【半径3メートルの世界】 目の前にいる人を見て、思う
毎日やりたいことが山のようにあって、でも時間は限られていて……。
仕事も大好きだから平日は仕事が優先されるわけだけど、と言っても夜になって、仕事しかしていないと気がつくと少し寂しくなる。
写真を撮り、文章を書く。作ったら面白いなと思うことについて考えを巡らす。
こういうことも大好きで、なにか表現をしたいと思うのに、平日の夜は日中仕事に集中しすぎて疲れていて、とにかく早く眠りたいと思う。
本を読みたい、もっと知りたいと思っていることについて勉強したい。そう思っても、平日の昼間に時間が取れるわけではなく、なかなか手がつけられない。
そして、気絶するように眠りに入るのに、頭の中は左脳がフル回転しているせいか、夜中に「こうしたらもっといいのに!」「これって面白いことだよね」と思いついて目が覚める。
ただ年齢のせいで目が覚めるのかと思っていたら、どうもそうでもないような気がしてならない。
こんなにやりたいことに対しての時間が足りないと思っているのに、急にどうでもいいドラマなどを真剣に観てしまうこともある。
面白いことを考えたいと思っている頭で、考えても結論の出ない他人の気持ちを考えていることもある。
一体、私は何を求めているのだろう。
一体、私は本当は何をしたいと思っているのだろう。
好きなことだけしていては生きてはいけないと、誰かに言われたわけでもないのに、どこかで好きなことだけをすることにブレーキをかけているのではないかな。
最近私のそばにいる彼は、びっくりするぐらいお出かけ好きで、行きたいと思うところには何の躊躇もなく出かけていく。そして楽しいことを貪欲に追求している。
そこには迷いもないし、誰の顔色をうかがうこともない。自分の欲求に素直だ。
私の世界の中に登場してくる人々は、私が作り出した人。私が「〇〇さんはこういう人」と解釈して、私の解釈の中で生きている。
だから私が知っている彼も私の解釈によって現れているわけなのだが、そう思うと、彼の姿は私が心の中で求めている私の姿を投影しているように思えてならない。
誰の顔色をうかがうこともなく、自分の好きなように行動する。
自分の欲求に素直で貪欲。全ての時間を自分のために使う。
私もそうしたいと思っているんだよね。
そう思っているのに、ふと、彼の行動を私の今のリズムに合わせたいという衝動に駆られる。「何で私に合わせられないの?」と言いたくなる。
その一言が、結局は私自身を縛ることになるだろう。
だから、「何で私に合わせられないの?」という一言は飲み込んで、自分を見るかのように彼を見つめてみた。
いつも自分に寛容でいたいし、自分を自由にしてあげていたい。
私の目の前にいる人は、私が好きな人。そして、それは私自身。
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