読書メモ:最高の休息法
「最高の休息法 The Neuroscience of Mindfulness」 久賀谷 亮 著
昨年、この本を読み、衝撃を受けました。
脳医学・精神医療の専門家だけあり、非常にわかりやすくマインドフルネスのメリットと脳への影響・可能性を解説してあり、私の頭でも、深く理解できたことに、感謝すら覚えました。
(久賀谷さん、ありがとうございます!)
自分に落とし込むため、7回は読みました。(落とし込めてないのか)
最近、話題になっている「マインドフルネス=瞑想」を、「脳科学」の見地から紐解いてくれている本です。
宗教的だったり、スピリチュアルだったり、怪しいイメージがつきまとう瞑想ですが、医師の見地から書かれているため、見事に払拭してくれます。
瞑想することで、脳自体にどのような影響(変化)をもたらし、それがどうして休息につながるのか、脳のポテンシャルを含め、メリットを体感・体得できると、人生の質のみならず、世界平和まで実現できそう、と思えるほど、すごい可能性を秘めていることが理解できます。
入口として、「常に」安定的に瞑想に入れる状態になることがまず大変なのですが。(年単位の時間がかかりそう)
脳を休めることがいかに大切か?
脳は体重において、たった2%の大きさであるにも関わらず、全身で使うエネルギーの20%も消費しており、なおかつDMN(デフォルトモードネットワーク)という働きが、その60%〜80%を占めているそう。
DMNとは、ボーッとしている時に使われているエネルギー。
脳=頭の中は、いつも「過去」か「未来」のことでいっぱい。
頭の中のおしゃべりが止むこと、ありますか??
実は、この頭の中の止まないおしゃべり。これ、「猛烈に集中して仕事をしている時」よりも、ずっと大量のエネルギーを消費しているそうなのです!
私はまずここに驚きました。これが脳疲労→倦怠感、疲労感を引き起こしている。
以前、マインドフルネスを専門とする友人に瞑想を実践する機会を与えられ、「今」「ここ」に集中するように促されたのですが、当時は、なぜこのクソ忙しくて(失礼)、やることがエベレスト並みに積み上がってる時に、黙って座って「今ここ」なんじゃい!と思ってました。「それどころじゃないわ!」って。マインドフルとは真逆の境地ですね。笑
でも、この本と出会い、やっとわかりました。腑に落ちました。
最近は、情報の氾濫、利便性が上がったことによりマルチタスクが可能になり、よりスピーディーに処理することが求められ、なおかつ結果重視の風潮の中、「今ここ」に満足できず、何だか疲れている人も多くいます。
頭の中のおしゃべりが止むどころかスピードアップし、おしゃべり者数も増加し、常にオーケストラ状態の人ほど、脳を休めてあげないと、健康にも影響を与えてしまう可能性が高い。疲労感は「脳」からやってくるから、脳を意識的に静寂の中に置いてあげる訓練が、「目の前にあること」を冷静に見据え、対処していく能力の向上につながる。集中していながら、冷静である心(=脳)の状態。これは、ここ数年、忙しすぎて冷静さを失い、目の前の感情に流されまくって痛い目に遭った私には、ものすごく魅力的なメリットです。
「絶対、この境地に行ってやる」と思っています。(笑)
とはいえ、今はいたって平和。
子どもたちとさもない会話をしたり、ホルモンに左右される女性の特性や脳の働きを学び、うまくコンディショニングしたり、友人たちと笑ったり、楽しい講演を聞いたり、このような素敵な本に出会い、しっかり学べる日々が一番幸せな気がします。