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ローマへ〜ボンボヤージュ〜
フィレンツェに別れを告げ、「ローマ」へ。
これまでより海外を旅することの大変さを感じた場所となった。
フィレンツェからローマへ
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ありがとう①
いよいよ、フィレンツェからローマに移動する日。
この街に来て良かったなと思えることがたくさんあった。
まずは、ホステルだ。
ローマ行きの電車に乗車する前、最後にフィレンツェの街を少し歩いた。
ホステルをチェックアウト後、フロントに荷物を預けて街へ繰り出す。
1時間ほどの予定だったが、少し時間をオーバーしてしまった。
ホステルの受付には、日本のアニメや文化などが好きだというお兄ちゃんがいた。
恐る恐る荷物を預ける時間をオーバーしてしまったことを告げる。
彼は、特に怒る様子もなく「問題ないよ」と言った。
改めて、「本当に大丈夫なの」と尋ねるとさらにこう続けた。
「これは僕の気持ちだから心配しないで」。
とても心が温かくなった。ありがとう。
ありがとう②
受付で荷物を受け取り、ローマ行きの電車が待つ駅に向かう。
滞在中、お世話になったチャイナレストランの前には、店員のおばちゃんがいた。
通りがかりに別れの挨拶するため、声をかける。
彼女に「これから帰るの?」と尋ねられ、これからローマに行くことを伝えた。
すると自然な流れで「ボンボヤージュ」と一言。
さりげなく送られた言葉に勇気づけられた。ありがとう。
歴史あふれるローマ
フィレンツェから電車で1時間半、あっという間にローマ・テルミニ駅に着いた。
今回は、バスを利用して少し郊外にあるホステルに向かう。
所々で人に道を尋ねながらもなんとから目的地にたどり着いた。
ホステルは、アパートメントの一室にあり、今までと比べ物にならないほど簡素。
これまでイタリアのホステルに泊まってきたが、ここであることに気がつく。
イタリアのホステルには、カーテンなどベッドを仕切るものがない。丸見えだ。
街を歩けば、世界遺産に当たる
世界的に有名な観光地ローマ。
世界各国の観光客でどこもゴッたがいしている。
豊富すぎる観光名所を巡れるだけ巡ろうと意気込んだ。
コロッセオ
ローマに来たら、絶対外せない場所「コロッセオ」。
地下鉄の駅から地上に出ると目の前にテレビなどでよく見る円形の建物が現れる。
本物を前にすると大きさと存在感に圧倒された。
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一般行列に並ぶとえらい時間がかかるらしいので、ツアーで内部を見学。
駅周辺でガイドやメンバーと落ち合い、するりするりと入場することができた。
ガイドさんの話に耳を傾けながら大昔の剣闘士の戦いに思いはせた。
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フォロ・ロマーノ
コロッセオの見学を終え、隣接した場所にある古代ローマ時代の遺跡へ。
「フォロ・ロマーノ」の呼ばれるこの遺跡は、とにかく広い。
「ちょっと見てやろう」くらいの気持ちで行ったが、見終わる頃にはヘトヘトに。
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真実の口
フォロ・ロマーノを抜けてほど近い場所に「真実の口」がある。
入り口には、行列ができていたものの、とてつもない速さで列が進んでいく。
ほんの少し待つとローマの休日に出てきたものと全く同じものが現れた。
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自分の順番がもうすぐ来るという時に、行列が異常な速度で進む理由が判明。
「写真を撮ったら、はい次」といった感じで、滞在時間15秒ほどで次に回される。
この恐ろしい回転率が、猛烈な進行スピードを生み出していたのだ。
トレヴィの泉
真実の口付近からバスに乗り、「トレヴィの泉」へ。
バスを降りて大勢の観光客とともに路地を進んでいくと泉に到着。
一目見て、場所の美しさよりも人の多さにたじろいだ。
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押し寄せる人の群れをかき分け、なんとか写真が撮れる場所を探す。
噴水の近くに行くのは無理そうなので、少し高いところから写真を撮影。
色々考える間も無く、記録写真のような形で何枚かパシャリとするにとどめた。
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あとがき
ローマ観光の初日は、首の痛みや肩こりに悩まされてスッキリしなかった。
宿泊場所によってその都度寝る状況違うので、これは仕方がないことと割り切る。
これにルームメイトのイビキなどが重なると本当にしんどい。
ローマでは、これまで体験することがなかった旅の洗礼を受けた。
いろんなことが嫌になって被害妄想が広がり、不安になることも多かった。
これは、いずれnoteの中で書くことになる。
そんな時、ルームメイトと話して気持ちが楽になったことを思い出す。
彼は、アメリカの大学で建築学を学んでいる青年で、ローマを観光していた。
お互いの旅の話をしたり、日本の話をしたりして交流を深めた。
彼は、ネイティブスピーカーだから僕の会話のテンポに少しもどかしさ感じていたようだったが、簡単な英語に言い直してくれたり、ゆっくり話してくれたりして気を遣ってくれた。
彼との話で印象的だったのは、バックパックの収納術の話だ。
彼は、「洋服がスペース取るから大変だ」と大きなバックパックに詰め込んだ洋服を見せてきた。それに対して「僕のはこんな感じだよ」とバックパックに圧縮袋を使って詰め込んだ洋服を見せた。
彼は、圧縮袋による省スペース化と自分より小さなバックパックで2ヶ月以上旅をすることについて、大変驚いた様子だった。
そんな何気ないやりとりが心を和ませた。
自分の世界を狭めているのは、自分自身だと改めて気付かされた。
ネガティブな思考は、きっと旅の味を半減させてしまう。
考え方次第で、実は楽しめたことや想像とは違ったことがいくつあっただろう。
勝手に思い込んでいたことが「きっとそうじゃない」こともあっただろう。
先入観や思い込みが足を止めてしまう。
旅の中でいろんなことに気付かされる。
ローマを巡る旅は、まだ続く。