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【絵本】「てんごくのおとうちゃん」 長谷川義史


「しんぱいしないでくださいね、おとうちゃん」



「てんごくのおとうちゃん」 長谷川義史


はいけい、てんごくの おとうちゃん げんきに してますか。


天国のおとうちゃんに手紙をだしたかのように、この絵本ははじまります。


おとうちゃんが大好きだった少年は、父との思い出と近況を語ります。


独特の絵と、関西弁の少年のおとうちゃんへの手紙。


絵の感じを見てますと、僕の少年時代と時代背景がいっしょかな?って。


おとうちゃんがちゃぶ台でビールを飲んでいたり、昭和の郵便ポストや床屋さんが出てきたり、駄菓子屋さんもあったり、とても懐かしい風景。


おとうちゃんは、なんか「男はつらいよ」の寅さんのようで、あったかい感じなんですよね。


今は、少年とお姉ちゃんとお母さんの3人暮らし。

ぼくは おとうちゃんとのすくないけど、たいせつな おもいでをときどきおもいかえしたり して います。


おとうちゃんとの楽しいことが、たくさんありました。


キャッチボールしたこと。
ひこうきのショーを見に行ったこと。
食べたかったホットドッグを買ってもらったこと。


ちょっとしたことでも、おとうちゃんとの思い出は、みんな素敵な思い出。


叱られたこともあったんですね。

なにを わるいこと したんやろ・・・

いちどだけ おとうちゃんに あたまをどつかれた こと あったでしょ。

いたかったけど、でも、 もう いっぱつぐらいどつかれても よかったなぁといまは おもってます。


最後の絵は、おかあさんの肩を叩いている絵で終わります。

しんぱいしないで くださいね、おとうちゃん。

と言っているようで。


この「てんごくのおとうちゃん」を読み終わってしばらくしてからふと、心にズシンときたことがあります。


この言葉。

このまえ ぼくは まんびきしそうに なりました。

でも やめときました。

わるいこと して じごくに おとされておとうちゃんに あえなくなったら あかんから。おとうちゃんが いなくなってから。

いちどだけ いえの まえの みちで あったやろ

「ぼく だいじょうぶかっ?」って いったやろ。

あれは おとうちゃんやろ。ぼくは すぐに わかったよ。


ときどき思い返したりなんかしていない。


少年は、ずっと、おとうちゃんが大好きでずっと、ずっと、おとうちゃんをさがしているんです。

ぼくは「かわいそうに」と ひとに いわれるたびに おもうねん。ぼくより おとうちゃんが かわいそうなんと ちがうやろかって。

本当に会いたいんだなぁ、おとうちゃんに。


とても大きなおとうちゃんの存在。
少年の心にずっと寄り添っているんだと。


僕もいつのまにか、3人の子の父親になりました。


子どもたちにずっと寄り添い、そして、ずっと思い返してもらえるような父親になりたいって・・・


この絵本を読んで思いました。


【出典】

「てんごくのおとうちゃん」 長谷川義史 講談社





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