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ハラスメントと一般化

 私の箸の持ち方は、ちょっと変わっていて、中指と薬指を使って開いたり、閉じたりします。

ですので、人差し指が余って、遊んでいます笑。

両親はあまりに気にしていませんでしたが、会社の上司に、その人差し指を指摘されたことがあります。

日本人は「箸の持ち方」にうるさいです。

箸は、ただの棒です。でも、その使い方で、褒められたり、叱られたり。

また、むかし、外国の方と一緒に、スパゲッティを食べたのですが、私は、ソースをパスタに、フォークで完全に混ぜてから食べていましたが、それを見て、その外国の方は嫌な顔をしていました。

食べれたらいいだけの話ですが、外国の方は、フォークとナイフの使い方にうるさいです。

でも、レストランできちっと使えていると褒められたりします。

さらに、違った話ですが、私はバスケットボールが好きです。中学の時はバスケットボール部でした。

でも、勝つことや上手であることが求められて、面白くなくなり、高校では他の部に入りました。

ただのボール遊びが「評価」の手段に変わってしまいました。

さらに、さらに、私はファッションが大好きです。それで、アパレルの世界に就職しました。

そこでは、洋服は、寒さから身を守るものではなく、他の人からの評価、自己表現するツールに変わっていました。

このように、私たちは、周りの人たちと一緒に暮らすために、こどものころから、「そうあるべき」というルールで管理されて、きちっと出来れば褒められる、、、評価される、、、という体験をいくつも、いくつも、経験していて、それはいつの間にか、絶対、そうあるべきという風に、頭に定着します。

これらの評価は、生きていくためには、ある程度、必要なことです。

こういうのを「一般化」といいます。

国の一般化、地域の一般化、会社での一般化、性別での一般化、年代での一般化。

それぞれの「一般化」があります。

一方で、それが「過剰」だとどうなるでしょうか。

過剰ですと、そればかりを気にしすぎて、「本質」のところが見えなくなっていきます。

例えば、会社の業績を上げるために、顧客満足に気を配るべきところを、自分を評価する「上司」に気を配り過ぎるということも起きてきます。

でも、その「評価」にこだわり過ぎると、そのことに気が付かなくなり、業績が下がるということがよく発生しています。

また、私たち、コンサルタントで、本当に気をつけないといけないことがあります。

それは、「雇われている経営者からの評価」を気にしすぎて、本質の「顧客満足」や「従業員満足」の優先度が下がることです。


さて、箸は、本来、持ち方が重要ではなく、食べ物を口に運ぶことが重要な道具です。

「一般化」で気をつけなければならないことは、ここです。

何が、間違った「一般化」なのか。

それを知るためには、一旦、その「一般化の世界」に気が付いて、抜け出さなければなりません。


いま、ハラスメントの問題がたくさんあります。

パワハラ、セクハラ、モラハラ。最近では、LINEの文章に句読点を入れると怒られていると感じる「マルハラ」なども登場しているみたいです。

電話に出ることを強制されたと感じる「テルハラ」もあるようです。

どんどんハラスメントの種類が増えていく根本の理由は、不快と感じてしまう方々の中に、何かしらの「不幸なプログラム」があるからだと私は思います。

そういうことが生まれやすい世の中になってしまったのかと。

それを理解しないで、なんの愛情もなく、それが当たり前という「一般化」で命令するとハラスメントになってしまうと思うのです。

大事なことは、ひょっとしたら、不快と感じてしまう人たちは、その親にも「心の余裕」がなくて、子供のころから、些細なことでも、「なんど言ったら分かるの!」「いつになったらできるようになるの!」「いい加減にして!叩くわよ!」などと言われていたのかも知れないと、想像を巡らすことだと思うのです。

そういうプログラムを持っている人が増えているかもしれないという推測をしながら、一方で、伝えるべきことは、きちっと愛情をもって、相手に伝わるように、指示・命令することが必要な時期ではないかと思っております。

そして、「世知辛い一般化」を自ら修正しながら、自分の過剰な承認欲求に気が付くことが、物凄く大事な時代になったのかなと思います。


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