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ラバンジン・ボゴングを引っ越しさせるよ!
いままでのラバンジン・ボゴングに関する記事。
ラバンジン・ボゴング(Lavandula x intermedia 'Bogong')が我がラベンダー見本園にやってきたのはコロナクライシス直後の20年5月でした。
このボゴングを植える際に”特設花壇”として今現在の花壇規格であるブロック花壇植えをはじめました。
ボゴングを根付かせて3年目、立ち上げる花穂の量も増えたので水蒸気蒸留を試してみることに。
ボゴングから採れたラベンダーオイルの香りは、恐らくわが園イチ”癒されないカンファラスなアロマ”だった。
(観察レポート)ボゴングは恐らく雪・寒さに弱い傾向アリ。
みたいなのですよ。
ボゴング2株を根付かせて以来さまざまな同系統ラバンジンたちを植えてきましたが、どうもボゴングは毎年冬越しをさせるたびダメージを負っているようすでした。
ラバンジンの生態について「ラベンダーとラバンジン(2005)」という書籍を参照すると、どうやら品種によってコモン側・ヒロハ側と遺伝的な偏りがあるそうなのです。
例にとると、香りがコモン寄りである事で有名なスーパー(L.x intermedia 'Super')はコモン由来の遺伝が多く発現。
ヒロハのように樟脳臭く、巨大化傾向のあるボゴングは恐らくヒロハ寄りの性質を持っていると推察できます。
話戻して、ボゴングは蒸留をして精油を官能してみてもわかるとおり樟脳/カンファー臭がひときわ濃い品種であり、外見的特徴でもデカく育つとされています。(ゾーン6aの北海道ではキレイな樹形にはならなかった)
ということはボゴングの耐寒性能もヒロハに寄るんじゃないか?という推察ができますね。
毎年冬を越すたび樹形が乱れ、頂点ハゲができるのにも納得がいきます。
それがどうもわからんくなった件。株を掘り起こしてみて…
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ボゴングの真下に使われていた用土がなななんと、ラベンダー殺し(枯死してはいない)で有名なNot use黒土&有機石灰まみれの配合用土だったんですよ。エフゲニーマエダがラベンダーについてよくわかっていなかった時期の植栽方法でした。
あーこりゃマシ/健全に育つわけないよなー…と。
この土(用土配合)を使っていたのは2年目3年目でしたね確か。
その年に植わったラベンダーたちは花を咲かせず軒並みじーっくりと成長していたのを覚えています。
■ヒロハ&スイートらが来る地に居るので引っ越しさせる。
Day1
上記では育ちが悪く樹形が乱れてると申していたボゴングですが、事実としてデカいのですよ。
そらぁもう横にデカいので、一度株を掘り起こしてまた別の花壇に植え替える、この作業がかーなり難航するのが目に見えてます。
幸いラバンジン・ボゴングは多少のダメージじゃ枯れてしまうことは無いらしく、ラベンダーならではの生命力の強さを見せてくれています。
なので、引越しのために強剪定をかけます!!
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まぁ見ての通り内径40センチ花壇をはるかに逸脱して枝葉が伸び盛ってますね。これがラバンジン・ボゴングのデカさたるや・・・
まずは強剪定で株をコンパクト・省エネ仕様に。
けどこのままだとスコップも差せないし移植ができないので、少々心が痛みますが枝をバツバツ落としていきます!
【移植の際の剪定によるメリット】
剪定・移植をすることで当年の花穂・精油生産量はダウンしてしまいますが移植時の剪定はメリットもあって、植え替え時の根っこのダメージを枝葉のカットによって相殺する効果があります。
まぁ植え替えをする事で多少根っこにダメージがいくので、植え替えをしなかった場合のように100%成長エネルギーを供給することが難しくなって一時的に新芽が萎れるか一部が枯れてしまいます。
それを防ぐために75%まで落ちたエネルギー量に要求エネルギー量を合わせてあげるんですね。そんなイメージです!
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すごい量の枝葉がカットされました。
あたりに虫も寄りつかぬような凄まじいカンファーの香りが充満……。
ずいぶんコンパクトになったように見えますがこれでもまだなかなかの大きさをしてます。
ラベンダー類は"頂芽優勢"の性質をもった育ち方をするので、新芽・新葉の割合も伸びた枝先に集中してしまいます。
枝先へ注がれる成長エネルギーをあえてカットオフすることによって、株の中心部がより充実する・させる手筈になるワケですbb
で、カットされたよと意識させるために半日時間を置きます。
(雨が降ってきたというのもある…)
Day2
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スコップが差し込めるくらいには大株ボゴングをコンパクトにダイエットさせました。
これでもコモンよりは大きくいくらか手間がかかりますが、同じように植え替えていきます。
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植え替え場所も無しにいきなりボゴングを掘り取って長時間根っこもろとも裸の状態にさせておくワケがないので、近場に独立して1株分の花壇を用意しておきました!
ここがしばらくのボゴングの新住所でっす。
同様に大型種とされるラバンジン・シールと育ちを比べる目的で新しいボゴング花壇を用意しました。
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バタバタで撮影したので見えてませんが、リアカーにもう1株ボゴングが隠れてます。
で、もれなく我が研究園で最も大きい謎ラバンジンもお邪魔になったので同様に引っ越しさせました。いやーデカくて大変だった!!
ではでは!
続けてヒロハ系統見本花壇の造成作業に移ります!
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