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旬杯短歌:夏の景色

夕暮れの美しく赤く染まる空浮き出る飛行機映画のようだ/銀猫
ゆうぐれのうつくしくあかくそまるそらうきでるひこうきえいがのようだ

 飛行場の近くに自宅があり、夏の長い夕暮れ時には、リビングからファイナルアプローチに入った飛行機が見えます。毎日の光景なのですが、赤い空に黒いシルエットの飛行機が重なると、映画の一場面に見えるのです。

噴水で水飲むカラスたちの輪を横目で見つつ初夏の外飲み/銀猫
ふんすいでみずのむからすたちのわをよこめでみつつしょかのそとのみ

 北国の人は、夏を待ち遠しく暮らしています。わたしは、少しくらい肌寒くても、空の下で飲むことを楽しみにしています。カラスも夏を待っているのでしょう。

赤青黄芝生に花咲く園児たち短い夏を夏至から惜しむ/銀猫
あかあおきしばふにはなさくえんじたちみじかいなつをげしからおしむ

 北の街では、夏至を夏と言い切れないことも多いものです。色とりどりの体育帽をかぶった小さな子どもたちもそれをわかっていて、夏至の日にも目一杯外遊びをしています。二ヵ月後には、既に秋風が吹くのですから。


  一日一首のつもりではじめたnoteですが、旬杯を知り応募することにしました。三首までということなので、三首掲載しています。
 たくさんの作品を読ませて戴くことも、楽しみにしています。

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