催眠と催眠暗示が解けるしくみ
※前回と同様にあくまでも仮説であり、年々様々な催眠術師さんたちや研究者さんたちによって新しく更新されたり、別の仮説を出している方もいらっしゃいますので、一つの考えとして参考になれば良いと思っております。
催眠状態から元の通常状態へと戻る
催眠術が解けるということは、術者が手を叩いたり指を鳴らしたりすることによって被験者が入っていた催眠状態から『”元の状態へと戻る”』ということを示しています。
催眠のレベルの状態が深すぎて、人によっては元の状態へと戻るのに時間がかかったり、タイムラグがあったりと個人差がありますが、結局は一部の催眠術師さんを除いて全ての催眠術師さんが行っている催眠覚醒の目的は一緒だと思われます。
後催眠暗示が鍵
私が学生時代の頃の記憶が正しければ、中学校か高等学校の生物の授業で学んだと思われます。私たちの身体の状態や体温などをコントロールしている恒常性維持機能と呼ばれる機能が存在します。(生体恒常性やホメオスタシスなどとも呼ばれています。)催眠術の本に出てくる内容ですの、催眠の知識をかじっている方には馴染みのある内容だと思われます。
催眠術の説明をするのでホメオスタシスに関する詳しい説明は今回は省きますが、心理的にも作用すると言われているのです。
ホメオスタシスがあるお陰で、催眠暗示に掛かってもしばらく放置したり一晩寝ることによって催眠状態から催眠にかかる前の状態へと強制的に戻ります。
催眠に掛かったものは良いけれど一晩で戻るのなら依頼をした意味がありませんので、催眠術師さんたちは被験者に対して【後催眠暗示】というものを掛けます。
つまり、催眠状態から醒めても催眠術が解けても暗示が長続きするようにロックさせます。そうすることによって被験者は特別なことが無い限りずっとその暗示を長続きさせることが可能になります。
暗示で元に戻す
催眠状態に入ると潜在意識を引き出す(※流派によっては”書き換え”と言ったりする)ことができるので、被験者の精神レベルや身体レベル(体温や筋肉の硬直や弛緩 ※個人差あり)に大きく反応が出てしまいます。
催眠を解く際にはこの開放的になっている状態を催眠覚醒暗示によって元の起きていた状態へと【戻れ】とホメオスタシスが作用して元の状態へと戻し催眠から醒めることができます。
ここまでは、日本催眠術倶楽部の田村通章氏のYoutube動画を参考に説明させていただきました。
催眠が解けることによって催眠の感覚も戻ってしまう?
催眠術を遊びでプライベートで掛けていると、ごくたまーにいらっしゃる被験者さんでキチンと催眠に掛かっているのに
『催眠術に掛かったどうか分からない』
『催眠に掛けられたけど手を開こうと思ったら開けた』
『掛かったフリをした』
と仰られる方がいらっしゃいます。
深トランス状態と呼ばれる深いレベルの催眠状態へ入ることができるようになると、[幻覚・幻聴・記憶・時間軸 操作]と呼ばれる領域まで達することができ、動画内では中トランスの催眠療法をベースに説明を行っていますが、これは深い催眠状態のときにも当然ながら適応されます。
催眠は千差万別で全員が100%同じ掛かりかたをすることはあまりないので例外も出てくるわけです。
上記の場合は、私Sihirliの考えかたですが、
”催眠術が解けると元の掛かっていなかった状態へと戻り
[催眠術に掛かった]感覚のことを矛盾を判断する脳のフィルターが
後処理をしてしまいそれを認識してしまうことで、
明らかに掛かっている身体的な反応が出ているのにも関わらず
『手を開こうとすれば開けた』『掛かったフリをした』
と話してしまうのでないか?”
と考えています。
他にも、催眠に掛かることに関する説明不足で相手の催眠に対するイメージ=眠ってしまう、という誤解を解く洗脳解除の作業が上手く出来ていないと言った理由で
”『催眠術を掛けられたけど眠ることが無かったので掛からなかったです』”
”『手が固まる暗示とか色々な暗示を掛けられましたけど、この暗示以外は掛からなかったので掛からなかったです。』”
と仰られる被験者のかたもいらっしゃいますので催眠術を行う際にはしっかりと洗脳解除や説明はしっかりと行いましょう。
”催眠術は人ぞれぞれで催眠に入る人もいれば暗示が入る人もいて、催眠状態と暗示は別々だと考えて下さい。なぜかというと、手を固めるような緊張の暗示が入らない人も中にはいたり、反対に力が抜ける暗示が入る人もいるので、その人の得意な暗示や不得意な暗示など人によってそれぞれあります。そのため、掛かるために何度か練習が必要になるかもしれません。先天的に才能があってすぐに掛かる人もいれば、何度か掛けていくことによって催眠術が掛かるようになった人もいらっしゃいます。催眠術は人を操るツールではありませんし、お互いのペースを合わせて起こすものなので何を言われているのか掛けられている本人は理解していますし記憶に残りますよ。”
催眠が解けるのも人それぞれ
催眠術が解けるのも実際に催眠を掛けていくと人ぞれぞれで、【催眠を解く作業をしないと解けない人】【自分で意識を集中させて自分で勝手に催眠を解く人】【掛けるのを辞めると解ける人】と千差万別です。
【刷り込み】のその人の生まれた環境や育った環境、性格や考えによって多少のズレなどが生じることがあります。術を掛ける術師さんは被験者と仲良くなり、その人の考えや得意な暗示と不得意な暗示、傾向を見極めないといけません。
上手く見極めて被験者が満足できる催眠セッションを目指しましょう。
引用&参考
hypnocafechaos - 日本催眠術倶楽部 Youtube
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