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短歌:マンタがいる海

昔テレビで見たマンタに会いたいと思い続けどあの海は遠い/銀猫
むかしてれびでみたまんたにあいたいとおもいつづけどあのうみはとおい

 高校生の頃だったのでずいぶん昔の話ですが、たぶん、そのときはじめてテレビでマンタを見ました。理由は忘れましたが、その夜、わたしは家にひとりでいたので、自由に自分が見たいテレビ番組を見ることができたのです。まだ、テレビは一家のリビングに一台しかない時代です。

 その番組は、とある小学生の男の子とそのお父さんの旅のドキュメンタリーでした。
 朧げな記憶なのですが、男の子がマンタについてクラスメイトに話をしたら、その存在を信じてもらえず(インターネットなどない時代です)、それがいじめにまで発展してしまいました。そこでお父さんは息子の名誉のために、マンタに会うための二人旅に出た、というようなものでした。

 4:3比でアナログ映像の時代でしたが、画面の中一杯に泳ぐマンタに圧倒され、わたしのささやかな南の海熱がはじまったのです。

 ダイビングのライセンスを取っていないことは、生涯の後悔のひとつです。でも、いつかはニューカレドニア辺りまで行って、マンタに出会いたいものです。

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