【醸す旅】伝統を受け継ぐ街 徳島県鳴門市
気になった全国各地の発酵食品を巡る旅の記録です。
■徳島県鳴門市で醸す旅
▶︎旅の目的
目的は、醤油と味噌
醤油と味噌は、味は違えど親切のようなもの。
鳴門市にある醤油蔵と味噌蔵の見学に行ってきました。
鳴門市は、徳島県の北東部に位置し、鳴門海峡を隔てて、淡路島からの四国の玄関口になります。
渦潮が有名な地域ですね。
近くの小豆島では、醤油が有名ですが、この鳴門市でも老舗の醤油、味噌蔵があります。
小豆島の醤油蔵見学については、こちらをご覧ください。
天下の台所大阪に近く、比較的温暖少雨の瀬戸内海では、発展しやすい土地柄だったんですね。
醤油と味噌。
皆さんの家にはありますでしょうか?
常備している方が多いのではないでしょうか?
最も身近な発酵調味料のひとつですよね。
好きとか嫌いの概念がないほど身近なイメージがありますが、知れば知るほど奥深く、興味深い発酵食品です。
日本には各地で名産地と呼ばれる場所がいくつかありますが、
そんな場所以外でも伝統とこだわりを受け継ぎながら続けている蔵もたくさんあります。
今回は、そんな一面を見た旅だったなと感じています。
■散策ルート
▶︎ 福寿醤油(約60分)
文政9年(1826)創業。190年の歴史がある醤油蔵です。
のどかな住宅街の一角にありました。
特徴としては、じっくり時間をかける。
諸味の発酵期間は、一般的な4、5ヶ月にとどまらず1年以上費やしているとのこと。
そうすることによって、醤油本来の香りと深みのある旨みが引き出されるのだそうです。
◉蔵案内
まずは順番に製造工程の説明をしていただきました。大量生産ではなく、少量だからこそ出せる味やこだわりが伝わってきました。
◉櫂いれ
櫂いれ体験をさせていただきました。
櫂入れとは、もろみを櫂棒でかき混ぜる操作のことを言います。
櫂入れによりもろみの底で眠っている菌を呼び起こして発酵を促進させる目的があります。
1年、2年と熟成させたもろみの重みを感じます。子ども達も不思議そうに見ていました。
◉試食
数種類の醤油を試食させてもらいました。それぞれ特徴があり、味わいが異なります。
旨みを足したものは、甘味があり子ども達のお気に入り。(右から3番目)
徳島の特産品のすだちを使ったすだち醤油は、さっぱりして冷や奴に合いそう。(左から1番目)
他にも気になった商品があれば試飲させてもらえてじっくり選ぶことができました。
▶︎井上味噌醤油株式会社(約90分)
明治8年創業。こちらは140年の歴史がある味噌蔵です。
海の近い、細い路地の先にありました。こちらも創業以来の伝統を受け継いだ昔ながらの味を守り続けています。
◉蔵案内
受け継いできたものとして印象的だったのが、もろぶたと木樽。
◉もろぶた
もろぶたとは米麹を作るための木箱のことです。
約40時間かけて、麹菌ファーストで仕上げていきます。
1℃のズレも許されるない温湿度の管理は数字だけでなく、長年の経験で培われた体感を大切にされています。
◉木樽
木樽で仕込むことで、樽に微生物が棲みつき、蔵独特の旨みや香りが生み出されます。
しかし、樽の寿命は100年以上で職人不足が問題化しています。
ここの蔵では、木樽仕込みを続けるために近年地元の職人さんに依頼して新調されたそうです。
また新しい歴史が始まるんですね。
◉醸造蔵
醸造蔵も去年新築されたそうです。
阪神淡路大震災で倒壊した後、建築職人がおらず長年復興には至らなかったそうです。
今回、宮大工さん、左官職人さんと巡り会い復活させることができたとのこと。
真新しい外観と香り。そこに置かれた100年ものと新米の木樽。世代を超えて受け継がれたものが共存し合う場所でした。
◉試食
5種の味噌を試食させてもらいました。甘味のあるものからコクの強いものまで。同じ蔵でも製法によって色も味も全く違う面白さを感じました。
中でも100年ものの木樽と新米の木樽との違い。天然醸造だからこそ出せる違いなんだと実感することができました。
菌と共に、伝統と共に共存しながら受け継がれている歴史の重みを感じました。
■個人の感想
今回は、老舗の醤油蔵と味噌蔵の工場見学に行きました。
大手じゃないからこそできる手仕事というこだわり。
環境が変われば製法も変わる。そんな菌と共に生きる姿に感銘を受けました。
そして、普段何気なく手にしているものも生み出されるまでにはたくさんの人が関わっていて、たくさんの過程があるということを認識することができました。
私の醸す旅はまだまだ続きます♪
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