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「夏目漱石」が「芥川龍之介」へ宛てた手紙

今、芥川龍之介の本を読み返しています。
全集の最後の解説部分、「作家と作品・進藤純孝」(集英社)に面白い記事を見つけたので、引用します。芥川の代表作「羅生門」が出版された当時、評判は決してよくなかったようです。羅生門を読んで、「そうそうにやめるが好い」と意見の手紙をよこした人さえいたということです。そしてあの有名な「鼻」についても、それほど話題にはなりませんでした。夏目漱石が芥川に送った手紙が残っていますので、紹介します。
 
漱石は芥川に宛てて、「文章が要領を得てよく整っています。敬服しました。ああいうものをこれから二三十並べてごらんなさい。文壇で類のない作家になれます。ただし「鼻」だけでは多数の人の眼には触れないでしょう。触れてもみんなが黙過するでしょう。そんな事に頓着しないで、ずんずんお進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です」。
この「身体の薬です」という漱石の表現が興味深いです。
 
このように、あの天才芥川ですら、最初はそれほど受け入れられなかったのです。ましてや、我々凡人が文章を書いても、そう簡単に受け入れられるわけがない。私たちもこのnoteで人からの評価、あるいは読まれる、読まれないに関係なく、自分の書きたいことを書き続けましょう。


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65歳になるのを機に、43年勤めた会社を退職し、記事作成に専念しています。また、微力ながら長年続けてきたネット上での動物愛護啓発活動(プロフィール参照)も並行して行っています。もし、サポートしていただければ、これからの活動の糧として大切に使わせていただきます。