ビルマの味はタイ?ネパール?それとも・・・ | ミャンマー料理
東南アジア料理を狙いに定め、世界中の料理を都内で探すにあたっていたところ、駅ごとに集まる国が異なることに気づいた。今回、白羽の矢が立ったミャンマーは、高田馬場駅周辺にミャンマー料理専門店の店舗が異様に多い。
同族で集まりコミュニティを作ったほうが、「衣食住働遊」のどれをとっても便利で効率の良い生活が送れることについては考えるまでもない話であるが、中国、韓国、ベトナム、タイなどの日本国内ではポピュラーな国はこのようなコミュニティゾーンが点在しているものの、ミャンマー料理店は高田馬場だけに密集している。
そんなミャンマー集団を抱える高田馬場はどんなところだろうか。
ミャンマー料理
高田馬場 「ヤマニャ」
高田馬場駅周辺は早稲田大学が近くにあるためか、賑やかで若さの目立つ街だ。女子大生がランチを楽しみ、街ブラしてるカップルがオシャレな店から出てくる姿も見える。大通りに沿って並ぶビルはそれほど高くなく、都心にしては空を広く感じさせ、爽々たる気分となった。若々しさの中で、現地色の強いであろうミャンマー料理店にひとりで向かう私は、半面なんとも言えない気持ちを控えていた。
そんな不思議な気持ちであったのも束の間、ほんの数分歩くとアジア関係の料理店が目立つ。しかし、アジア特有の雑多とした雰囲気はなく、オシャレな街に東南アジアの路面店を押し込んだと表現するとわかるかもしれない。
一本筋を入ると、目的の店「ヤマニャ」がある。この店は他の東南アジア料理店と比べると、よくある街のインドカレー屋的な佇まいである。
店内は、東南アジアに瞬間移動したように特有のスパイスとナンプラーの匂い、そして飛び交うビルマ語が空間を埋める。圧倒されていたが、日本語が上手なお兄さんがランチタイムなので1000円で食べ放題であることと、そのシステムについて丁寧に教えてくれた。
ランチはビュッフェ形式
システムは単純、ビュッフェ形式だ。自分が好きなものを取っていき皿に盛るのだが、このお店は皿はひとり一枚ルールなので要注意。
たくさん料理があるため、解説はしないが、玉ねぎなどのネギ系にチキン、エビ、ポークが多い印象だ。味付けはタイ料理に似ており、ナンプラーと香辛料が中心のようだ。香辛料にはパクチーや辛い系も多く、ネパール料理の側面も感じさせた。
そもそもミャンマーはお隣に観光大国タイ王国が控えながら、日本からの観光客が非常に少ない。さらに軍事政権が暴れる度に、減少に拍車をかけている。現在も軍事政権が主権を握り、多くの惨劇を招いている”危ない”状態だ。
その波はこのお店にも押し寄せており、私が最も期待していたミャンマービールを、嫌われ者の軍事政権下で製造されているという理由から、今は取り扱っていないことだった。仕方ないが残念だ・・・。
私は写真のように盛り合わせ、サラダとマンゴージュースをとった。汁物をおおっぴろげに盛ってしまうと他のと混ざってしまうので気を使う(ほとんどの料理が汁系)。
その後、おかわりにて全ての料理を食べミャンマー食を堪能した。
そろそろ食後となるあたりでスープが登場したので、味見させていただく。パクチー特有の香りと動物性のスープがやみつきになり、掬う手が止まらなかった。私個人としてパクチーはかなり苦手であるが、この”丁度いい”パクチーはスープに良いアクセントを与えていた。
このお店に行ってみたい方へ
大変入りづらいお店であるため、扉を開けるまでに少しばかりの勇気がいるかもしれない。店内は東南アジア的なオープンさで迎えてくれる。ただ、良くも悪くもオープンであり、店員が客席に座ってそこから案内、客が厨房の奥に入り込み調味料を拝借するなど、もちろんミャンマー語を返したやりとりのもとで行われているのだが、高級な東南アジア料理店にしか訪れたことのない方は驚かれるかもしれない。
しかし、一般民衆に寄った料理を食べることができ、ミャンマーという国の雰囲気を掴むには非常にピッタリなお店だ。ランチタイムのビュッフェであれば自分の好みで選ぶことができるので、いろんな料理を楽しみたい方や特定の料理が口に合わなくても残念な気持ちになりたくない方にオススメだ。
マップ
今回訪れたヤマニャ
#日本で世界飯
東南アジアの意外と行かないミステリーな国。ミャンマー。
(余談)
タイトルに「ビルマ」とあえて表記した理由について。元々の国名はビルマである。そこから数々の軍事トラブルの末、軍事政権によりミャンマーへ国際的表記の変更がなされている。人権を冒涜する軍事政権が主張するミャンマー名称の使用を避け、慣習的に使われてきたビルマをタイトルだけでも使いたかった。