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明日香の エンためになる 共同運営マガジン

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『真面目でも不真面目でも、おもしろいものはおもしろい!』をコンセプトに、ジャンルや形式にとらわれない≪おもしろさ≫を追求するマガジンです。 思わず笑ってしまう話から、じっくり考え…
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#ショートショート

明日香の共同運営マガジン 参加者募集✨

こんにちは🎶 ごきげんいかがですか? このたび『【明日香の共同運営マガジン】 最強の笑いは世界を救う』はリニューアルを経て タイトル・ヘッダー画像を一新いたしました。 *** 新たなマガジンタイトルは 【明日香のエンためになる共同運営マガジン】 ちなみにこのタイトルは われらがマイトン氏の案によるものです。 マイトンさん、惜しみないご協力 心から感謝します<(_ _)>💕 新たなタイトルで気分一新 これからもよろしくお願いします😊 *** ではここでマガジンの

(本編無料)失敗と成功は紙一重? / #ボケ学会

※本編無料です。いつものように読んでスキを押して行ってくださいな。 ( #ショートショート  本文658文字) 「私は失敗したことが一度もない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」  これは。トーマス・エジソン——アメリカの発明家——の名言だ。彼は、白熱電球、蓄音機、電話など、多くの発明をした。  私は彼を尊敬している。彼のあとを継いで、間もなく『大発明家』としてデビューする予定だ。  錬金術。金でないものから金を作る。大金持ちになれる。いや、金があふ

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【1分小説】階段vsエスカレーター

 駅の構内には、今日も人々が行き交う。  スーツ姿のサラリーマン、買い物帰りの主婦、部活帰りの高校生たち——。  彼らは当たり前のようにエスカレーターへと乗り込んでいく。  しかし、その横にある階段は、どこか寂しげだった。  かつては通勤客がひしめき合い、無数の靴音が響いていたというのに、今や誰も見向きもしない。 「……時代、か」  階段は、そっと呟いた。  一方、エスカレーターは鼻高々だった。 「おいおい、時代遅れの段差野郎。今日もひとりぼっちか?」  隣で悠々

(本編無料)ほとばしる疑問が身体を突き動かす / #毎週ショートショートnote

※本編無料です。いつものように読んでスキを押して行ってくださいな。 ( #ショートショート  本文409文字) 「もう! 遅かったじゃない!」 「ごめん、ごめん」  現地集合で来た温泉。友人が遅れると連絡があったので先に温泉に入ってきた。遅くなっちゃった。 「だって、温泉が気持ち良すぎて~。温泉につかると思わずため息が出るでしょ。なんでかな?」 「そうね。なんでだろうね」 「湯船でおばあさんに話しかけちゃったの。そしたらいろいろ悩み相談を受けちゃった。私、人見知りな

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ザッハトルテを知らなかったあの日は帰らない|ショートショート

「ザッハ?トルテ?……って、なんですか」 「え、ああ、お菓子! お菓子の名前! なんか、おしゃれなヤツ! 今度買ってきてあげるから!」 美郷先輩はいつも、僕が知りたいことをなあなあにして、はぐらかして。いつも最後までその答えを教えてはくれない。 僕は彼女の口から「なんかおしゃれ」だというその答えを求め返す時間が惜しくて、手元のスマートフォンで『ザッハトルテ どんな食べ物』と調べる。 僕はトップ画面に出てきたウィキペディアの答えを、さも自分が導き出したかのような気持ちで

(本編無料)万博もええけどオリンピックが見たかったわ / #毎週ショートショートnote

※本編無料です。いつものように読んでスキを押して行ってくださいな。 ( #ショートショート  本文410文字)  おじいちゃんがうちに遊びに来た。ぼくは、今年の大阪・関西万博にいっしょに行こうとおじいちゃんを誘った。 「行こ行こ。こっからやと会場まで地下鉄で20分くらいやろ」 「せやで。夢州は4つ先。ほな、約束やで!」  わくわくしているぼくに、おじいちゃんは昔話を始める。 「万博、懐かしなぁ。おじいちゃんち——千里ニュータウンのすぐ近くで昔、万博やったんや。小学生のと

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(本編無料)寒さにおびえる妻と寒さに負けない夫 / #ボケ学会

※本編無料です。いつものように読んでスキを押して行ってください。 ( #ショートショート 本文608文字) 「あなた、天気予報、観た?」 「転居予報? 引っ越しする人がいつ増えるかって? そりゃ3月でしょ」 「うちはどこにも引っ越さないわよ。寒波よ! 少し暖かくなったと思ったのに、寒気の波がまた来るのよ」 「ビッグウェーブ! この波を逃す手はない。波に乗るんだ、ジョニー!」 「テーブルの上でパドリングするのはやめて。あなたの体重には耐えられないから。……その波じゃない

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毎週ショートショートnote 『だろう温泉』

「大丈夫!なんとかなるだろう」 あなたはいつもそうやって、心配する私をはげましてくれた。 その根拠のない、けれど力強い『大丈夫』のひとことに何度も救われた。 海沿いの小さなまちで私たちは育った。 小さい頃は、ただの幼なじみ。 それがいつしか、お互いを意識するようになり、 高校生になる頃には、みんなに内緒で付き合い始めた。 いつも弁天さまの神社で待ち合わせて、日が暮れるまでたわいのない話をしたね。 「大丈夫!なんとかなる」 わたしはそんなあなたがいるから、大丈夫と

毎週ショートショートnote 『かもしれない弁天』

春が近い。しめった生ぬるい海風が頬を撫でる。白い砂浜とひとつなぎの白い石段の奥には、小さな鳥居の赤が海を見下ろしている。 放課後、一緒に帰ってきた友達と途中で別れ、僕はひとりで鳥居をくぐった。境内に着くと、待ち合わせていた彼女がうつむいて座っている。 「わたし、もうだめかもしれん」 ほら、いつもの『かもしれんタイム』が始まった。 「心配すんなって。大丈夫や」 「根拠を言ってよ」 んなもんないんよ。 「わかった。じゃあ、このコインを投げて、表が出たら大丈夫。裏が出

OTUBONE - ユニークな彼女たち - / #無茶ブリお題道場

( #ショートショート 本文1006文字) O T U B O N E 遥か昔、日本の宮廷で暮らす皇族や貴族たちを支える重要な役割を持った女性たち、それが『お局』だった。  時は流れ、現代の日本では、オフィスにて職場の文化や業務を教える経験豊かなベテラン女性社員たちのことを『お局』と呼んでいた。  これはそんな彼女たちの物語である。 *  花子は新入社員。配属されたところは全員が女性社員という大奥のような部署だった。  職場の案内をしてくれたのは紀子だった。 「こ

(本編無料)可笑しなお菓子な物語 / #シロクマ文芸部

※本編無料です。いつものように読んでスキを押してもらって大丈夫です。 ( #ショートショート  本文865文字) 「甘いものは好きかい?」  見知らぬ老婆が声をかけてきた。  ぼくはママから「知らない人から声をかけられたときはスルーして聞こえなかったことにしなさい」と言われているので、無視してその場をやり過ごそうとした。 「おや、忘れちまったのかい? 小さかったころ、よく抱っこしてやったじゃないか」と老婆が言うので、そんなに小さかったころのことは覚えてなくて当然だと思

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(本編無料)お気に入りのチョコボール / #毎週ショートショートnote

※本編無料です。いつものように読んでスキを押してもらってOKです。 ( #ショートショート 本文409文字)  お気に入りの生チョコボール。乳酸菌入り健康菓子。  最近のチョコには珍しく缶に入っている。  ちょうど1個が出てくるくらいの穴が開いていて、フタを外して缶を振るとチョコボールが出てくる。このレトロ感がいい。  だが、あと1個になって出てこなくなった。  おーい、引きこもってないで出てきてくれ。缶を振って音がするのはいつも夜中。昼夜逆転の生活は健康に良くないぞ

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(本編無料)あんにゅ博士の発明は爆発だ! / #毎週ショートショートnote

( #ショートショート 本文405文字) 「冷凍するだけじゃなく、コンピュータファイルのように圧縮して小さくできたら便利でしょ?」  そんなことを言いながら、博士は冷凍庫の中から小さな四角い物体を取り出す。 「ほら、これが冷凍された書庫よ」  なるほど、これはすごい。感動している僕にかまわず博士は続ける。 「この『書庫冷凍<zip>』で圧縮冷凍すれば、資料室を持ち歩きや引っ越しも楽ょ。元に戻すのは自然解凍がおすすめだけど……」と博士は僕に冷凍書庫を手渡した。 「佐藤くん

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青春のバレンタイン / #青ブラ文学部

( #ショートショート 本文1023文字) バレンタインデー。生まれて初めてチョコをもらった。うちは男子校なので直接学校で渡されることはない。僕は登校時に電信柱に隠れるように待っていた女子からチョコをもらった。 「あの……これを……」と下を向いたままでチョコを手渡された。突然のことだったので、僕がぽかーんとしているうちに彼女は走り去ってしまった。 手紙にはこう書かれていた。 やたらと堅苦しい文章の手紙に彼女の底知れぬ愛を感じた僕は、誰にも自慢せず、家に持ち帰って部屋で