見出し画像

新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「万が一はずれを引いてしまっても第二新卒という道がある」あじゅまるさん(13/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note


万が一の逃げ道、第二新卒市場での転職理由

ーああ、じゃあもし印象と全然違う会社に入っちゃったなって思った時は、本人が甘えで転職したい場合じゃなければ就浪するよりは入っちゃったほうがいいパターンっての結構あるんですね。


 
『そうですね。もう入ってしまって、転職することに懸けるって感じですね。』
 

ー最近は第二新卒市場がめちゃめちゃ活発なんで、もうそれがいいんですね。


 
『そうですね。で、だいたいその第二新卒の転職理由って、基本的には「スキルを身につけて給与やキャリアを上げたいです」っていうよりかは「そこでの人間関係とかトラブルでダメでした」とかが多いですね。』
 

ーやっぱりそうなんですね。


 
『それが甘えかどうかの判断がちょっと難しいところがあって。
 
「本人の単なる考えの甘さでやめただけなんじゃないの?」っていうのと、「入った瞬間から80時間のサービス残業とかはさすがにきついよね」みたいなのがあると思うので、転職活動の中で見極めて欲しいと思うんですよね。
 
内定の時に感じた違和感と入社後に実際働いた2、3ヶ月で感じた違和感みたいなものを、「本当に自分でこういう思いを持ってたんだけど、ここがもう本当に合わなくて。次はそういった会社じゃないところでしっかり磨いていきたいと思ってる。」という形に言葉にしてみるとか。まあ、確かに思いとか、あとはサービス残業とかは証明できるものじゃないので多少盛れちゃうものではあります。
 
これは良いのか悪いのかですけど、まあ全然それはできるっていうか。』
 

ー万が一外れ引いちゃっても意外と逃げ道はあるかもしれないって感じですね。


 
『全然あり得るって感じですね。世の中の第二新卒の活発ぶりを見てると、結構なんかそういう人多いんだなっていうのは思いますよね。1度入社したら「3年はとか1年以上は続けなきゃ」って思ってると思うんですけど、本当に合わないとか体調崩すレベルだったらそこ逃げるべきだと思うんですよね。』
 

ー変に鬱とかになって1、2年とか過ごしちゃうよりかは全然いいですよね。


 
『そうですね。逃げちゃった方がいいですよね。そんなところもあるので、内定の時に気づけるかっていうのはちょっとわからないですけど、もし気づいちゃったら、ちょっと覚悟して入ってみて、やっぱり3ヶ月で見切りをつけるとかっていうのは全然あると思うよって伝えたいですね。』
 

ーそれは本当に知っといた方がいいですね。就活浪人とかするより、全然そっちのほうが救われますよね。


 
『人によってはそうですね。結局、次の下の世代の子と一緒にもう1回就活をやらなきゃいけないって考えると、それのほうがしんどいんじゃないかな。面接とかでも「この1年は何をしてたんですか?」とか聞かれて答えないといけなくなりますし、そんな無駄に疲れる就職活動を1年間頑張らなきゃいけないより、3ヶ月で逃げちゃったほうが。それに最悪、その3か月間法律に守られながらお給料も多少出る感じだと思うので。』


大手VSベンチャー論、両者の研修について

ー研修の話で、個人的にはこの話を結構一番聞きたいんですけど、自分で就活していると、大手vsベンチャーみたいな話に一時期結構揉まれた時期があって。

簡単に言うと、就活サイトそれ自身がベンチャーなので、「学生はメガベンチャーとかの人が大手に行くより、成長中のベンチャー行った方が成長できるよ」みたいなプロパガンダにすごい個人的にやられてたんですよ。

で、いろいろいろんな大人に相談した結果、「大手にしなさい」ってすごい説得されたんですね。大手に入った方が研修がしっかりしてるから、基礎が欠落せずに社会人になれる、その基礎がちゃんとあるか否かでその後の人生が決まってくるから、そこはこだわらなきゃだめだよみたいなこと言われて。それをみんな知らずに、結構ベンチャーにカジュアルに行っちゃう人たちが多いなって思って。

実際、大手と中小、ベンチャーとかの研修ってどういう感じなんですか?

『えっと、研修期間のことで言うと、「最低2週間から1ヶ月ある」とか「1年間ローテーションで回ります」とかってHPに書かれていたり説明会で言われたりすることがあるじゃないですか。

僕の個人的な見解で言うとなら、研修の最低ラインは2週間じゃないかなと思ってます。それで「ちゃんとしたことが学べるかどうか」みたいなことって絶対大切だと思うんですよ。

まずベンチャーで言うなら「圧倒的な当事者意識」が求められるので、その風土というか思想に合う人は成長できると思います。なぜなら人数が数人しかいない中で事業を立ち上げてやっていくので、誰かに任せることができず自分からガンガン動いていかないといけないので、圧倒的にスキルも思考も行動力も身につくと思います。

ただ気をつけなければいけないのは、そのような超主体的なガツガツタイプであることや学生時代からそれに近い経験をしてきていて、ベースの能力が備わっていないと続かないですし、少しでも他責傾向がある人には務まらないというかそんな人は求めていないというところなので、研修で教えてもらうなんてスタンスでいると無理というか合わないといった感じですね。

一般的な企業の研修の話に戻すと、「ちゃんとしたことが学べるかどうか」が大切なんですが、なぜかというと、さっき言ってもらった通り、「教えてくれる人だったり」、「何も知らないまま、見様見真似でやる」ってなると、仕事の仕方や立ち回りがほぼ必ずと言っていいほど自己流になるんですよね。

そこで身についてしまった自己流は、後から自分で学びに行かない限り直らないんですよね。

研修でちゃんと教えてもらわないと社会人としての基本的なマナーやスキルが身に付かないんですが、入社したその会社の社内では通用するんですよ。

だけど、それが企業同士のお客さま相手でB to Bのやり取りしたときに「あの会社本当に大丈夫か?」みたいな感じになってたりとか、転職した後に「こんなこともできないの?」「こんな基礎を知らないの?」ってことになるのが怖いですよね。意外とこういうことがザラにあるっていう感じですね。』


この記事が参加している募集