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短歌:龍が通っていったらしい

この空を龍が通った軌跡だと子どもの頃に聞いたな 虹だ/銀猫
このそらをりゅうがとおったきせきだとこどものころにきいたな にじだ

 Xで開催されている「単語で短歌」の、お題「龍」でポストしたものです。

 それにしても、わたしは虹を詠むのが相当好きなようです。題材が乏しいということでしょうか。こんなにあるし。

 人気がどうかはさておき、虹の橋だの虹のたもとだの、お空の猫たちの歌もあるから、必然的に増えてしまうようです。芸がないけれど。

 この「龍」というお題が出る少し前に、地元FM局の番組で、「虹という漢字はなぜ虫偏なのか」という話題が上がりました。わたしが知っている蘊蓄をメッセージしたところ、採用していただけました。

 このような内容です。

 ヘビも虫偏ですよね。虫ではないけれど。
 爬虫類といいますが、虫は含まれないのに虫が入っていますよね。古代中国では、虫という文字に含まれるものが現在よりも幅広く、いまの爬虫類も、そのほかの生き物でも、虫の文字の意味の中に入っていました。何に分類していいのかよくわからないものが、虫偏に入ったようですね。はまぐりも、たこも、かえるも、かにも。
 そして、漢字の国である古代中国では、大蛇は龍になると考えられていました(詳細は省略)。もちろん、中国の龍です。西洋のファイヤードラゴンのような龍ではなく、アニメ「日本昔ばなし」のオープニングに出て来る方の龍です。
 このあたりにも諸説あるのですが、
 ・虹は龍の一種だと思われていた とか
 ・虹は龍の通り道だとか通った跡、軌跡だとか
 ・龍が空を突き抜けると虹ができる とか
龍と虹とを結びつける伝説があるのです。
 つくりの方の工には「突き抜ける」という意味があるそうで、大蛇が龍になり、その龍が空を突き抜けてできたのが虹、ということのようです。

 そんなことがありまして、お題が出たときにほぼ即詠したのです。

 それにしても、虹は龍の軌跡だなんて、ファンタジーだしある意味SFですねー。
 虹についてはそれぞれの文化圏でいろいろな伝説や言い伝えがあるようなのですが、どれもこれもファンタジーやSF、場合によってはオカルトっぽいもののようです。虹の原理を知らないと、空に七色のアーチが掛かるなんて、大きな存在の御業に思えて当然でしょう。

 … 虹は七色ですからね!

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北乃銀猫
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