【蒸留日記vol.41-2】余ったラベンダーの葉っぱと茎を蒸留してみた!
ほいで、そんなこんなで贅沢にも紫色のお花部分だけを蒸留してやった前回。
オイルの質を下げるから、と余された彼らがいますね。
そんな彼らからも、余さずオイル採っちゃいましょう!
というのが実は建前だったり。
最底辺高校出身ながらも英語を読み解いて得た知識なので、本当ならガッチリ有料部分で囲って畑の資金応援してくれた方にのみ公開したい情報なのですが、ラベンダーにおける葉っぱと茎が持つオイルの成分は、実は虫除け成分が主体。(シネオールやリモネン、ボルネオールなど)
ミツバチを呼ぶためのいい香りの成分・オイルはお花部分にしかないんです。
ということは、葉っぱや茎からはスースーした、柑橘のようなオイルが採れる計算になります。
そして製品用のラベンダーオイルに茎や葉っぱを含めれば含めるほど、オイル・香りの質を下げる原因になります。
じゃあ、試しに葉っぱと茎だけを蒸留してオイル採れば、香りの質を落とす原因のオイルが採れるんじゃね?うまいこと分ければ虫除けスプレーなんかに使えるんじゃね?
という試算のもと、蒸留やっていってみましょ〜〜〜う!
●大量の葉っぱと茎を釜にぶっこむ!
彼らは「副産物」という素材特性だったりします。
なので主眼としてリーフオイルを得るために生産される部位というワケではなく、あくまで3号濃紫の花のみ蒸留や、ドライポプリの生産過程で発生する素材です。
通常なら外にぶんなげて土に返してしまうのですが、アップサイクルの考え方を取り入れて、防虫成分を多く含む葉っぱや茎からもオイルを取り出します。
方法としては、松の葉っぱ蒸留と同様に細かく刻んで、蒸気が効率よく当たってくれるように前処理します。
長いまんまだと釜の端に隙間が大きくできて蒸気が逃げてしまうばかりになり、抽出効率が落ちます。
まぁいうても、ハーブと松の葉っぱでは精油が存在している部分がぜんぜん違うので意味のない事かもしれませんが。。。
こういうのを馬鹿の考え休むに似たりっていうんですよね。わかります。
で、あとは蒸留器にザザーッと流し込むだけ。
同じラベンダー素材なんですが、やはり部位が違えば漂ってくる香りもどこかハーブ臭というかスーッとする香りが混じっています。
このスーッとする香り成分をオイルとして抽出するのが今回の目標です。
●蒸留結果は…!?
黄色みの強い、オリーブ油的な精油が"わずかに"抽出されました!
だいたい2~3mL程度でしょうか。
ここでわかるのは、ラベンダーという植物は花穂にかなりの精油を有している・保持しているということがわかりますね。
素材の体積自体では、茎と葉っぱはかなりの体積量を占めるのですが、精油を保持しているかはまた別の関係だったよう。。。
我としたことが、少ない抽出量でいきなりどデカイ30mLビンに保存してしまい、、、
なので肝心のmL数が見当つけにくいですが、昨日上げた3号濃紫の花のみ蒸留で得られた精油量と比較すると歩留まりの差は歴然、って感じのよう!
無論、香りもお花から採れるラベンダーオイルの香りとはやや違っていて、甘っ辛いベクトルの香りが付加しているんですね。
これは是非とも何かアロマテイスティングの機会なんかを設けて味わっていただきたい香りの違い。。。
で!!
実際、25L体積の葉っぱと茎に含まれる精油量としては微々たるものなのですが、この精油が花穂から得られる精油に混ざるとなると、少なからず品質は変容してしまうことになります。
そしてミツバチなどを呼ぶためのお花精油と葉っぱ精油とではとある明確な違いがあったり、、、
○白いモヤが浮かぶ、この正体は。。。
ラベンダーオイルの中には昇華性(液体にならず個体→気体となる)の物質が含まれていたりします。
特にヒロハラベンダー(Lavandula latifolia)とそのハイブリッドであるラバンジン(Lavandula x intermedia)では、得られる精油中に10%も含まれる防虫物質であるカンファー(樟脳)あるいはボルネオール(竜脳)です。
コモンラベンダーの葉っぱ細胞にもわずかに樟脳・竜脳を作り出す能力があったりします。
でこいつらは蒸留すると結晶状態で析出されるので、オイル中に存在すると白いモヤがかかったように見えます。
画像の葉っぱ抽出オイルにはしっかり見られますね。
ほい!
普段精油をとらない余った部位からも精油を取ったよ!という大変エコな蒸留回でした!