【半径3メートルの世界】 あの豆大福みたいな人になりたい
仕事の合間の休憩、おやつタイム。
ほぼ常時、いただいたお菓子が何かしらある状態。お中元、お歳暮以外でも頂き物は多い。
今日もその中から好きなものをそれぞれ選び、食べながら少しおしゃべり。
なぜだかその時、「世の中のお菓子で、たった一つしか手元においておけないとしたら、何にするか」という話になった。
私は、ちょっと考えてから答えた。
「大福。それも、先日いただいたあの豆大福」
それは、お世話になった方のお誕生会の時にお土産でもらったもの。
岡埜栄泉の「豆大福」だ。
私はその日、帰宅してすぐにその豆大福を食べた。なんだかその味がとても印象深く、忘れられないのだ。
絶妙な塩気と甘すぎない餡。一つの大きさもよく、豆もバランスよく入っている。
「もう一度食べたい」とはっきりとそう思う。
都内で購入できるので、チャンスがあればいつでも買いに行ける。そう思っていても、「ちょっと買ってくる」と言って出かけるには遠い場所だし、予約が必要なくらい人気があるようだ。
この豆大福を売っている岡埜栄泉は大正元年創業、もうかれこれ100年以上も続くの老舗和菓子屋である。
本当に美味しいものは、いつの時代も変わらず美味しいものであり続けられる。それを証明しているようなお店と豆大福。永く愛され、売れ続けているものには、ちゃんと理由があるのだろう。
基本の軸は変わらずに、でもその時代に合わせる。その時に仕入れられる材料、それに合わせた作り方。きっと創業から何も変えていないということではないのだろうけれど、ブレない軸がそこにはあるに違いない。
次々と新商品がでて、流行りを作り出すようなやり方もあるのかもしれない。でも、そんな商品は飽きられて、永くは続かない。
店を安定的に継続させていくことを考えると、次々と新商品を作り続けるよりも、一つの必ず売れる定番商品を変わらず守り続けることの方が重要なことだ。
まだ一度しか食べたことないけれど、私の中では「あの豆大福があれば他にはいらないかも」と思わせるだけのインパクトがあった。
それが、岡埜栄泉の定番の商品である「豆大福」なのである。
人も「もう一度会いたい」と思ってもらえるためには、何かインパクトが必要なのかもしれないが、でも、インパクトだけではない「定番」を感じる安定感も必要だ。そう、人としての軸が必要なのだと思う。
それがなければ、仮に次に会えた時からその先永く愛される関係を築くことができないのではないだろうか。
老舗和菓子屋の定番商品が永く愛される逸品であるように、人も永く愛される逸品でありつづけれるには、ちゃんと永く続く理由を持ち合わせる必要があるということだ。
豆大福に出会った日のこと。
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