鯨刺し(2日目は漬け)と『賀茂金秀』;組み合わせはイマイチだったかも
刺身コーナーで新鮮そうな鯨の赤身が柵で売られていたので買って帰りました。
その数日前に横浜野毛の居酒屋でおばいけ(尾ビレのスライス)をつまんだのですが ── 珍味の多くはそうしたものですが ── やはりあのペラペラは少々物足りない。
同居人はステーキのレアでも鮪でも、とにかく生の赤身は、
「血の匂いがする」
と敬遠する質なので、ひとりで食すことになる。
ということで、その日に半分、残りは生ニンニク醤油の『漬け』にして翌晩に回した。
最初の晩もニンニク醤油でいただきました(撮り忘れた)が、会社に出勤しなくなって以後はどんな異臭を放とうと好きなものを好きなだけ食べられるのはうれしいことです。
鯨刺しに一番合うのは焼酎 ── 中でも、米焼酎 ── と信じていますが、この日家には置いてなかったので、冷酒でいただきました。
酒も辛めが合うのだろうな、と思いつつ、広島の酒『賀茂金秀(特別純米13)』を開けたばかりだったので、冷蔵庫から出していただきました。
夏にもらった秋田の酒『ゆきの美人』が美味しかった、と言ったからか、同じくフルーティー生酒&微炭酸路線の『賀茂金秀』を秋に2本いただいたので。
この酒もラベルにアルファベット表記があったり、英語で説明の最後には「アペリティフ向きだよ」なんてある。
フルーティー系日本酒が欧米で人気らしいから、輸出を意識しているのでしょう。
この説明書き:
の中で、『aromatic(香しい)』はわかる。
でも、『crisp』って、煎餅などを食べる時の『パリパリとした食感』だとずっと思っていたので違和感がありました。
辞書を調べたら、『(空気・天気が)すがすがしい/さわやかな』という意味も載っていました。これか?
でも、そちらの意味は『refreshing』で表しているはず。
うーん。そういえば、ワインの能書きに『crisp』って見たことがあります。これまで気にしていなかったけど。
ということで、ワインの『クリスプ』を調べてみたら:
……なるほど、なるほど。
『賀茂金秀(特別純米13)』の13というのはアルコール度で、普通15度前後の日本酒に比べると低く、ワインに近い。
その点もおそらく、海外向きなのでしょう。
香りがよく、味もフルーティーで、確かに秋田の『ゆきの美人』と同じ系統。食前酒にいいでしょうね。
ただ、今回の『ニンニク醤油漬け鯨刺し』という、いわば『着流し姿の悪党』に対して、『賀茂金秀(特別純米13)』は住む世界の違う『深窓の令嬢』、しかも令嬢はどうやら東欧系とのハーフ? ── この組み合わせはマッチしなかったかも。
焼酎(うーん……『おでん屋の女将』でどうでしょう?)を常備していなかったことを悔む夜でした。