不耐症&アレルギーはギフトでした!

グルテン不耐症と乳成分、卵、蟹のアレルギーが判明して早三年。
これまでスキなだけ食べ、呑んできた老体をそろそろ労りなさいと、
体にやさしい食事へスイッチさせてくれたのは、神からのギフト
でした。

よく、そんなアレルギーで「何食べてんの?」と良く聴かれるので、
今回はキレイでも美しくもない独居老人の食事の一部を紹介します。

【注意!】
これはグルテンフリーやアレルギー対応の食事の工夫などという
素敵な食卓を書くものではありません。キレイとは真反対に位置する、
独居老人の粗末な食卓の紹介であることをご理解ください。

《朝食》
ほとんど朝食は「野菜てんこ盛り味噌汁」です。
二日酔いの朝などを除いたほぼ毎日、味噌汁に梅干しにらっきょう、
米または米粉パン、たまにウインナか蒸し鶏が付きます。

味噌汁の具はほぼ定番。
冷凍のカボチャとゴボウ、ブロッコリー、しめじ、カットしたキャベツ、
玉ねぎ、小松菜、ニンジンが入ります。
出汁は使わず、ホーローのミルクパンに、お湯を沸かしカボチャを投入、
フライパンで炒めた残りの野菜を入れて、煮込んで味噌を入れるだけ。

土井善晴さんが、具だくさん味噌汁には出汁は不要と説いてらしたので、
真似してみたらこれがおいしくて、それ以来、出汁なしの味噌汁を
いただいてます。

ただ野菜の量は半端なく、二人前の野菜炒めくらいの量。
完成すると豚汁などを入れる大きいお椀いっぱいになります。
勝手なな判断で、これで一日に必要な野菜はほぼ摂れていることに
しています。
味噌は仙台味噌。大量の野菜に負けないインパクトある旨味が合ってます。

しかしこの味噌汁には大きな弱点が。
味や栄養の問題ではなく、ミルクパンにパンパンに具を入れて作るため、
キッチン、コンロなど周辺にこぼれまくり、さらにルックスも野菜の
ごった煮なので、グチャグチャになった鍋みたいに、すべてにおいて
美しくない・・・否、ホント汚らしい風貌の御仁です。
人には見せられない独居老人専用メニューとなってます。ホントです。

これに米粉パンかおにぎりが付くのでボリューミーな朝食ですし、
冷え性のボクにとって、朝タップリの野菜と温かい汁で、冷えた体を
暖めてくれる一年を通してのベストパートナーです。

《昼食》
いくらグルテン不耐症と乳と卵アレルギーが合併していても、
食べられるものはたくさんあります。
ほぼ昼食はご飯なので、「乳製品と卵の入らない和定食の方になります」。
たまにこんな一人言を言いながら配膳をして苦笑してます。
孤独な独居老人とはそんなものです。

確かに、昼食に人気のラーメン、パスタ、うどんなどが食べられないのは
寂しいです。
それ用の、ラーメン風、パスタ風、うどん風の麺がいろいろ売られていて、
一通り試しましたがイマイチで、十割そば以外、麺類は諦めてましたが、
今年救世主に出会いました!デンプンで出来ているうどん風の麺で作る
冷やし中華です。冷や中ずきなのに食べられず凹んでいたボクにとって、
この美味しさは、苦節三年にしてようやく見つけた一品になりました。
でもこの冷や中と出会ったらもう秋というお約束のパターン(泣・涙)
来年の夏にはたっぷりと雪辱させて貰います。

《夕食》
夕食は酒を呑む時以外は簡単に済ませます。基本は十割そば。
ただ秋から冬は、冷たい蕎麦に冷たいつゆだと腹が冷えるので、
鶏や鴨の入ったつゆとか、豚肉と野菜、油揚げとねぎ、納豆など
温かいつゆに、水でしめた蕎麦をつけて食べることが多くなりました。
これに出来合の煮物などをつけます。煮物が自家製の時はハッピーですが、
労力とのバランスがあるので、ほんのたまに時間があるときの贅沢です。

もちろんご飯の日もあります。
食事の幸福感向上を求め、夏から土鍋でご飯を炊き始めました。
ちょっと面倒ですが、炊飯器とは違う美味しさがやめられません。

そしてご飯のお供にとぬか漬けも始めました。
炊きたてご飯にぬか漬けと味噌汁、そして鶏ムネの蒸し鶏というのが
我が食卓のトップオブトップです。

残ったご飯は、翌日のおにぎりに。
明日が待ち遠しいくらい美味しいのですこれが!
もちろん形は悪いですが、こちらは汚くありませんよ。

制限だらけの食事ですが、こんな風に楽しんでいます。

ふり返ってみると、不耐症&アレルギー発症以前とは、
食べることの喜びの質が大きく変わった気がします。

値段の張る食事、カロリーいっぱいの食事、肉まみれ等、
若かったから楽しめた食事は確かに懐かしいですが、60を越えてまだ
楽しむものではないようで、近頃は、これまで気づかなかった魚や野菜の
シンプルなおいしさに酔えるようになりました。

不耐症&アレルギー発症直後は、食べられないことを歎き、食べられない
ものばかりを夢見て愚痴り、行き所のない怒りに自ら傷ついていました。
しかし少し考え方を変えるだけで、食事に仔細な工夫を行うだけで、
これまで全く気づいていなかったおいしさと出会う喜びを知り、
食べ物への感謝を感じるようになったのです。

体に優しく、心にも優しい。そんな食事は誰にとってもとても大切なもの。
そして、その必要性に気づくことなく、飽食をつづけてきた老体を、
ギフトが大きく変えてくれました。

強い意志で、ヴィーガンになったり、無農薬無添加の生活をするように
カッコ良い魅惑のライフスタイルでも、キレイな世界でもありません。

汚くても、不細工でも、シンプルでも、それなりに楽しく、笑顔でいられる食事はいいものです。
これまで気づかなかった美味しさに出会った喜びと感謝。
やっぱりこの試練は素晴らしいギフトでした!

さあ今日も食欲の秋、いただきま~~す。

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