【論文】フランス産ラベンダー精油とブルガリア産ラベンダー精油とでは、なぜ香りが大きく異なるのか?についての化学的見解【ISO基準】
■導入-Introduction
最近ハンドバウム(バター状で硬めの保湿剤)をつくるのにハマっているエフゲニーマエダです。
ハンドバウム作りはハンドメイドの範疇なのですが、ハーブ薬効成分の恩恵を得ようと、ラベンダー精油と他ハーブ精油の2種ブレンドで作っています。
それらを試作している上で思ったのが、コモンラベンダー精油は甘く爽やかで柔らかく優しい香りなので、他ハーブ精油のスーッとする香りに負けてしまうんですよ。
ラベンダーのアロマがけっこうハーブ精油の下手に回っちゃう。覆い被せられるといいますか…
だもので、ラベンダーの香りを自家製保湿軟膏なんかに使うときは、ラベンダー精油の量を増やさないといけないなぁ〜と思い、今日試しにAmazonで
1.フランス産コモンラベンダー精油50mL
2.ラバンジン・グロッソ精油30mL
3.ラバンジン・スーパー精油30mL
を買ったのですね。
これらこれらです。
ラバンジン精油に限ってはそもそもの製品単価が安いのもあって、2品種を買いました。それぞれウチにいますよ〜!
同じラバンジン(Lavandula x intermedia)同士ですが、それぞれ香りの性質も違っていて、グロッソはより甘い香りで、スーパーはスーッとするアロマが強いっていうレビューをよくみかけます。
歴史的には、どちらともフランスラベンダー産業を支えたラバンジン品種たちですが、耐病性が強かったGrossoにSuperは栽培数で押し負けていった来歴があります。
まぁ彼らは届いたらアロマのレビューなんかをしてみたいと思ってます!
■コモンラベンダー(L.angustifolia)オイルの2大巨頭たち。
で本記事のテーマであり問題なのが、使用品種が不明であり生産国違いだけの商品名となっている「コモンラベンダー精油」なんですよ。
(例外としてフランス産精油はMailletteなど生産量の多い精油はシングルオリジンが存在する)
コモンラベンダー(Lavandula angustifolia)は"園芸的に見れば"ゆうに100種類以上品種が存在しています。
1937年タネでフランスから渡来し今日まで残る北海道品種だけで9品種も…!
しかし、アロマグッズ的目線で日本で手に入るコモンラベンダー精油をみてみると、フランス産精油、ブルガリア産精油、フランス産メイレット精油、フランス産アルパイン精油、フランス産ワイルド/ファイン精油…などなど。
なんかコーヒーみたいですよね。
それぞれの意味はググってもらえればわかるんですけど、大きく国別、野生ラベンダーのオイルか大量栽培品種かどうか、で分けられてたりするようです。
▶︎フランス産とブルガリア産のラベンダー精油。
で、野生種ラベンダーから抽出された精油とメイレット精油はめっちゃ高いのでまず買えないんですが、比較的リーズナブルな価格帯で選べる選択肢というのが、フランス産精油かブルガリア産精油かというところ。
こんにち積極的にラベンダーオイルを生産し輸出に励んでいる国の2トップがどうやらブルガリアとフランスのようなんですね。(2017年時点-トルコ論文の統計データより)
ブルガリアの生産内情についてはよくわかってないんですが、フランスはラベンダーオイル生産事業者にどうやら国家で補助金制度を設けて国策として支援しているらしく、さらにオイルの質を2重の品質チェックフィルタを設けて厳正に管理しているそうです。(後述します)
フランスのラベンダーオイル生産は質で市場に挑んでいる感じがありますね。
で、おもしろいことにというか、それぞれ2国の品質基準が異なっているためか、最終的にコモンラベンダー精油の香りが異なってくるようなんです。
まずASHのオイルの説明を見てみると、フランス産は「爽やかさの中に落ち着きが感じられるハーバルな香り。」
爽やかさがあるという触れ込み。
対してブルガリア産の説明は「奥深く柔らかい、品のある落ち着いた香り。」
香り柔らかく落ち着いているという触れ込み。
なぜ同じコモンラベンダー(Lavandula angustifolia)同士なのにここまでアロマレビューが異なってくるのか。
ラベンダーオイルの化学組成表(Oil composition)を1年以上食い入るように読んでいるエフゲニーマエダからすると、だいたいOOとXXの成分が多かったり少なかったりするんだろうなぁ〜など予想がつくんですが、、、
実際にデータ持ってきて見比べて白黒つけてみましょうか〜!
というのが今回記事の主旨!
では論文紹介とともにいきましょう。
■こんな論文みっけてきたよ。
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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。