摂食・嚥下について知っておこう
摂食・嚥下の仕組み
①先行期
何をどのくらい食べるかを判断する
起こりやすい問題
・むさぼるように食べる
・急いで液体を飲む
・いつまでも飲食物を口の中に貯めている
・一度に多量の飲食物をとる
・むせながらも食べ続ける
↓
声掛け
食器の工夫(すくう部分が小さいスプーンなど)
むせたら一度食事を中止し、落ち着いたら再開
②準備期
食物を取り込み、咀嚼して飲み込みやすい塊(食塊)を作る
起こりやすい問題
・飲食物をうまく吸えない、口まで運べない
・口の中に飲食物を取り込めない
・飲食物が口からこぼれる
↓
下唇を介助
麻痺が無い側に飲食物を入れる
口腔に麻痺がある場合、頸部・体幹を非麻痺側に傾ける
③口腔期
食塊を舌で口腔から咽頭へ送り込む
起こりやすい問題
・飲食物が口からこぼれる
・口の中に残る(特に麻痺側)
↓
口腔に麻痺がある場合、頸部・体幹を非麻痺側に傾ける
ベッドの角度を下げる
④咽頭期
食塊を咽頭から食堂まで送り込む⇒嚥下反射が起こる
起こりやすい問題
・食後声が変わる(ゼロゼロとした湿性音)
・むせこみ
・飲み込みが止まってしまう
↓
咳ばらいをしたり、大きな声を出したりする
何回か飲み込み動作をさせる⇒残留物をきれいにする
全粥と副菜を一緒に食べる、副菜にもとろみをつける
水分にとろみをつける
喉をしたから上に向かってマッサージする
ベッドの角度を下げる
⑤食道期
食塊を食堂から胃へ送り込む
起こりやすい問題
・胸が詰まる感じがすると訴える
・食後に嘔吐してしまう
↓
一口量を減らす
食後はなるべく座位をとり横にならない
寝る場合はベッドアップ60°以上を保つ
嚥下反射とは??
食塊が咽頭に達したとき起こる3点のはたらき
①喉頭が上がり、喉頭蓋が喉頭の入り口を塞ぐ
②軟口蓋が鼻腔と咽頭を遮断する
③食道入口部が開く
嚥下造影検査(VF)
・診断のための検査
⇒症状と病態の関係を明らかにする(形態的異常、機能的異常、誤嚥の有無)
・治療のための検査
⇒食物・体位・摂食方法などの調節(治療への反映)
嚥下内視鏡検査(VE)
内視鏡を使用して行う嚥下評価。
VFに比べて、、
①手軽でベッドサイドでの評価も可能。被ばくもない。
②通常の食品で評価できる
③唾液誤嚥や貯留が評価できる
④感覚の評価が可能
しかし、
①口腔から食堂への一連の流れが評価しにくい
②嚥下の瞬間がみえない
③ファイバースコープの挿入に伴う違和感がある