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短歌:ミステリごっこ
落雪で窓が埋まるとできあがるミステリでいうところの密室/銀猫
らくせつでまどがうまるとできあがるみすてりでいうところのみっしつ
「短歌マガジン」の「第18回毎月短歌テーマ詠部門『雪』」へ応募したところ、選者のぐりこさんに「選外だけど好きだった歌」に選んでいただきました。評もいただきました。ありがとうございます。
こういう催しに参加して何がしかのランクを付けていただくのはもちろんうれしいのですが、「好き」という評価をいただくのが、実はとてもうれしいのです。
この短歌には感情的なものはほぼ入っておらず、まったくせつなエモくないのですが、詠んだきっかけはお察しの通り、ドカ雪です。
我が家は一階に寝室があります。そして、寝室側に庭があるので、庭方向に屋根の雪を落とす作りになっています。
すると、寝室の窓の下に日々雪が積もっていきます。多い年はシーズンには三回、少ない年でも最低一回は、雪で埋まった窓を掘り出す作業を行います。
ある年、短期間に一気に雪が降り、あっという間に窓がすっかり埋まってしまったのです。夜になってもカーテンをする必要もなく。
そこで妄想したのが、
「いま大地震が来て、寝室のドアが開かなくなったらどうしよう」
でした。
夜中に窓を掘り出す除雪をする訳にもいかないので、朝になるまでそのままでしたが、幸いにも天変地異は起きず(というか、短時間降雪量自体が天変地異とも言えましたが)、密室にはなりませんでした。
でも、かつて真夜中に大地震が来て停電になったことがあります。あれは初秋だったので大変なことはありませんでしたが、真冬に電気が止まると暖房も切れるので、こういう妄想は必要ですよね。妄想で終わってくれるとありがたいですけれど。
今シーズンは、いまのところトータル積雪量が少なくて、まだ一度も窓の掘り起こしをしていません。ひょっとして、しなくて済むのかも、なんて思っていますが、降雪量って、何だかんだで帳尻があって、春になると「平年並みでした」って言われるんですよね。雪国あるある。
そして、いま夜中の1:30を廻ったところなのですが、自治体の除雪車が来ました。昼間、けっこう降ったもんね。
うるさいけれど、この作業をやってくれる人がいるから一般住人は生活ができるのです。
さ、寝よう。
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