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短歌:突然すぎて

ままならない 何かいいことないかなと願っていたら恩師の訃報/銀猫
ままならない なにかいいことないかなとねがっていたらおんしのふほう

 わたしにはリアル人生の師がふたりいて、お一方は数年前に帰天なさいました(クリスチャン)。

 もうお一方は、まだ亡くなるようなお年ではなかったので想像だにしていなかったのですが、先日、訃報が届きました。

 大学で卒論の指導をしてくださった先生です。1年生から4年生までの間、ほかにもいろいろ講義でお世話になりました。正確なお年は存じ上げないのですが、まだ70代だったと思います。早すぎる。

 当時のわたしは勉学に対して生意気な学生で、ふだんの講義でも、この先生からのおぼえはまったくめでたくなかったと思います。
 それでも、卒論のテーマとして所属大学としては少々突飛なものを選んだわたしに、「見てあげるから書きなさい」とおっしゃってくださいました。御恩は忘れることができません。

 あー、なんだか、リアル人生の師がいなくなってしまって、急に心がさみしくなってきました。
 人生後半戦を生きていると、次々と別れがやってくるものですね。

 しみじみ。

 先生の講義での思い出の映画、「眺めのいい部屋 (A Room with a View)」でも見ようかな。もう何十回も見たのだけれど。

 わたしとしては、これ以上できないくらいがんばってレポートを書いたのですが、「全然書けていないね」とのご指導をいただいたのも、もはやいい思い出です。この不出来なレポートがあったから、あの卒論を書き切れたんだと思います。

 Thank you and rest in peace, J.B.  

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北乃銀猫
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