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【AIを使いこなすツール】めっちゃ便利AIキャンパス!『予測マシンの世紀 第三部』#8

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■決断を分解する

いよいよ、AIキャンパスを使います。

タスクの決定を構成する各要素(予測、入力、判断、訓練、行動、結果、フィードバック)を特定すると、とても効果的。それを実現するのがAIキャンバス。

本にある具体例を元に、使ってみましょう。
医薬品の有望な候補を発見するための時間を短縮することを目的とした予測ツールを提供しているスタートアップのAtomwiseが取り上げ上げられています。製薬会社が薬を作り、テストをするには、多大なコストがかかりますよね?本当は薬が出来て市場に出回るまでのワークフローを書き出す必要がありますが、Atomwiseはどの分子が数ある分子のうち、どれが有効な薬かどうかを判断するタスクに特化しています。

医薬品になる可能性のある分子は何百万もありますが、それぞれの薬を購入してテストするのは時間とコストがかかる。製薬会社はどのようにして試験を行うかを決めているのか?製薬会社は、どの分子が有効な薬になる可能性が高いかという研究結果に基づいて、経験に基づく推測(予測)を行う。

何百万という分子から有効な薬にあるものを予測する。まさに予測問題です。

”薬が効くためには、病気のターゲットと結合しなければならず、肝臓や腎臓、心臓、脳など、毒性のある副作用を引き起こすタンパク質との結合を防がなければなりません」と語った。それは「結合したいものと結合し、結合したくないものに結合するのを失敗する」ということになります。"

何と結合するかは結合親和性で判断できるので、つまり、「製薬会社が結合親和性を予測することができれば、どの分子が効果を発揮する可能性が高いかを特定することができる」のです。結合親和性は以下。

Atomwiseは、潜在的な医薬品を特定する作業をより効率的にするAIツールを提供することで、この予測を行う。このツールは、AIを使って分子の結合親和性を予測するので、Atomwiseは、病気のタンパク質に対する結合親和性が最も高い分子をランク付けして製薬会社に推薦することが出来る。

面白いですね。例えば、エボラウイルスに対して最も高い結合親和性を持つ上位20個の分子を提示することが出来るそうです。

Atomwiseの予測マシンは、分子を1つずつテストするのではなく、何百万もの可能性を扱うことが出来る。製薬会社は、人間とマシンの判断と行動を組み合わせて候補をテストし検証する必要があるが、AtomwiseのAIツールは、それらの候補を見つけるという最初のタスクのコストを劇的に下げスピードを速めることが出来る。

さて、このような予測AIツールを作るにあたり、どこに注目すればよいでしょうか?

大事なのは、特定の候補分子が製薬業界にとってどのような価値を持つかを認識することだ。
この価値には、
病気をターゲットにすることと、潜在的な副作用を理解することという2つの形があります。

つまり、

試験する分子を選択する際には、病気をターゲットにすることで得られる利益と、副作用にかかるコストを判断する必要がある。

では、Atomwiseの予測マシンはどのような形のモノかを見ていきます。入力データとフィードバックについては以下。

この予測マシンは、結合親和性に関するデータから学習する。各データポイントは、分子とタンパク質の特性に加えて、分子とタンパク質の間の結合の測定値で構成されている。Atomwiseがより多くのレコメンデーションを行うことで、顧客からのさらなるフィードバックが得られる可能性があり、予測マシンは今後も改善されていく。

予測については以下。

このマシンを使って、タンパク質の特性に関するデータがあれば、Atomwiseはどの分子が最も高い結合親和性を持つかを予測出来る。また、タンパク質の特性に関するデータをもとに、これまで生産されたことのない分子が高い結合親和性を持つ可能性があるかどうかを予測することも出来る。

この分子選択タスクのAIキャンパスが以下です(図1)。

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図1 AtomwiseのAIキャンバス(『Prediction Machine』より)

本でまとめられたのが以下です。

行動:何をしようとしているか?Atomwiseでは、病気の治療や予防に役立つ分子をテストすること。

予測
:決定するために何を知る必要があるのか?Atomwiseは、潜在的な分子やタンパク質の結合親和性を予測する。

判断: 異なる結果やエラーをどのように評価するのか?疾患をターゲットとすることの相対的な重要性と、潜在的な副作用の相対的なコストに関する基準を、Atomwiseとその顧客が設定する。

結果: タスクの成功を示す指標は何か?Atomwiseの場合は、テストの結果だ。最終的に、そのテストが新薬につながったかどうか

入力
: 予測アルゴリズムを実行するために必要なデータは何ですか?Atomwiseは、病気のタンパク質の特徴に関するデータを使って予測する。

訓練: 予測アルゴリズムのトレーニングに必要なデータは何か?Atomwiseは、分子やタンパク質の特性に加えて、分子やタンパク質の結合親和性に関するデータを採用している。

フィードバック:アルゴリズムを改善するために、結果をどのように利用できるか?Atomwiseは、テストの成功に関わらず、テスト結果を将来の予測の改善に利用する。

わかりやすくまとまりますね。改めて見直すと、Atomwiseの価値提案は、顧客の創薬ワークフローにおける予測タスクをサポートするAIツールを提供することにあります。これにより、予測タスクを人間の手から取り除くことができます

その価値を提供するために、Atomwiseは結合親和性を予測するための独自のデータセットを蓄積した。この予測の価値は、医薬品開発のコスト削減と成功の可能性を高めることにある。
Atomwiseのクライアントは、異なる種類のタンパク質に対する異なる結合親和性を持つ分子のペイオフについて、独自の専門的判断と組み合わせてこの予測を使用している。

AIキャンパスを使いこなすにはトレーニング必要そうです。明日はMBAの採用プロセスのAIキャンパス作成です。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/


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