【瀬戸市】ノベルティの絵付け体験をしてきた【追記あり】
ふるさとを訪ねる旅でもありました。
焼き物の街・愛知県瀬戸市。ここはわたしの母、そして祖母の出身地です。
三連休最終日。お友だちに誘われて「ノベルティ」の絵付け体験をしてきました。
ノベルティとは、陶磁器でできた置物や装飾品を指します。
祖母はかつて、陶器の会社でノベルティの絵付けを仕事にしていました。
仕事に使った絵筆を大事に取ってあったけど、引越しの折にすべて処分。実際に絵付けをしている様子は、見たことがありません。
同じ作業を追体験できることを、とても楽しみにしていました。
ノベルティ絵付け体験
体験した場所は、名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅から徒歩15分ほどの場所にある「ノベルティミュージアム/ノベルティ・こども創造館」です。
写真に撮るのを失念してしまったけれど、建物の外にも多くのノベルティが飾られていました。
駅から少し離れていることもあり、空いているかと思ったら……子ども連れの家族で大賑わい。
体験はノベルティ・こども創造館で行いますが、館内にはノベルティミュージアムが併設されています。少し早めに着いたこともあり、体験の時間まではミュージアムでノベルティを見学。
祖母が勤めていた会社で作られたノベルティが多く展示されており、感慨深くなりました……!
ノベルティの作り方
10分前に、建物1階にある「ノベテクたいけん工房」に集合します。
絵付け体験を行う前に、学芸員の方からノベルティの作り方を教えていただきました。
ひとつ作るにも、とても手間がかかる作業です。
今回は、ミニチュアのテーブルランプを作っていきます。
時期によって作るものが変わるため、何回訪れても楽しめそうです。
体験する工程は、泥状(液状)になった粘土を石こうの型に流し入れる「鋳込み」と、窯で焼いた後に絵付けする「上絵付け」の作業です。
鋳込みをしてみよう
工房の奥にある長テーブルでは、ひとつのテーブルにつき約8名〜10名ほどがいっしょになって作業を行います。
テーブルには、写真のようなセットが置かれていました。
実際に、専門の職人さんが実演しながら教えてくださいます。
職人さんに教わりながら、作業を進めます。
まずは、ふたつに分かれた石こうの型を、輪ゴムでひとつに合わせます。底から粘土が流れないよう、木の棒でしっかり栓をしたら、液体になった粘土をゆっくりと流し込んでいきます。
絵付けをしている間に、型の中で粘土が固まっていくのでこのまま置いておき、いよいよ絵付けを始めます。
絵付けをしてみよう
次に通されたのは、大きな丸いテーブル。こちらはひとつのテーブルにつき大人約5名〜6名ほど(テーブルによってはお子さんもいっしょに)で作業します。
ひとりひとりの席に、絵付けのセットが用意されています。
絵付けについて、簡単な説明を受けました。
分厚く塗ると、焼いた後に絵の具が取れやすくなってしまうことや、混ぜていい絵の具といけない絵の具があること、絵付けするランプに触れると、手の脂がついて絵の具が乗りにくくなること、など。
この絵付けを行った後、仕上げにもう一度窯で焼いたら完成。当日中に作品を持ち帰ることはできません(後述します)。
順番に絵皿に絵の具を取ってから、いよいよ絵付けスタート。
お友だち含め3名で参加したのですが、始まってしまえば各自の作業で集中して、無言に……。
絵の具が乾くのが速く、焦りながらも、少しずつ色を付けていきます。
筆の先が割れやすく(筆そのものの癖でしょうか)、細かいところはなかなか難しい。
鋳込みの続き
絵付けを開始して20分〜30分ほど経った頃でしょうか。
(絵付けに集中しすぎて、時計を見ていませんでした……)
学芸員の方に呼ばれて、石こうの型を外しにいきます。
職人さんに教えてもらい、所定の場所においたら栓を抜きます。
固まりきらなかった余分な粘土を流し切り、軽く振って輪ゴムを外すと……
テーブルランプができあがりました!
この後、作ったテーブルランプは窯で焼かれて、次に絵付け体験する人の手に渡るのだそうです。わたしが絵付けをしたテーブルランプは、以前体験した人が鋳込んで作ったものなんですね。
再び絵付け、そして完成
絵付けをしたテーブルに置かれていた見本を見ながら、ドット柄の絵付けをしてみました。つい欲張って、たくさん絵の具を持ってきたけど……あまり使えず、もったいないことをしました。
この後、絵付けしたテーブルランプを再び窯で焼いて完成となります。
作品の引き取りは、決められた期限内に直接取りに行くか、着払いで送ってもらうかを選べます。(わたしは着払いで送ってもらうことにしました)
ミュージアムで見たノベルティは、かわいらしくリアルな人形や、質感も伝わるような動物や車など、どれも見事なものばかり。
ただ絵付けをするといっても、細かくて丁寧な作業が多く、絵付けを仕事にしていた祖母を改めて尊敬しました。職人さん、本当にすごい技術です。
おまけ・瀬戸の街歩き
絵付け体験が終わる頃には、もうお昼。ミュージアムを出たあとは、近くにある「せと末広町商店街」をぶらぶら街歩きしました。
この日はたまたま、この商店街沿いで「千客万来 招き猫マルシェ」が開かれており、雨にもかかわらずなかなかの賑わい。
歩きながら、この商店街の一角にある「瀬戸くらし研究所」へ。お友だちがいいカフェを探してくれていました。
レストランやカフェ、コワーキングスペース、シェアキッチンなどを備えた複合施設です。
1階にあるカフェ「ie coffee(イエコーヒー)」さんで、ランチセットをいただきました。
お友だちとさまざまな学びの話に、花が咲きました。
お店を出てからは、再びマルシェを見ながら街並みを堪能。
そして最後は、尾張瀬戸駅近くの「瀬戸蔵」へ。
瀬戸焼の歴史を知る瀬戸蔵ミュージアム(有料)やホール、カフェなどを備えた複合施設です。
こちらの目的は、今の時期限定で展示されている「ひなミッド」を見ること。
高さ4mのピラミッド型ひな壇に、多くのひな人形が飾られます。焼き物の街ということもあり、飾られたひな人形は陶磁器やガラス製。
日本各地の陶磁器やガラスを用いて作られたひな人形が並ぶ様子は、圧巻でした。
終わりに
いっしょに出かけたお友だちは、初めての瀬戸。母方のお墓が瀬戸にあるため、わたしは年に数回瀬戸を訪ねています。
とはいえ、こうしてゆっくり街歩きをしたことはありませんでした。母から話をよく聞いていた商店街や、祖母が絵付けをしていたノベルティ……。
ふたりのルーツを垣間見たような気がしました。
何度も訪れているはずなのに、とても新鮮な気分。
絵付け体験に誘ってくれたお友だちに、感謝です。
レトロで懐かしい街歩き、ぜひ楽しんでみてください。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。
2024年3月8日追記
ノベルティ、手元に届きました!
絵の具を少し重ねて塗ってしまったので、焼いている途中に剥がれてしまうのではないかと心配していました。ですが、絵の具が落ちることなく、きれいに発色していて嬉しいです。
完成品が届くわくわくも含めて、素敵な体験ができました。改めて感謝です!
絵付けの仕事をしていた祖母にも、褒めてもらえて嬉しいな。
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