ゲーム制作が好きな自分がゲーム会社を最終的に志望しなかったわけ
こんにちは!Shumiです。自分は大学4年生なのですが、就活が先日終わりました。この人生で初めての就活を通して得た教訓や考え方をまとめておきたいと思います。これからゲーム会社への就活を行う人の参考になれば幸いです。
また、これから説明する事柄はあくまでインターンや説明会、選考など就活中のイベントを通して感じた個人の感想であり、実際の職場や業務内容とは違うという可能性もあることをご承知の上で見ていただけるとありがたいです。
就活の流れについて
僕は元々ゲーム会社のプランナー職のみを志望しており、大学3年生の5月頃から有名ゲーム会社の説明会やインターンに参加するなどゲーム業界一本で就活を行っていました。しかし、就活が本格化した3月の後半に大学で学んだ分野の方に進路変更を行いました。
以下に、その考えに至った理由と、ゲーム会社を目指すべき人、そうでない人の違いについてまとめていけたらと思います。
自分の最終目標について
僕は最終的に「エンドロールが全て自分の名前のゲームを作りたい」という中学生の頃からの夢を叶えたいと考えています。
僕はこの人生をこの夢のために捧げても良いと思っていたので、それを叶えるための最善の行動をとっていきたいと考えていました。当時、それが「ゲーム会社に入る」という選択肢だったわけです。
プランナー職を志望したわけ
僕がプランナーを志望した理由は主に3つあります。
趣味で「ゲーム制作」、「作曲」、「デジタルイラスト」を行っていたため、この経験が開発におけるコミュニケーションの役に立つと考えたから
他の人の考えたゲームのアイデアにたくさん触れられるから
ゲーム作りのノウハウを学ぶことができるから
です。
ゲーム会社に入るメリット
ゲーム会社に入社できた際に、僕が夢を実現するうえで享受できるメリットは、主に3つあると思います。就活開始以前から「こんなに沢山の自分の夢におけるメリットがあるなら入ろう!」と心に決めていました。それらについてまず説明したいと思います。
1.引き出しを増やすことができる
前項の(2)でも上げましたが、ゲーム開発の過程で、多くの人とディスカッションすると思います。その中で他の人のアイデアを手に入れられる上に、自分のアイデアもブラッシュアップできると考えました。
ゲーム会社が作るゲームは、大衆向けのゲームであるため、どんな人が遊んでも楽しめるゲーム内容を考える力を身に着けることができると思います。
2.人脈を広げることができる
個人でゲームを作る上で非常に困ることは、マーケティングです。人脈を広げておくことで、いざゲームを売りたいとなった際に助けになってくれる仲間を作りやすいと考えました。
また、デザインやサウンドなどで困った際に気軽に質問できる環境があるのはとても心強いと思います。
3.ゲーム制作の手順や設定方法を学べる
前項の(3)でも上げたことです。ゲーム制作初心者である私は、ゲーム制作の手順をあまり知りません。会社に入社し、実際にゲーム制作に携わることで手順を覚えることができると考えました。
また、ゲームに必要となってくるパラメータ設定や、仕様書の作製方法などを知ることもできます。
ゲーム会社に入るデメリット
次にゲーム会社に入社した際に、僕が夢を叶える過程で被る可能性があるデメリットを主に4つ説明します。
1.趣味を仕事にしてしまうこと
私にとってゲーム制作を含む創作活動は日ごろのストレスを解消する「息抜き」の要素が非常に強い部分があります。ゲーム会社に入社すると、その時間も仕事のことが脳裏によぎってしまうと思います。
つまりゲーム開発が僕の中で「趣味」よりも「義務」の意味合いが強いものになってしまい、純粋に楽しめなくなってしまうと思いました。
2.作りたいゲームが作れるとは限らないこと
会社ということで、配属プロジェクトが必ずしも自分の作りたい作品になるとは限らないと思います。また、自分で企画立案が可能になるのは、プロデューサーのようなだいぶ上の役職に限られる場合が多いという会社が殆どでした。
加えて、企画コンペを行っている会社もあるようですが、何人もの社員の中からグランプリを勝ち取る必要があるため、希望は薄いと思います。
僕にとって一番避けたいことは、「ゲーム制作を嫌いになること」です。作りたくもないタイトルやジャンル開発に配属され、上司にボロクソに言われながら、それを開発するという最悪な展開になった際に、好きでい続ける自信がありませんでした。
3.残業時間
ゲーム会社は残業時間が多いというイメージをもっている方が多いかと思います。自分の意見としては任天堂さんやSEGAさんのような大企業においては繁忙期を除いて、残業時間をあまり心配する必要はないのかなと説明会を通して感じました。ですが、問題は中小企業だと思います。
僕は就活中、たくさんの中小企業(独立系や大企業のグループ会社※大企業の下請けも含む)を見ました。
就活中は就活支援サイト(自分の場合はマイナビ)を利用していたのですが、殆どの会社説明欄に「見込み残業代」の記載がありました。さらに「少数精鋭(人手不足)」や「アットホーム」のような少し怪しいワードがある企業も一部ありました。
見込み残業時間において、月60~80hほどに設定されている企業もありました。そこから、最悪その程度の残業させられる可能性があるということが分かると思います。(残業がなかったら、それほどの見込み残業を設定するのは会社として損になるから)
また、繁忙期になると、何日も家に帰らずに仕事をすることになるという噂もネット上でですが知りました。
僕がこのような会社に入ることによって、「自身のゲームを作る時間が取れなくなること」と「ゲーム制作が嫌いになること」この2点が起こる可能性が高くなると考えました。
4.転職
これに関しては諸説あるのですが、ゲーム会社に入社した際の転職の選択肢の狭さが少し気になりました。他職種の技術がゲーム会社での開発で直接身につくわけではないと思うので、他業界への転職は非常に難しいところがあると思います。
ゲーム会社が嫌になっても転職先がゲーム会社しかないという可能性があることに非常に恐怖を感じました。
どんな人がゲーム業界を目指すのが良いのか
僕は、これらの経験や考えから、ゲーム業界を目指すべき人の人物像が見えてきました。それは…
「命を懸けて作りたい・どうしても携わりたいタイトルがある方」
だと思います。例えば、「マリオが好きで一生をマリオのために捧げたい」と考えている人は、任天堂さんか、その子会社に入るのが良いと思います。
逆にゲーム会社を目指すことに少し疑問が残る人は以下のような人だと思います。
自分でオリジナルのゲームを作りたい人 ←僕
なんでもいいからゲームを作りたい人
なんとなく
恐らく、これらに当てはまるような理由でゲーム会社を志望している方はもう少し進路を検討してみるのが良いと思います(次の章では僕が実際に検討した方法を記しておきます)。
おそらく、これらの考えのままゲーム会社に就職すると、入社後に先ほどのデメリットの項で説明したようなことが起き、地獄を見る可能性があると思います。
本当にゲーム会社を目指すべきか検討する方法
以下に僕が実際に進路変更を決めた考え方を記しておきます。
自分の最終的にやりたいことを考える
ゲーム会社に入った際に起こりうる最悪なパターンを考える
(1)については、僕の場合、中学生の頃からの「エンドロールを全て自分の名前にしたい」という夢が当てはまりました。
(2)は「ゲーム制作を嫌いになること」と「制作時間が無くなること」です。こうなると自分の夢を叶えることさえできなくなります。この要素がゲーム会社に入った際に享受できるメリットを超えた懸念点になってしまったので、僕は進路変更をすることを決意しました。
新卒カードの重要性
ここまで、ゲーム会社に入ることにおけるメリットとデメリットを後者の要素多めで述べさせていただきました。ただ、最後にゲーム会社への就職における新卒カードの重要性について述べたいと思います。
僕は大学のキャリアセンターで、実際にゲーム会社の人と関わりの深い専門学校の教師の方とお話しする機会がありました。その際に言われたことは、
「ゲーム業界に後入りすることは難しい」
ということでした。つまり、新卒を逃してしまうとゲーム会社への就職が非常に厳しくなるということです。
別業界のプログラマ→中途でゲーム会社というルートがあるのではないかと尋ねたところ、その例は聞いたことが無いそうです。
ワンチャンスあるとすれば、派遣でゲーム会社のプログラマとして働き、スカウトされる方法ですが、十分なスキルと業務でのかなりの活躍が必要になってくると思われるため、このルートも非常に厳しいと思います。
ということで、ゲーム会社に楽に入るのであれば、最適なのは新卒だということです。既卒や第二新卒の採用も殆どのゲーム会社がやっているので、どうしても入りたい人はあきらめずに頑張ってください。
また、希望部署に関してはジョブローテーション制度があるところが多いため、とりあえず倍率が低そうな部署を選択して、入社してしまい、入社後に部署移動するという手もあります。
最後に
以上がゲーム会社への就職活動を通して得た考えや経験です。
ゲーム会社は単純に倍率が死ぬほど高いです。安定して就活を行いたい方は、僕みたいに就活本番までゲーム業界一本に絞るのではなく、いろいろな業界を見ておくのが良いと思います。僕は推薦があったのでギリギリ何とか進路変更できましたが…
ゲーム会社を志望している方の参考に少しでもなったら幸いです。頑張ってください。応援しています!!!