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フェズ②〜旧市街の喧騒とリヤドの癒し〜

フェズの旧市街探索はまだ続く。
今度は一人で迷路のような古都を歩いてみることに。


リヤドで朝食を

フェズでは旧市街にあるリヤドに滞在していた。

私の部屋は建物の屋上にあったので眺めが良い。

屋上と言ってもしっかり部屋になっていて、天井も壁もある。

屋上にあるテラス

一人で旧市街探訪に出かける前に優雅な朝食を楽しむ。

一階で朝食を取っている時に、ふと天井の吹き抜け部分を見上げた。

何かがピタっとハマったような感覚。

天窓から見える青空、建物のシェイプ、全てのバランスが整っている。

スマホの写真を見直してもやっぱりそう思う。

地元民の書く地図はアバウト

朝食を食べ終わり、ゆっくりしているとスタッフのおじさんが近づいてきた。

昨日、このおじさんと一緒にテレビでサッカーを観たのですでに顔見知りだ。

一人で旧市街に出かけることを伝えると、地図を持ってきて観光スポットや気をつけることなどを教えてくれた。

おじさんのメモ付き

地図の裏側に自分の電話番号を書き、「困ったらここに連絡するんだ」と言って心配してくれる良い人。

おじさんは地図を見ながら「とりあえず真っ直ぐいけば観光スポットに着くから」としきりに言っていたが大丈夫だろうか。

一人で歩くのは少し怖い

いざ、リヤドの扉を出て旧市街に飛び出す。

もはや右も左もわからない。

正直、ここではGoogleマップなどのアプリも役に立たない。

路地から路地に進んでいき、たまに坂道を上に行ったり、下に行ったりする。

背の高い建物に囲まれた路地はどこも同じようだ。

人気のないところを歩くこともしばしば。

賑やかなところでは客引きがわんさか声をかけてくる。

こういうときはサングラスをかけると客引きから声をかけられる確率を下げられる。

それでも写真を撮ろうと一眼レフを取り出した途端、ものすごい勢いであちこちから声が降ってくるのだ。

溢れ出るアラジン感
アラジン感2

モハメドさんの時に助言をくれたスタッフのジュリアンくんから言われたことがある。

「今度変なやつについていったら飯抜きするからな」。

心配してくれてのことだが、厳しいよジュリアンくん。

ブー・イナニア・マドラサ(神学校)

14世紀のマリーン朝最盛期の最後の王アブー・イナーンによって建てられた、マドラサ(イスラム神学校)。建物内部の幾何学文様の装飾が素晴らしく、大理石を敷き詰めた中庭に立って眺めてみよう。

https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/africa/kingdom_of_morocco/FEZ/126578/index.html

あんまり色彩が感じられない建物。

でも、ローカルな雰囲気がすごく出ている。

壁や扉などに刻まれた幾何学模様の装飾が目を引く。

店が立ち並ぶ旧市街の喧騒がここでは聞こえない。

ヨーロッパの教会や日本のお寺もそうだが、祈る場所というのは静謐が満たすように作られているらしい。

心が落ち着く場所だ。

お気に入りの場所はリヤド

旧市街の賑やかさに少し疲れてしまう。

客引きも多いから尚更だろう。

小さい子供が客引きをしているのもここでは日常。

そういうのを見ると心にチクっと針が刺さるようだった。

きっとこの子たちの親や周りの大人が、商売人として、そして生活するためにやっている姿を見て自然と覚えたのではないか。

これが普通なんだろう。

そんなことを考えたりして疲れたときはリヤドの自室前にある部屋に行く。

なんの部屋かわからないが、クッションがたくさんあってゴロゴロするには最適だ。

お気に入りの場所

窓から心地よい風が抜けていくのを感じる。

ここのクッションに身を委ねながら少し日本に戻ってからのことも考えた。

私はこれから何をするのだろう。

砂漠に近づき、旅の終わりを感じ始めるとふと考えてしまう。

あとがき

リヤドのスタッフにはケリームという20歳の青年がいた。

リヤドで働いてお金を貯め、将来警察官になりたいそうだ。

彼はあんまり英語が話せなかったが、私たちは結構仲良しになった。

たぶん馬が合ったんだろう。

フェズではリヤドでの出来事が思い出深い。

この旅で初、アフリカ大陸で初のゴキブリと出会った。

あれはフェズ滞在最後日の夜だった。

部屋の洗面所で発見したヤツは割とデカめのサイズで仕留める勇気が出ないほど。

幸いにも近くにトイレがあったため、そちらを使うことにしてヤツを朝まで無視した。

フェズ最後の夜がただでは終わらなかったことも良い思い出になるだろう。


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