短歌:ひとめぼれ
学生の頃に、目から鱗が落ちた英語の話をヒントにした短歌です。
中学、高校の英語の授業で、形容詞の比較級 ( -er, more - )、最上級 ( -est, most - ) を習いますが、そのときに「より~だ」「最も~だ」という訳を覚えます。
大学でこの翻訳マジックを解く説明を受け、ある意味感動しました。
問いは、「"white" "whiter" "the whitest" のうち、最も白いのはどれか」というものでした。まだ高校生アタマだったので、反射のように(いや、反射だな) "the whitest" と答えたわけですが、これが翻訳マジックに見事に引っかかっている状態だったわけです。
正解は、「"white" がいちばん白い」とのこと。
「"whiter" "the whitest" は、どちらも比べる対象がある。いわば相対評価。黄ばんだものを並べて、『どちらが白いか、どれがいちばん白いか』を考え、より黄ばんでいないもの、いちばん黄ばんでいないものを選んだに過ぎない」
ほんと、目からぽろろと鱗が落ちました。
"white" は、絶対的な白さを意味する絶対評価なのです。黄ばんだ布5枚の中から "whiter" "the whitest" を選ぶことはできますが、"white" を選ぶことはできません。なぜなら、そこに "white" は存在しないからです。
これは、英語を学んでいく上で、大変助けになった考え方です。
タイトルをなぜ「ひとめぼれ」にしたかというと、白い薔薇1本の花言葉だからです。短歌にもエッセイにもあまり関係ありませんが、なんとなく、ひとめぼれした相手への絶対的な感情を表現できるかな、と思いまして。
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