【蒸留日記vol.5】アカエゾマツを蒸留する!
こんちゃこんちゃ!
水滴が滴りはじめてから2時間というDistillation timeのおかげで日々生活習慣がズレにズレまくってるエフゲニーマエダです。
さてさて今日ついに!
北海道の象徴たる針葉樹エゾマツの蒸留にこぎつけました!
"エゾマツ"とは言ってもその名がつく針葉樹は2種あって、そのどちらとも明確な別種同士なんです。
で今回はアカエゾマツ(Picea glehnii)という北海道の人工林中で5%ほどの植栽面積を誇る、トドマツに次ぐシンボル的針葉樹の葉っぱを蒸留してみました!
■アカエゾマツの簡単なプロフィール!
第3回トドマツとの大きな差はなんといっても属の違い!
北海道に立たされて景色を見回して目に映らないことは無いってほど生えているトドマツとの大きな比較・違いポイントは
①葉っぱの先端が1本に尖っているか、二股に分かれているか!
②松ぼっくりが下に垂れるか、上を向くか!
これがモミ属 / トウヒ属を見分けるポイントになります。
でトドマツ固有の特徴と外来樹含む紛らわしい針葉樹を見分ける方法として、樹皮(木の幹)がツルツルしてるか/ひび割れしているかの違いになります。
トドマツは絶対と言っていいほどひび割れを起こさない樹木です!
●黒エゾマツと赤エゾマツの比較!
字面でみるといっちばん紛らわしいのがこの2種。
”エゾマツ”とつくものにはしっかり2種いるんです…!
ブタ!と言ってもブタとイノシシくらいの違いがあります!
まずアカエゾマツから!とにかく針葉で覆われたもしゃもしゃの枝葉。
この腸の絨毛組織のように表面積が大きいアカエゾマツの葉っぱは『防霧防煙・防雪機能』が優れているとされます。
ずっと見ているとサボテンに見えてくる。。。
そして樹皮がやたら赤いのもわかりますね!
アブラムシにやられながらも奇跡的に1本生えていたクロエゾマツ!
アカエゾマツと違い、葉っぱ1本1本が長めなので見た目トドマツのように見えます。
が、葉っぱの先端はしっかり尖っていて、樹皮もバッキバキのガッサガサ!
推測ですが、学名にエゾ(jezo)がつくので北海道においてメジャーなタイプなのでしょう。。。
ちなみにちなみに!
かなり離れた種族ですが、本州では腐るほど生えているスギ葉とエゾマツ葉の比較写真。
針葉が短く似ているのですが、香りから色から違っていますね。。。
■電線脇の剪定枝から素材活用!
さてさて今回アカエゾマツの葉っぱをGETできたのは、、、
送電線の雪対策で剪定されて路肩に積まれていた割と新鮮な枝葉!
雪が積もり始めたのでごく最近に電線にかかりそうな枝を落としたのでしょう。。。
葉っぱの1本1本が短いので葉っぱ密度が高く、ずっしりとかなり重さを感じます。オイルたくさん採れるといいね!
トマト臭さのような酸味を匂いに感じるトドマツとは違い、ジュニパーのような甘い香りがします。。。
GETした枝葉が新鮮だったためか、枝の断面からしっかり松ヤニが染み出してきてました!
100℃の蒸気にこの松ヤニ成分が溶け込み、水蒸気に持ち上げられるような軽い分子が結露することで精油が得られます!
■いざ蒸留!
葉っぱの密度が高いので、わりとギッシリ詰まります。
体感、トドマツ葉っぱを突っ込んだ時より量多く感じるんですよね。
葉っぱ自体がモシャモシャ緻密なので、そこまで細かくする意味ないかな〜?とみて、わりと枝葉の形を残しつつ蒸留してみました!
※追加実験あり
芳香蒸留水が滴りはじめてから2時間タイマーをセットして蒸留してみます!
■蒸留の結果は?
今回もしっかり2時間回しましたが、トドマツほど多くない収油率のようでした。。。
トドマツに比べエゾマツ類は存在が希少なため、オイルこそたくさん採れればなぁ〜とか思ってたんですが、そこまでドバドバとれるワケではないようです。
蒸留が終わり、アロマ成分が抜き出された後のアカエゾマツの葉っぱたち。
生気を吸い出されたかのような色褪せ具合ですね(笑)
葉っぱをわりと釜ギチギチに詰めたんですが、終わってみると半分ほどの高さにシューンと下がっています。
●エゾマツとトドマツ、香りの違いは⁉︎
香りはしっかりトドマツと区別できるほど香りが違いました!
トドマツオイルに比べて明るいイメージを持つアロマです!
癒されたい場面というよりは、元気になりたいときに活躍できそうな香りですね!
北海道で売られているアカエゾマツ精油。
2mL ¥4400。メチャクチャ高い。