アランとエピクロスに学ぶ繊細さんの生き方
繊細さんやHSPと呼ばれる種族は
その五感による受信感度が非常に高い
五感で受信した情報は当然脳に刺激を与える
受信による多くは危険察知であることから
刺激の大抵は気分を害するものである
私自身が繊細気質で苦しみ
周囲から理解を得られず
苦労してきたからよくわかる
五感で受信した多すぎる刺激は
神経を激しく磨耗させる
神経から流れる情報は脳へと至り
脳内に作られる精神を揺さぶり不安定にする
不安定になった精神は脳に不快の意を表明し
それを受けた脳は警戒信号を発令する
警戒信号を受けた神経は緊張状態となり
頭痛や腹痛や不眠を引き起こす
そして引き起こされた体調不良を受けて
神経はさらに磨耗するのだ
鈍感気質な人間は簡単にこう言う
気にしなければ良いじゃないかと
しかしそれは高周域を自動受信するイルカに対して
超音波は聴くなとサメが言っているのと同意である
認知行動療法といったものがある
物事の受け止め方を変えていくという方法である
私もかかりつけの精神科医から推奨されたが
正直これは難しい
むしろ不可能に近いであろう
言ってみれば認知行動療法とは
精神や思考による受け止め方によって
扁桃体が受信した情報を再定義することである
実際にやってみた者なら誰でもわかるが
あれは理論上でしか動かぬ空想魔術である
冷静な時にはなるほど使えると思うが
実際に使うべき時はいつも突然訪れる
そんな土壇場でうまく立ち回れるのであれば
最初から苦労しないのだ
そもそも認知行動療法には致命的な見落としがある
快不快を判断し情念に影響を与える扁桃体の力は
脳内信号の中で最も命令系統が上位であるため
扁桃体が不快と判断したものを
理屈や思考で覆すのは難しい
ましてや扁桃体の判断を受けて発生した情念は
瞬時に思考と同一化する
同一化すれば冷静に考えることはできなくなり
冷静な時にはやらないこともしてしまうのだ
では繊細さんやHSPが生きやすくなる為には
脳内の扁桃体よりも早く強力な権限を持った命令で
現状に対する不安を上書きする必要があるのだ
欲を言えば感情を揺さぶられる機会を減らし
心の平静を獲得することが望ましい
具体的には健康や衣食住などは自然なものだけを求め
贅沢や権力や名声など煩わしさの基から距離を置き
苦痛や恐怖から自由な生活を送ることである
しかし様々なしがらみの中で生きる我々が
すぐにそういった生き方を選べるわけではない
ではすぐに実践すべき方法は何なのか
思考により身体を操り
身体から神経に刺激与えることで
神経から思考を上書きするしかないのである
一番早く効果的なのは薬物治療
そして欠伸と微笑みであった
少しでも精神を乱されていると思ったら
少しでも不快だなと思ったら
欠伸をして微笑んでみる
ただそうするだけで
体から心を上塗りできたのである
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