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ナポリ〜ゲーテが愛した土地とは〜
濃厚な日々を過ごしたローマから次の目的地・ナポリへ。
ドイツの文豪ゲーテが残した言葉「ナポリを見てから死ね」はとても有名だ。
一体どんな景色が見られるのか、気持ちが高鳴る。
ナポリの駅はどちら
ローマ・テルミニ駅からナポリを目指し、意気揚々と電車に乗り込む。
しかし、電車に乗って早々チケットを間違えて買っていたことに気が付く。
この電車は、ナポリ・アフラゴーラ駅に着くものだ。
本来であれば、街の中心地にあるナポリ・セントラル駅が目指す場所だった。
しかし、駅名に同じく「ナポリ」という言葉があったので、勘違いしたらしい。
アフラゴーラ駅はセントラル駅への途中駅でもあり、乗り換えてことなきを得た。
観光バスでひと巡り
無事、ナポリセントラル駅に到着し、早速駅近くの予約していたホテルに向かう。チェックインまでは時間があるので、とりあえず荷物を預けて街へ繰り出す。
見どころの多さに目移りするが、まず街を巡る観光バスに乗り込んだ。
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世界各地で運行するお馴染みの観光バス「Hop on Hop off Bus」。
赤い二階建ての車体が目印で、乗り降り自由のバスツアーコースだ。
大体、観光1日目は、このバスを利用して街の様子を伺うようにしている。
B線・ナポリ湾ルート
人気観光地ヌオーヴォ城の前から出発し、ナポリ湾沿いの絶景スポットを巡った。たくさんの絶景に出会ったが、座席位置によって撮影できない場所があった。
時間はたくさんあったので、再び同じ路線に乗って満足いくまで撮影した。
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ポジリポ
ゲーテがこの地区からの景色を見てあの名言を残したと言われている。
崖沿いにクネクネ曲がった道を登っていくと高級住宅街が広がる。
ナポリ湾の方には、ヴェスヴィオ火山がうっすら見えていた。
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卵城
サンタルチア港にあるナポリで最も古い城塞。
サンタルチアといえば、小学生くらいにサンタルチアの歌を聞いた気がする。
訪れた日は、入り口に張り紙がしてあり、防犯上の都合で休みということだった。
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卵城は古代ローマの詩人ヴェルギリウスが残した言葉がその名の由来と言われる。
「城の基礎の中に埋め込まれた卵が割れた時、ナポリが滅びるだろう」。
城の中を見学できなかったので、想像だけが膨らんだ。
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地下都市探検
ナポリの街の下に広がる地下都市ナポリソッテラネア(Napoli Sotterranea)。特に期待はしていなかったが、実際に見学してみるととても面白かった。
ツアーメンバーたちとガイドの話を聞きながら冒険してるようだった。
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この地下空間は、古代ギリシア人による石の採掘が起源とされる。
寺院などの建設のために採掘が行われ、時代が進むにつれて残った地下空間を貯水施設や水路として活用し、第二次世界大戦中には防空壕として使われたらしい。
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地下空間には、所々狭くて真っ暗闇の通路があり、幾度かそこを通った。
閉所恐怖症の人には辛いことこの上ないだろうが、冒険心をくすぐられる。
インディージョーンズのような冒険をナポリでできるとは思わなかった。
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大衆食堂との出会い
ナポリといえば「ピザ」ということで、ピザを食べるために店を探す。
ホテルのスタッフに聞いたおすすめの店を目指していると突然声をかけられる。
レストランのおじさんに呼び止められ、結果、おじさんの店で食べることにした。
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外のテント席に座るとメニューより先に知らない日本人が自らのブログで紹介した記事を紙に印刷したものが出てきた。何やらムール貝のスープとトマトソースパスタが絶品だと書いていたのでそれを注文した。
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なんか胡散臭いなと思いながらも出てきた料理を一口。
パスタは見事なアルデンテで美味しく、ムール貝のスープも美味だった。
おじさんは、その様子を見て嬉しそうにしていた。
途中まで愛想の悪かったウェイターのお姉さんもぶっきらぼうなだけで、本当はとても優しい顔で微笑んでくれることがわかり、お腹と心が満たされた。
あとがき
上記で説明した「Hop on Hop offバス」。
これには大変お世話になった。
このバスの良いところは、座席で様々な言語の音声ガイドが聞けることだろう。
乗車時に配布されるイヤホンを座席の機械に差し込んで音声を聞く。
一つ注意が必要なのは、場所によって音声ガイドの質に差があるということだ。
英語の場合は、内容をざっくり把握するだけなので、それほど気にならなかった。しかし、日本語の場合は、明らかに他言語を機械的に翻訳したものを日本人ないし日本語を話せる人が読み上げているといった感じに聞こえてしまう。
いくつかの場所では、ユーモラスでわかりやすい音声ガイドに出会い、とても楽しく知識が得られた。そういう時は、勝手な想像だが現地で暮らしている日本人コーディネーターの方にガイドしてもらっているような気持ちになって楽しんでいた。
地味に高い値段なので使うことを躊躇うかもしれない。
街の大きさや滞在日数を考えての利用をおすすめする。
ナポリの旅は、まだ続く