【若手理学療法士向け:血液データ】 ~栄養偏:アルブミン・血清総蛋白~
〇はじめに
今回はリハビリの仕事(PT、OT)をしていればどの職域でも必ず必要になる血液データについてお話します。
特に急性期や訪問などの在宅で勤務されている方はより多く血液データを見る機会があるのではないでしょうか。
回復期で勤務されている方は医者や看護師がメインで管理してくださっていたり、病態が安定している方が多いためあまり気にしない方もいるかもしれません。
自分も回復期で勤務しているころはそのように感じていました。
しかし、血液データを見ることでその人の体の中でどのような状況が起こっているのかを知り、適切な負荷量で運動などが実施できました。また主観的な評価である動作評価以外のところでも予後の検討ができたと感じています。
ただ、学生時代の実習や座学では血液データについて簡単にまとめることはあっても実際リハビリにどのように影響してくるのか、臨床とリンクしないことが多くセラピストになっても
「急に血液データみせられても、、、」
となると思います。
実際に多くの場合、血液データを見なくても大きな問題なくリハビリは行えますし、血液データを見ない先輩方も多いかもしれません。
ただ、血液データが読めることで客観的な事実に基づきリハビリやアセスメントが行えるようになります。
〇なんで血液データって必要なの
上記でも記載したように
血液データを見ないでもリハビリの実施は可能です。
ではなぜ血液データをみる必要があるのでしょうか。
①急変時の対応
入院となる原因疾患以外にも高齢になると様々な疾患を併発してます。
そんな患者様が急に息切れを起こし倒れたとします。
この仕事をしていると1度はリハビリ中の急変など経験すると思います。
そんな時に患者様の血液データから「BNPが高く心不全を起こしている」「Naが低く電解質異常が生じている」などDrからリハビリ中止の指示が出ない程度の異常をきたしていることを知っていれば急変の原因の優先順位を整理しやすくなるのではないでしょうか。
またそれを知っていることで急変前の異変にも気づきやすくなるかもしれません。
②客観的事実に基づきフィジカルアセスメントが起こなえる。
理学療法士としてフィジカルアセスメントが行えることも重要な能力の一つになると思います。
フィジカルアセスメントとは問診・視診・触診・打診・聴診を通して患者様の全身状態を把握することを言います。
これらの評価を行う前に血液データを確認しており、心臓・腎臓・栄養など異常値を把握しておくことで同じ浮腫・呼吸苦でも考え方は大きく異なるといったことは皆様も想像がつくと思います。
③他職種との連携がとりやすくなる。
急性期・回復期病棟問わず、患者様を担当すると必ずカンファレンスがあります。
そのカンファレンスの際、リハビリの現状報告だけになっていませんか。
身体機能の理解のみならず、血液データを確認し、全身状態を把握しておくことで、例えば栄養士との栄養指導の有無の確認やリハビリでのエネルギー量の共有、Drとの安静度や負荷量、リスクの共有など他職種との活発な意見交換の場になると思われます。
「血液データを見ることで少し臨床が変わりそう」
そんな気がしてもらえたらうれしいです。
そんな今回は日本リハビリテーション栄養学会があるほど全ての方に重要な
「栄養」
についてアルブミン(Alb)や血清総蛋白(TP)
などの視点から学んでいきましょう。
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