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短歌:冷たくていい

冷ややかであるほど愛されるちょっぴりやっかむ真夏のかき氷に/銀猫
ひややかであるほどあいされるちょっぴりやっかむまなつのかきごおりに

 昨夏、自宅から一時間ほどのドライブで行ける郊外に、魅力的なかき氷屋さんを発見しました。SNSで存在を知り、ナビを頼りに出掛けましたが、充分に「発見」でした。

 わざわざかき氷を食べるためだけにそこまで行ったのですが、その甲斐はあって、今年も行ってきました。

 その店は山間の果樹園地域の中にあり、同じ市内とは思えないような長閑な光景が広がっています。近くの山には間違いなく熊がいると思いますが、幸いにもその付近に出没情報はなく、暑さの中、溶けていくかき氷をそれなりにゆっくりと楽しむことができました。

 余談ですが、昨今の羆は人間に慣れている個体が増えているので、活動シーズンに山近くまで行くからには、遭遇の可能性がゼロとは言い切れません。羆、こわいよ。

 来年も、再来年も、このかき氷屋さん来訪は夏の行事になると思います。この街の夏もずいぶんと暑くなりましたから、夏にしかできない小さなイベントを楽しみながら、乗り切っていくことになるでしょう。

 なおこの短歌のベースも、2023年のNHK短歌テキストの#短歌写真部(テーマ:冷たい)への応募作品(不採用)です。推敲して、手直ししました。

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北乃銀猫
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