【DIY】自分だけの本棚の作り方
賃貸マンションに12月から住み始めた。元々一軒家に置いていた本や、壁にかけていたタイル。行き場所がなくクローゼットに眠っていたので、少し申し訳ない気持ちになってきた。それで紆余曲折あり、自分で本棚を作ることに。作り方を記録したのでご参考までに(※一部商品のPRも含みます)。
DIYで作った(自称)オシャレな本棚
今回作った本棚がこちら。それぞれの本のサイズ+引き出すために指が入るスキマ分くらいの幅に棚を設定していて、ジャストフィットしており気持ちいい。文庫本もハードカバーも専用の幅の棚へおいて、サイズが極端に大きい本は一番上へ。
また、右側の上段には本が入らない小さな幅の隙間を作った。これは時計やイヤホンがすぐに行方不明になるので、固定のおき場所を作りたかったからだ。このように本棚が本来持っていない機能を持たせられるのも、DIYの魅力。
こだわりポイント:幅をジャストサイズに
こだわったポイントとして、左側は柱を一本、右側は柱を2本連結させることで幅を変えている。既製品の本棚でよくあるのが、奥行きが深すぎて本の背表紙が横や斜めから見えなくてあまりカッコよくないというパターン。今回はそうならないように、本棚側の奥行きは178㎜にすることで、本がギリギリはみ出すかどうかというラインを狙った。また左側は趣味であるボードゲーム置き場にしたかったので、半分の89㎜(柱1本分)に調整。
あえて金網にすることで金具と雰囲気を統一
元々自分が作っている机がウォルナット風の茶色い天板に黒い金属製の足がついているものだったので、雰囲気を合わせたくて、よくある有孔ボード(穴がいっぱい空いているDIYでは定番の板)ではなく金網を採用。
なんと最近はDIY用の壁かけ金網でカッコいいやつが売っている。Lacetyというシリーズだ。今回は高さ860㎜×幅580mmの大型のものを使用。ちなみにかけている植物はふるさと納税でゲットしたビカクシダ(コウモリラン)。
なぜ本棚を作ったのか
単に本棚を置くだけじゃなくてトルコで買ったお洒落なタイルとか、色々なものを壁にかけて楽しみたかったのが大きな理由だ。賃貸住宅だから壁に穴をあけるのはあまりよろしくないし、しかも今回本棚を立てた側の壁はコンクリでできているので画びょうとかそもそも刺さらない。
また、やっぱりいい感じの本棚ほど高くて、下手すると10万円以上してしまう。壁掛け部分も、時計置き場もないのに。これはさすがに自分で作ったほうが早そうだということで、本棚を作ることに。
本棚の作り方①どんな本棚が欲しいか考える
自分的本棚の作り方をまとめる。たぶん他の家具を作るときも一緒の流れ。まずは本棚に欲しい機能を考える。自分の場合はこうだった。
本がたくさん収納できること
地震の時などに倒れてくるリスクが低いこと
(=天井まで伸ばして突っ張り棒的に耐震性を確保する)壁にものがかけられる部分をつくる
(=植物とかタイルとかをかける)時計とかイヤホンを置く場所をつくる
アナログゲーム置き場をつくる
インターホンの受話機置き場を作る
まずはコンセプトを考えてどういうパーツが必要か、想像を膨らませていく。
本棚の作り方②寸法を測る
①で確認したように自作家具ももちろん安全第一なので、耐震性は確保したいところ。天井まで木材を伸ばして、金具で突っ張り棒のように支えてしまうのが一番よさそうだと考えた。
そこで使ったのがこちらのラブリコアイアン(黒)。こういうアイテムは色々と種類があるのでぜひ比較検討してほしいが、個人的にはこれが一番スタイリッシュに感じた。
値段もそこまで高くないので、これを必要な柱の数だけ購入する。今回の本棚では5つ使っている。ちなみに床に触れる側に貼り付けるクッションもついているという親切設計。
ラブリコアイアンの場合は天井から75㎜短い木材を買ってくればいいと公式に解説されている。巻き尺を使って天井までの長さを測ると2,130㎜だったので、2,065mmの木材が5本必要になることを確認し、書き留める。
本棚の作り方③図面を書く
このまま勢いで木材を入手しに行っても良いが、絶対にどこかで分からなくなるので簡単に図面に起こす。後述するように木材はカットしてもらわないといけないので、どの長さの木材が何本必要かは図に書いたほうがいい。
今回はざっくり2,065mmの柱を縦3列に書いて、それぞれにどれくらい横幅が必要かをメモした。
上記から見えてくるのが、
柱(2,065mm)のもの 5本(本棚部分は2本重ねて使うため)
左側棚板(580mm×柱1本分) 3枚
右側棚板(600mm×柱2本分) 8枚
が木材としては必要ということになる。
2×4材、1×4材とは
2×4材(ツーバイフォー材)とは、DIYでは定番の木材の規格。38㎜×89㎜の木材のことだ。2×4材はホームセンターで比較的安価に手に入ることが多いので、今回は柱に採用する。
また左側のアナログゲーム置き場の棚板にはその半分の厚みの1×4材(ワンバイフォー材)を使う(19mm×89mm)。右側の本棚の棚板は2×4の柱2本分の厚みが必要になるので、1×8材(ワンバイエイト材)としてホームセンターで売られている(19mm×178mm)ものを使う。ちょうど2×4の柱の奥行き89mm×2本分になる。先ほどのリストに追記してみよう。
【2×4材】柱(2,065mm)のもの 5本
【1×4材】左側棚板(580mm×柱1本分) 3枚
【1×8材】右側棚板(600mm×柱2本分) 8枚
実際には2×4材の中でもパインとかもみとかいろいろと種類があるのだが、個人的にはどれも使えるのであまり気にしていない。今回はホワイトウッド(トウヒの一種)がホームセンターで安かったので使っている。
本棚を作るのに必要な金具
またその他に金具として次のものが必要であることが分かる
ラブリコアイアン(ネジ付属) 5つ
Lacety 金網 (高さ860㎜×幅580mm) 1枚
Lacety 金網を止めるための専用ネジ
左側の棚板用の金具(板3枚×2か所) 6枚
右側の棚板用の金具(板8枚×4か所) 32枚
棚板の金具につけるネジ 穴の数だけ必要
これらを買いそろえればOKだ。
その他本棚づくりに必要なモノ
その他今回使ったものをまとめる。
インパクトドライバー
【塗装用】ワトコオイル ダークウォルナット 1L
【塗装用】塗装前準備用の紙やすり(240番) 2枚
【塗装用】オイル塗装用ハケ
【塗装用】キッチンペーパー
【塗装用】養生シート
インパクトドライバーは木材に穴をあけたり、ねじを締めたりするのに使うもの。これは結構お値段がかかることも多いので、もし本棚以外に使う予定がないという人は、多くのホームセンターで実施されている無料貸し出しサービスを利用しよう。
また今回は部屋の雰囲気に合わせるため、木材の塗装を行っている。もちろんこの工程は省いてもOKだが、見た目がかっこよくなることに加え耐水性を高める効果などが期待できる。リストの【塗装用】のものがなぜ必要かは後程記載する。
本棚の作り方④木材を手に入れる
必要なものがリストアップできたので、買い出しに行こう。木材を手に入れる方法は大まかに下記の三つ。
木材屋さんで買う
インターネットで専門店に注文して送ってもらう
ホームセンターに買いに行く
個人的には3がオススメだ。というのも、大抵のホームセンターでは1カット10円で木材をカットしてくれるし、価格も安い傾向にあるからだ。しかも自宅の近くにあるところなら、軽トラの無料貸し出しサービスが大抵あって、自分の家に運ぶのも簡単。先ほど記載したドライバーの無料貸し出しサービスがあることも多くて至れり尽くせりだ。
ホームセンターでの木材選びの注意点
ホームセンターで木材を買う時の注意点は、専門店でないがゆえに状態の良い木材と悪い木材が同じ値段で売られている。中には端っこが割れていたり、ひびが入っているものも普通に売られているので、なるべくいい木材を見極めて買うようにしよう。どういうものがいいかを見極めるために、YouTubeで解説されている動画をいくつか見ておくと安心。
ただ1×4や2×4は木材としてDIYによく使われるのでホームセンターに行くと色々選択肢があるが、本棚の棚板に使う1×8材はすこしマニアックなのであまりいいものに出会えないかもしれない。その場合は多少の妥協も必要だ。
木材カットの注意点
コーナンなどのDIYコーナーがあるホームセンターには大抵木材カットサービスもある。木材をカットするときは必要な寸法を紙に図面を書いて提出することが多いので、必要木材リストにサイズもメモして持っていこう。
大抵木材はFt(フィート)単位で売られているので、今回で言うと8ft(約2,438mm)で売られている2×4の木材を5本購入し、木材カットコーナーで2,065mmにカットしてもらう。この時、大抵木材は端っこの方が傷んでいるので、片側だけ切って合わせるのではなく、両側を切り落としてもらうのがオススメ。
カット回数は一回増えてしまうが、10円くらいのコストで木材の質を高めることが出来る。また、1×8の棚板(横幅600mm)なら8ft(約2,438mm)の木材から4枚ずつ取れるので、2本購入するだけでいい。
余った部分(端材)についてはあまり使い道がないが、ある程度サイズが大きいと、塗装時に置き場にすることがあるので持って帰るのもあり。
棚受け用の金具について
棚受け用の金具は正直L字のものなら何でもいいと思われるが、本など重いものを乗せる想定なので細くてスタイリッシュなモノよりは、大きくて安心感のあるものを選んだほうがいいのではないかと思う。添付のリンクのような6~8か所ほどネジ穴があるものを採用した。ネジがセット売りになっていないものを買う場合は、棚板の厚みが19mmなので、16mmくらいまでの長さのネジを買うようにしよう。柱に打ち込むネジはもっと長くてもOK(30mmなど)。
金具ごとに適したネジのサイズがあるので、ホームセンターで買う場合は店員さんに聞いてみよう。
ワトコオイルを使った塗装について
今回塗装に使ったのはダークウォルナット(W-13)。ワトコオイルは通常の塗装剤と違い、木材に浸透するので、素人が適当に塗っても塗りムラが出にくく高品質に仕上がるためDIYでの定番になっている。200mlと1Lで売られているが、今回のような塗り面積だと200mlでは全く足りないので、最初から1Lで買うほうが安い。
自分がやった手順は下記の通り。
養生シートでベランダを覆う(オイルが垂れてベランダが汚れないように)
紙やすりで木材の表面を整える(風呂場でやりました)
オイルをハケで塗る(1回目)
15分経ったらキッチンペーパーで拭く
オイルをハケで塗る(2回目)
1時間経ったらキッチンペーパーで拭く
24時間乾燥して完了
専門家の方の記事でも、重ね塗り推奨とあったので2回塗ってみた。紙やすりは丁寧にかければかけるほどクオリティがあがるが、正直メチャクチャ大変なので結構ざっくりやった。塗装は賃貸住宅でやるとベランダの広さ的に何日もかかってしまうので、最初から塗装済みの木材を買うのも一案。
保護用の養生シートはこういうのを使った。安いしオイルで床とか汚しちゃうと取れないかもなので、面倒でも二重にしたほうがいいかも。
またオイル塗装の注意点としては、拭きとったキッチンペーパーについて夏場の暑い時などには自然発火してしまうことがあるそう、水に沈めた上で処分したほうがいいと思われる(オイル自体や塗装した木材が勝手に燃えることはないが、紙にしみこませると表面積が増えて酸素と反応しやすくなる)。
またオイルはしっかり乾かさないと、室内で揮発して有機溶剤中毒になるかもしれないので換気や24時間程度の乾燥を徹底しよう。独特なにおいもあって、とれるまでに1週間ぐらいはかかるので注意。
ラブリコアイアンを装着する
金具の装着について、まずはラブリコアイアンからつけていく。ドライバーで金具を付ける場合は、まず細めのドリルで下穴をあけて、次にビットに付け替えて、同梱されているネジを下穴に締めていく。
そのまま柱を真っすぐ部屋にたてる(動画のようにドライバーなどを使ってしっかり締める)。何も装着されていない状態で柱を立てることで、若干作業しやすくなる。また、木材にはそれぞれ反りなどで若干個体差があるので、立てた状態(実際に使用する状態)で長さを測っていくほうが他の柱と整合性が取れると考えた。
棚受けを柱に取りつける
まずは右側の本棚部分から作ろう。柱が立った状態で、L字の金具を先ほど図面で計算した地面からの距離に合うように、装着していく。これを4本分行う。ちなみにL字型の棚受け金具は、柱の左端にセットしたものを2本、右端にセットしたものを2本用意する必要がある。
最終的にこのような形になるので、左端に寄せたものと右端に寄せたものを準備する。
棚をセットする
あとはそれぞれの棚に棚板をはめて、インパクトドライバーでねじを締めていくだけだ。ただ、注意が必要なのが一番下の段はインパクトドライバーが入らないことが多い。この場合どうするかというと、
棚受けに木材をセットする
ネジを締めたい場所をボールペンでマークする(金具の穴からペンで書く)
木材を取り外し、ドリルで下穴をあける
再度木材をセットし、普通のドライバーで気合で穴をあける
という工程になる。すごい大変だが他のやり方が見つからなかった。柱を立てる前に一番下の段だけつけてしまう方法もあるのだが、恐らく4つの柱が(一番下の段だけ)くっついた状態で、うまい具合に天井にセットするのは難しいと思われる。今回は全部一人で作業したので、こういった形になった。
本棚が完成したので、左側を作る
これで右側の本棚が完成したことになる。次は左側の壁かけフェンス+アナログゲーム置き場を作る。といっても、正直工程はほぼ一緒なので、割愛する。左側のポイントとしては、棚が普通の1×4材なので、L字型の金具も1×4に合わせたものを使ったほうが、見た目も良く、耐久性も高いものが作れると思われる。
フェンスについては付け方が専用ネジに同梱されているので、そちらを参考あれ。
※2×4材に取り付ける場合は木材用を購入しよう。
おわりに
全体的なスケジュールとしては、集中してやった場合でも
買出し 1日
塗装 1週間
組み立て 1日
ぐらいかかるものと思ってもらったほうがいい。あまり急がずに、のんびりと進めたほうがよさそうだ。またネジ締めはそれなりに大きい音が出るので、昼間にしか作業が出来ないというところも注意しておこう。DIYで本棚が作れる技術があれば、他にも色々と応用して一生楽しめる趣味として付き合っていけるんじゃないかと考えている。次は机を作りたい。