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新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「ガクチカでつかっていい数字はコミュニティの人数と取り組んだ期間だけ」あじゅまるさん(4/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note


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OB訪問経由で出会った学生に企業が「採りたい」モードになる瞬間

ーOB訪問をしにくる学生って、基本的には企業側から選べないじゃないですか。だからOB訪問にあまり企業からしたらありがたくない学生とか、入社意思の薄い学生が来る可能性も全然あるわけじゃないですか。


 
『全然ありますね。そもそも興味ある企業を見てたらたまたまOBがいたとかか、超大手でその企業のことを知りたいかのどちらかだと思うので、前者であれば入社意思はほぼないですけどね。』
 

ーそこから「あの子取りたいなぁ」っていうモードに入るまでってどういう差があるんですか?


 
『モードになる段階はあるとは思いますけど、やっぱりOB社員がその子と一緒に働きたいと思ったかどうかじゃないですかね。』
 

そもそもOB訪問が発生する仕組み

ーなんか私が噂で聞いてたのが、OB訪問やると、OB社員が「いいな」と思った人は人事に報告して、それをもとに人事が動き出すみたいなことを言ってる人がいて、「本当なのかな」と思ったんですけど、やっぱそういう感じに近いんですね。


 
『それはありますね。というかそもそもなんですけど、OB訪問の窓口はもともと人事の場合が多いです。あと稀に教授からOB社員宛に連絡が来ることもありますが、受け入れてもいいですか?って人事に質問してきますし。

それに人事側からも根回ししてるので、OB社員へは「OB訪問OKですよって案内を学校にかけたから、今月あたりに学生が来たら対応お願いね!」みたいなこと言ってますね。(笑)』
 

ーそれで「この子結構うちと相性よさそうだし、本人も入りたいんだな」みたいな感じがわかったら、説明会とか面接とかに案内するってことですか?


 
『そうですね。この段階というか学生の感触がよくて採用しに行きたいなってなってたら、選考フローを飛ばしていきますね。』
 

OB訪問で選考優遇はあるのか

ーその時に面接いくつかカットするとか、エントリーシートいらないよとか、特典をつけるみたいなことはあるんですか?


 
『カットする内容は企業によって変わると思いますが、OB社員で対応できた簡易的な人柄や思考力、志望度と実際に学生に語った情報(説明会など)を加味して、面接からしようとか、適性検査はなしにしてあげようとか、面接は最終面接1回だけにしようみたいな、学生の負担を減らしてあげるような特典にすることが多いですかね。こんな感じのことをしている企業はまだまだ世の中にはたくさんあると思いますよ。』
 
 

理系のOB訪問事情


ーあ、そうだ。あじゅまるさんってメーカーなので理系職で理系学部から採ってる場合と文系学部から採ってる場合が多分ありますよね。


 
『ありますね。』
 

ー理系と文系で全然就活のルール違うじゃないですか。理系と文系は何対何ぐらいで採ってるんですか?


 
『ああ、僕らの企業は基本半々ぐらいなんですけど、ただ、理系の方が採れないんですよね。やっぱ専門分野で学んで来てる人たちなんで、もう「これがやりたいです」みたいなこと言われるともうその学科とか学部がちょっと絞られちゃうみたいな。なんで理系の方がOB訪問をやってるイメージは強い感じではありますね。』
 

ー理系は教授のコネで就職するみたいな、コネクション感がありますよね。


 
『あ、ざらにありますね。「○○企業の技術職枠は△△大学△△学部の△△ゼミで2名」とかって決まってたりして、いわゆる学校推薦ならぬゼミ推薦で教授の接待があると言ってる企業も知ってますし、クセが強い学生でも採らないといけないとかいろんな事情があるみたいですけどね…。』
 
 
 

ガクチカでつかっていい数字、使わなくていい数字


ー事前にいただいたお話の中に、就活生が面接でテンプレ止まりになって、あんまり自分の言葉で語れない就活生が多いみたいなお話をいただいたと思うんですけど、詳しく教えて頂いていいですか。


 
『前提としてエントリーシートでも面接でも、どちらにも当てはまるんですけど、志望動機や自己PRとかを作るときに、「ネットに落ちてる「私はアルバイトの経験で店舗の売上を何%あげて」とか、なんか謎の数字を使いだして自分を盛ったりしてくる心理がよくわからなくて意味不明なんですよね。』
 

ーいやでも、やっぱあれ使うか使わないかで、受かるか受からないか変わるんじゃないかって言うなんとなくの思い込みありますよね。就活生としてはそうなんですよ。


 
『謎の数字って言ったんですけど、数字で盛っちゃダメなんじゃなくて、実は数字って使っていい種類があって、ある2つの数字しか使っちゃダメっていうのがあるんですよ。

1つは「人数」でコミュニティの規模を表すもので、2つ目は「時間」で期間とかを表すものっていう、ただそれだけでいいんですよね。』
 

ーへー初めて聞いたこの話。


 
『この数字を伝えてもらえるだけで、その人の生活環境・スタイルやどんな思考をするのか、いまの性格を作ってきた体験をどんなふうにしてきたのかってイメージができるんですよね。

例えば「バスケ部を中学校から大学までずっとやってきた」って言ったら10年も打ち込んできたっていう数字が出るじゃないですか。さらに「特に高校は強豪校で、全国大会出場を目指して、県で準優勝止まりだったんですけど」とかって言ったら、それで競技人口なんかもなんとなく把握できますし、どんなレベルで戦ってきたのかもわかります。

で、準優勝なんで「2位なのね」みたいな実際の結果も数字が勝手についてくるんです。』
 

ーおお、確かに。


 


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