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わが庭のラベンダーたちがニセコ方面へ旅立ちました!

こんばんはっす。
ついにウチで育ったラベンダーが8月17日に遠く離れたニセコの地へ飛び立ちました!
おそらくエフゲニーマエダ初めての遠隔地へのラベンダー繁殖事業になるんじゃないでしょうか!

このラベンダー苗移植イベントまでへの準備自体は去年から虎視眈々と進めており…

半年ほど時間をかけて育て上げた苗木がついに植え替え可能となったので、エフゲニーマエダ氏によって育てられたラベンダーたちをラベンダーに由緒あるニセコの地へ近づけてやりました!

その偉大なステップを厳かに記事にしてレポートしていってみます!

●きっかけ

だいたいの養蜂園さんへラベンダー苗を持っていく話はここで書かれていますね。

ざっくりワケを説明すると、養蜂家さんはハチミツを収穫して販売することを生業とする業種なのですが、、、
養畜しているミツバチは、あらゆる植物のお花から"花蜜"を集めますよね。
で、養蜂園のまわりにお花が増えることは採蜜量が増えるのでメリットらしいんです。巣箱のまわりに咲く花の数が増えれば、それだけ蜜も増える仕組みらしく、、、

とにかく花が欲しい!そんな状態らしいのです。

そんなところに、将来の日本ラベンダー産業を憂いて稀少品種の繁殖をしたいエフゲニーマエダ氏とニセコエリアの養蜂家さんとで利害が一致したのです!

●ラベンダー苗の準備とニセコでの作業。

▶︎苗木の準備作業!

ラベンダーの苗木製造・準備としては昨年2022年の秋口にはすでに始まっていました。

希少な品種保存のために先んじて挿し穂苗を作っていた

ニセコ方面への栽培地拡大の話がやってくる前から、今の時代となっては日本国内において希少となってしまったコモンラベンダー品種がありまして、、、
コモンラベンダーの栽培適地であるここ北海道にて、とにかくその稀少品種の資源数を増やして国内絶滅を避ける活動をやりたかったので、先んじて秋の剪定で出る枝葉を挿し穂として長生きさせたんですね。

言葉を裏返すと、この時点で特に植える場所や行き先など無いがとりあえず苗は作ったという無計画な保護活動のスタートでもありました…。

この剪定枝葉をプラグトレーにて挿し穂苗にする作業はウチに猫がいないので登山仲間の友人の手を借りて実施しました!
ありがとう!この子達は次なる地へ旅立ったよ!

冬間際の11月の挿し穂苗のようす。

葉っぱが冬眠に入るサイン(シルバーグリーンへ白まる)がみられています。しっかり生きてますね。
この11月にさしかかる頃にこれらラベンダー希少品種の苗たちをニセコで育ててみる計画が養蜂家さんより持ち込まれ、決定していました!

こんな氷漬けになってるので根っこの生存状況が心配だった

プラグトレーでの挿し穂繁殖という規格化された状態での越冬は初めてなので、こんな雪まみれの氷ゴビゴビ状態からちゃんと翌年へ生き残れるのか?の検証でもありました。
この雪まみれ苗トレーはさすがにイレギュラーなのですが、本来は降雪とともに雪の下と地面に安置し、翌年雪がとける4月まで冬眠させます。

雪が溶けた翌年の6月時点の挿し穂プラグトレーのようす。
モノによって冬眠から目覚めて葉っぱを深緑色に染めてる子たちがチラホラ写っていますね。ちゃんと生き残りました!

このプラグトレーで使用しているのはパーライト土であり、無栄養な状態。
今後自身の枝に含まれる栄養だけでは大きくなれないので、栽培用土からチッソ栄養を与えられる栽培用土&3号ポットへ引越しさせてより苗木らしく仕立てます。
自立栄養での生活は一旦ここまで。。。

無栄養育ちと栽培用土育ちの比較

で、窒素養分を含んだポットに移植したことでより大きく育っていることがわかる比較写真です。
無栄養のプラグトレーにいる子たちに比べて、少し大きなポットで栄養を獲得しつつ育つとここまで成長に差が現れるのかが目で見てわかりますね…!
7月に残りのプラグ苗もポット苗へ移植する作業を行い…

蒸留作業がひと段落した8月なかばの引越し当日

8月お盆過ぎの、いよいよニセコ方面へ旅立つ当日となりました。
本来であれば春先か秋口に植え付けるべきなんですが。。。

特にボリュームがあって育ちの良い苗を選抜し、まずは3トレー分/72本のコモンラベンダー苗をニセコ栽培地へ送ることに!
保険で1ケース分はこちらに残しました。

現地の土壌に直接ラベンダーを植え付けるぶっつけな試み
赤っぽくポロポロしている。火山由来土質だから?

一つ課題点があって、現地ではウチのような花壇と無難に大株に育つよう調整された栽培用土を用意していないのです。

ようは休耕地の地面にそのまま地植え!という"ぶっつけ定植スタイル"となるので、現地土壌がラベンダーと相性良いか悪いかについては未検証だったのです。

最悪、土壌的な問題( pHや排水性など?)でまったく育たないといったリスクも孕みつつの72ポット一気植え!というスタイルになりました。

▶︎ラベンダー苗定植作業!

植えた子たちを眺めるおいら
植えた子たちの顔ぶれ
定植地では特に花壇や栽培用土を用意することなく、そのまま地植えとした。
羊蹄山や洞爺湖に近接するエリアなので用土が火山由来で赤っぽい。
定植完了後。ここに72本・2列で植わさっている。
植えてみると意外と少ないもんだった。もう少し数あればな〜という感想。

植える作業自体はおいらと養蜂家さんとでサクサクっと30分程度で済んでしまいました!

今までのエフゲニーマエダの営農上では、それなりに大きく育ったラベンダー株ばかりを植え替えていたのでそれなりの労力でしたが、ポット苗はかなり小さなものなので今までのラベンダー植え替えに比べると圧倒的仕事量のラクさがあるのでした。

▶︎ただ植え付けてゴール!ではない…!

それもそのはず、ラベンダー苗はただ地面に植え付けたらそれが安定してしっかり大株に育ってくれるかというとそうではありません。
土壌が合うのかどうか(Soil suitable)、その年その時期の気候が苗を弱らすものではないかどうか(climate pattern)などが今後のミソになってくるワケでありまして、すぐさま目を離せるものでもないのです。

人間でいうと子供が生まれてからちゃんと成人まで無事育つことができるか、的な感覚に似ていますね。

なので植え付けたから一安心!子育て終わり!とはならないのです。笑

今後として必須になってくる作業といえば、
植え付けから1週間メドで苗のご機嫌がナナメとなれば気候や土質の不相応を疑い、、、
成長が好調で気温が20-25℃台となれば、開花促進により花芽が立ち上がってくるので、苗の肥大成長を促すために開花前に花芽を摘む作業、、、

なんかが定植後しばらくの生育管理タスクとしてあがってきますね!

●今後の展望

今回のニセコ方面へのラベンダー栽培地拡大イベントでは、ニセコの市街地にドン!と植わさったワケではなく、あくまでニセコエリアに属する地方の休耕地の一角を再び耕して何十本かのコモンラベンダーを植え付けたよ、というステップでした!
なので当面は養蜂園さんの休耕地で栽培株数を増やしつつニセコ町なんかでの大々的なラベンダー栽培事業を見据えた、ラベンダー苗木生産の拠点・橋頭堡としての活用をしていきたいな〜と考えています。
ニセコ近郊でのラベンダー生産拠点ですかね。

そもそも、気候(ハーディネスゾーンなど)が適してはいても、栽培に用いる用土(土壌)がコモンラベンダーの生育に向くのか向かないのかは未検証だったのでこのラベンダー出征第一陣で感触を探ってみるという課題があるのです。

この土壌問題が晴れてクリアとなれば、それすなわちで安定的なラベンダーの栽培地に向くという事ですから2番手3番手に優先して栽培保護をしてあげたい稀少品種を送りたいと思っています。

少なくとも、苗木生産のノウハウは獲得したワケなので…!

2年3年して養蜂園さんでのラベンダー株が無事大きくなれば、北海道の西半分へのラベンダー苗木の生産拠点をそちらで稼働させてもいいんじゃないかな〜と思っているおいらです。

〜さいごに〜

白く美しいヤマハハコの花冠。キク科植物。

おいらが普段生活する道央・札幌圏ではなかなかお目にかかれない珍しい植物であるヤマハハコ(Anaphalis margaritacea)がニセコ移植地の周囲に咲いていたのでパシャり。

主に北海道の西側、渡島函館エリアで育っている植物のイメージです。

葉っぱが繊毛で覆われていて花冠も白くひときわ目立つので、カラーフィルタリングなしでもこのように白くシルエットが浮き出て目立ちます。
ラベンダーのWinter leafのように白いので、ハーブか何かかと思っていました。

ドライフラワーにするとその美しさを長く楽しめるようです。

と、北海道の西側へドライブすると見られる白く可憐なキク科植物、ヤマハハコの紹介でした〜!


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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。