。
帰ったら会社のパソコンのデスクトップの写真をこれに変えようと思います。
食事を節約したものの結局お腹が空いてしまっので、比較的リーズナブルなピザをテイクアウト。
人が少なくなったリアルト橋の上で食べるという世界で一番贅沢なピザの食べ方をしながら隣のイタリア人カップルの会話を聞いていると、彼氏の方が酔っ払って「俺はもうダメだ〜」モードになっており、こういう風景に国境はないんだなあと感じました。
ヴェネツィア1日目終了です。
2日目はヴェネツィアの離島、ムラーノ島とブラーノ島に向かいます。
Sono contenta che fosse sereno!