ラベンダーを、食べる!(ラベンダーチョコレート編)
えーこんちわこんちわ。
ラベンダー専門家のエフゲニーマエダです。
大地が雪に覆われて緑を見られないせいか最近「冬季鬱」というのを患ってるっぽいです。
職業病というか、精神不安定のやつです、ハイ。
その反動で毎日ラベンダーの何かを作り出さないと気が済まない、ラベンダー衝動に駆られてます。
というわけで本日はこのタイトル!
●イチからラベンダーチョコを作ってみよーう!
世の中の「ラベンダーチョコ」といえば、
"茶色いチョコレートにラベンダーの香り付けがなされたモノ"を指す場合が多いです。
チョコレートは油脂のかたまりなので、水溶性物質よりラベンダーオイルの方がよりしっかりと混ざってくれるんですよね。
いわゆる普通のチョコに同じオイル・油脂物質であるラベンダーオイルを混ぜたもの。
イギリス北部のエディンバラに本拠をおくCOCOチョコレートのラベンダーフレーバーなんかが有名だったりしますね。
(パッケージからしてオシャレすぎ!!)
おいらもこれを蔦屋書店で手に入れて味わったことがありますが、あくまで
というのが俗にいうラベンダーチョコの現実なんですね。
ラベンダーチョコ界での与党がブラック系ラベンダーチョコ。
ラベンダーパープル好きでもあるおいらは、もっとTheラベンダーチョコ!な紫色のチョコレートを食べたい!
と願って止まないのです。
そこで、日本国内で探していては望みが薄いので
とりあえず自作する方向で挑んでみました!
●エフゲニーマエダ流ラベンダーチョコは、こう作る!!
そもそも論、黒いカカオチョコレートに色をつけるという行いは現実問題ムリな話なので、、、
当然ながらカカオマス無しのホワイトチョコを作り、それに色とラベンダーの香りを付けていくことになります。
そうなんです、今回のチョコ作りは『ホワイトチョコ』がベースとなります。
ホワイトチョコ単体を愛す人ってなかなか聞かないマイノリティ側なのであえて説明しますが、正体はミルクベースの甘いチョコです。
しかし茶色くないならカカオの香りは完全排除されてるか?というとそうでもなく、、、
カカオバターを使う時点でチョコレートの風味はしっかり着くのが特徴です。
まさに、カカオマス成分(茶色のアレ)だけを排除したミルクチョコだといえるんですね!
以上がホワイトチョコの基本的なプロフィールになります。
【その1】生クリームを使わず脱脂粉乳で作ってみる
既製品ホワイトチョコを湯煎で溶かし再び形成するという方法もあったんですが2年前にそれを試すと、既製品ラベンダーチョコは甘すぎてラベンダーに合うチョコ探しがめんどくさいという結果を招きました。
なのでイチから作ってみるのが早いだろう!
ということで、カカオ油脂を溶かしイチから作っていきます。
これぞマイスタースピリッツ…!
どうやらカカオバター使用量に対して半分量の乳成分が必須らしいです。
どこのレシピを見てもそんな感じでした。
チョコの甘さの決め手となる砂糖ですが、
チョコを冷やし固める際、ダマにならず口当たり滑らかさを実現するにはできる限り細かい粉糖を使用するのが望ましいそう。
大きすぎる砂糖の粒はダマを誘発しちゃうらしいんですね。
でラベンダーシュガーを使ったんですが、これ完全に私の自作調味料。。。
ドライラベンダーのポプリとグラニュー糖をミキサーにかけ紫色の粉糖にしたもので、水に溶かすと天然成分の紫色を作りだせるシロモノです。
上のラベンダー粉末と粉糖を混ぜて無印の茶こしで繊維を取り除くことでも作ることができます。
■調理の順序。
まず第一に、カカオバターを液質に戻していきます。
なるっべく綺麗で保温性の高い鍋を使うことに留意してください。
カカオバターを溶かす際、早く溶かそうと温度を上げすぎるとカカオ油脂の分子構造が熱変成してしまうそう。
なので温度変化がゆっくりな厚手の鍋を使います。
温度計突っ込んでないのでわかりませんが50〜60℃ぐらいを目安に溶かしこんでいきます。
第二に、乳成分の投入。
初回、手応えを探るために甘味付きの粉乳であるクリープを使いましたが、ダマの水あめ状になって大失敗。(クリープは熱で飴になるっぽい)
なのでスキムミルクなどの甘くないサラサラなThe脱脂粉乳をカカオバターの半分量投入。
砂糖や粉乳を入れるタイミングはカカオバターの温度が一気に下がってしまうタイミング。
なのでカカオバターを60℃ほどで維持しつつ少量・小分けに粉乳を投じていきます。
シリコンヘラで混ぜるとベストなのですが、おいらはスプーンを使いました。
砂糖の投入についてですが、砂糖の粒がなるべく細かいことに留意してください。
そもそも論、油に砂糖は解けないので、すっごくキメ細かい砂糖をチョコ内部に均等に散らしていくイメージで甘味付けします。
(砂糖の粒が大きすぎるとチョコの舌触りがザラザラします)
砂糖に関しても、粉乳と同様の手順で小分けに投入してください。
カカオバターの温度が高すぎると、砂糖によってアメ化してしまうので注意!
全ての材料を入れ終えると、"混ぜながら冷やし固める"プロセスです!
ゼリーやプリンと違い、溶かしチョコを冷蔵庫で冷やしちゃいけないのは、味のしない油層と砂糖や材料ダマの沈殿層とで2層に別れて固まってしまうからなんです。
それを抑えるために、カカオバターが固形化するギリギリの温度まで混ぜ続け、チョコの内容成分を均し続ける動作が肝心になります。
お菓子職人やチョコレート作りの本職では「テンパリング」と呼ぶプロセスですね。(大理石の台の上で練り合わせるやつ)
おいらはサランラップを敷いた小皿に溶けたチョコ溶液を入れ、その中でひたすらまぜまぜしていました。
で、ある温度まで下がると1分もしないうちにトロトロ状態から一気に固まっていくので、その状態変化を予知し、薄いプレートなどに流し込みます。
この溶けたチョコが固形化しだす状態変化のタイミングを察知するのがなかなか経験を要する感覚だな〜〜と思いました!
(ラクに作るには慣れが必要なポイントです!)
■そして人生初のチョコは完成する。
魔法を使って食べやすい薄さに形成した、人生初のクラフトチョコレートです。
◀︎白いほうがラベンダー成分なしの処女作ホワイトチョコ
▶︎紫色の色付きチョコがラベンダーチョコ
ラベンダーの天然色素で色味を出してるので、キレイな紫色とは言えない感じですね。。。
しかも生クリーム入りではないのでかなりのガッチガチなB級チョコレートに仕上がっています(笑)
冷蔵庫から出したばかりの手作りチョコは、もはや凶器に匹敵する硬さです((笑
けど味はしっかりパワフルな濃紫ラベンダーの香り!
おそらくラベンダーシュガー(目分量)を入れすぎた疑惑があります。
エフゲニーマエダ氏の悪いクセとして、ついついラベンダー粉末を入れすぎてしまうクセがあります。。。(上記noteは緑色になったホットケーキ)
ホワイトチョコの方も粉乳のおかげでしっかりミルキーな香りの伸びがありますが、あえて言うなれば秀でた香りはそれだけという。。。
うーん、チョコとしてはこのガリガリさをもうちょっと緩めたい。
そう願ったエフゲニーマエダは次なる手を打ち出します。。。
【その2】正直に生クリームをつかってみる
前回は脱脂粉乳を使ってミルク成分を添加しましたが、結果は歯が折れそうなぐらいのガリッガリ具合でした。
そして舌触りは粉々感…というかザラザラ感を感じるようなクオリティだったので、第2幕は思い切って生クリームを投じてみることに!
とはいいつつも、"無職でケチな"おいら氏は¥300以上もする生クリームを使おうとはせず、甘みのついているコーヒーフレッシュを生クリームの代用として使ってみることにしました。
コーヒーフレッシュは液体成分であり、生クリームと比べて味が違うのは知っていたので、乳成分がどれぐらい薄まっているかの懸念はありました。
なので素直にオススメはできない材料ではあります(笑)
本当はちゃんとした生クリーム使いたいんだけどネ・・・
なんちゃってテンパリングのようすを撮ってみたのですが、思いのほか脱脂粉乳チョコより、溶かしたホワイトチョコ感があることに驚いたおいらです。
溶けたカカオバター(液体)に対して生クリーム(液体)を混ぜたので、ごくきめ細かく混ざり合ってくれてます。
やはり生クリームを適量入れるのがホワイトチョコ作りにおいての正解なんだろうか。。。
で、3度目のラベンダーチョコ作りチャレンジの結果です!
割と前回よりフォークが刺さりやすくなるほどにはやわらかくなったっぽいです!
お味の感想は、「今度は甘さの伸びが不十分」という結果になりました。
チョコの硬さとしては食べやすく口どけなめらかでベストなんですが、ラベンダーシュガーの量を渋ったせいで甘みの少なくカカオバター臭いチープなホワイトチョコに。。。
いや〜第2幕のチョコは甘味が少なすぎるというクオリティに仕上がってしまいました!
なのでそもそものラベンダーシュガーに使っている、甘ささっぱりが特徴であるグラニュー糖をもっと甘みの強い砂糖に変えてラベンダー粉糖を作っておくべきですね!
●ま!ようするに、、、
あとがき・総論ですが、ホワイトチョコレートは単に油の塊を溶かして乳成分と甘みをつっこんで固めたものだったりします。。。
なので工程としてはわりと簡単なものなんですね。
なので①カカオバターと②直に食べられる無農薬栽培ラベンダーくらいがマイナーな材料なワケです。
逆にそれぐらいの苦労!
マイナーなホワイトチョコレート作りと聞くと、一見ハードルは高そう!なんですが、回数重ねればちゃちゃっと作れちゃうコンテンツだったりしますよ〜という感想なんですよw
それに、フレーバーベースのラベンダーは3号濃紫という、その香りは甘味ベクトルが強いラベンダーで作った粉糖を使ったので、わりかしチョコレートなど洋菓子の味にマッチしてるんじゃないか説があったりもするんですよ。
なので3号濃紫ラベンダーの甘い特徴的な香りを生かしてクッキーやドーナツなど、どんどん洋菓子領域攻められるんちゃう!?と思っているおいらです!
毎回おなじみ中身のないあとがきになりましたが久々に4500文字越えの長文を生み出してしまったのでこの辺で終わりにしまっす。
最後に粉糖の原料である3号濃紫ラベンダーの粉末を紹介しておきますbb