初めて来た町で地方創生に挑むジェントルマン(宇佐見卓也さん)/ノーザンオカヤマのオモシロ人vol.3
こんにちは。私たち衆楽舎は、独自の視点でノーザンオカヤマの魅力を発掘・発信し、『人』を通じてその魅力を知っていただく連載「ノーザンオカヤマのオモシロ人」をnoteでお届けしています。
衆楽舎が考える「オモシロ人」とは、”地元を面白くしたい!地域の人と楽しく繋がりたい!”と、何かを実践したり挑戦しようとしている人たち。経歴、年齢、性別、そして在住歴も問いません。これまでのvol.1、vol.2ともに大変好評をいただいているようで、ありがとうございます!初めてお読みになる方は、ぜひシリーズでお読みくださいね。
vol.1 真庭市 河野文雄さん⏬
vol.2 津山市 須江健治さん⏬
連載「ノーザンオカヤマのオモシロ人」 vol.3
さて、今回ご登場いただいたのは…?
宇佐見卓也さん(久米郡美咲町在住)
私が初めてお目にかかったのは、衆楽舎の我らがBOSSキタガワに、面白い方を紹介するからとお食事をご一緒した時。第一印象は、とても穏やかな、そして、とても美食家なジェントルマン。ノーザンオカヤマ初心者の私に、おすすめのパン屋さんやレストランをささっと教えてくれたのを覚えています。
BOSSキタガワも行動力抜群なのですが、そのキタガワをもってして「好奇心旺盛で行動力ある見習うべき先輩」ということなのですから、宇佐見さんは相当なオモシロ人にちがいない。早速聞き込みをしてみました!
地方創生のため縁のなかった美咲町に
Q)宇佐見さんは、岡山ご出身ではなく、期間限定で移住されていると聞いたのですが、どのような経緯でノーザンオカヤマへ?
[宇佐見さん]国の地方創生人材支援制度により、岡山県久米郡美咲町の役場で働いています。元々は、食品系の大企業や中堅製薬会社、ITベンチャー等で働いていて、社会人として大学院で学んだことなどをキッカケに、国の制度でマッチングされて美咲町に来ました。
美咲町は、ノーザンオカヤマではほぼ真ん中に位置するでしょうか。3つの町が横長に合併してできた町で、3つの個性が詰まった町です。ここに、2020年の7月から住んでいます。派遣期間は当初2年の予定でしたが、1年延長され、あと1年はいます。美咲町だけでなくノーザンオカヤマは、それまでまったく来たことも住んだこともありませんでした。
Q)えー?これまで来たことのない土地だったのですね!どちらのご出身で、それまではどこに住んでいたのですか?
[宇佐見さん]生まれは名古屋です。名古屋城の近くの下町で生まれ、高校までそこに住んでいました。大学進学のために東京に出てきてからは、就職も東京だったためほぼ東京で暮らしています。ただ、仕事の関係でドイツ、宇都宮、水戸に、それぞれ数年住んだことがあります。
ドイツは人口100万人を超える都市が3つしかなく、それぞれ個性を持った中小都市が集まった国です。宇都宮も水戸も人口は多くはありませんが、地域の歴史と文化を代表する”気概”のある町。東京という大都市の生活の中で、そうした地域とも接点を持てたことは、私にとってとても幸せな経験です。
Q)最初に美咲町を訪れた時の印象はどうでしたか?
[宇佐見さん]国から紹介を受けたとはいえ、全く来たこともない町でしたので、今回のお話を正式にお受けするかを決めるために、ある週末に東京から役場にお伺いしました。
その時は、単線の列車に揺られ、PASMOも使えない駅で降りて、思った以上に田舎だなと思いました(笑)。
ですが、休日にも関わらず、町長・副町長もわざわざ出迎えていただき、皆さんの優しい笑顔を見た時に、来てみたいと思いました。
最大の魅力は「ひと」
Q)2年住んでみて、ノーザンオカヤマの魅力は何だと感じていますか?
[宇佐見さん]私にとってのノーザンオカヤマの魅力は「ひと」です。
もちろん、これはノーザンオカヤマの人たちが他のエリアの人たちと比べて特に素晴らしいとかという意味ではなく、「ここにも、ここらしい、ステキな人たちがいる」という意味です。
地方創生のお手伝いのために来たということも若干影響しているのかもしれませんが、ノーザンオカヤマの各地域で、その土地を愛し、その土地の特徴を活かし、何より楽しみながら、町を元気にしようとしている沢山の人たちに出会ってきました。その人たちの個性や活動が、まさに地域の個性となり、魅力となっているように思います。
Q)「ひと」への好奇心や温かい視線をお持ちなのですね。普段はどんなことがお好きですか?
[宇佐見さん]好きなことは、沢山あります。例えば、食べたり飲んだりする時間を楽しむこと、自然の中を散歩すること、ステキな人たちと話すこと、映画を観ること、本を読むこと、静かに坐ること、周囲の鳥や花に(勝手に)話しかけること…その時・その場所でワクワクすることが好きです。
Q)お花にまで話しかけているとは、さすがです(笑)!たくさんの出会いがあったと思いますが、初めて来た方に特におすすめの場所はありますか?
里山の夫婦で営むパン屋さん
[宇佐見さん]私の住む美咲町で言えば、大垪和の棚田等のステキな風景のところは沢山ありますが、やはり私は、そこにいる人と合わせてご案内したいですね。
例えば、里山の中のパン屋さん(ココペリ)。ここは10年前に都会から移住された夫婦が営んでいられ、天然酵母のパンを作っていられます。里山の美しい景色の中で、そこでの暮らしからまさに生まれたような、とても滋味深い美味しいパンを味わうことができます。
津山城址でテントサウナを体験
Q)ココペリは私も大好きなお店です!他にもおすすめがあるそうですね?
[宇佐見さん]先日、津山城の跡で野外サウナを体験しました。
津山城自体もその石垣はとても優美で、是非見ていただきたいところ一つではありますが、そこで、青空の下、野外サウナをやったんだよ!というお話とセットで説明したいです。
「目に見える景色」と、そこにある「(ひとのような)目に見えないストーリー」、このセットがその場所の魅力だと思います。そんなステキな「目に見えない部分」がそれぞれの景色の中にいっぱいあるのが、ステキな人が集うノーザンオカヤマの魅力なのだと思います。(もちろん、実際に体験できることが、一番いいのですが。)
Q)ノーザンオカヤマの短所を感じたことはありますか?
[宇佐見さん]地域を良い・悪いという尺度で見ていないので、短所という風に考えたことはありません。もちろん、都会や他の地域との違いはありますので、それを時に不便に感じたり、時にステキに感じたりということはあります。
自然の中で感じること
Q)では、一番好きな場所は?
[宇佐見さん]私がホッとする場所は、自分の住むアパートの近くの小川に沿って続く小道です。
そこは舗装をしていない土の小道で、時折石があってゴツゴツしていて、決して歩きやすいとは言えません。そこに晴れたり雨が降ったり雪が積もったり、そして、四季折々にいろんな花や草が生え、いろんな虫や鳥が生き、私(ひと)もその一員として同じように存在しているのです。
そこは、必ずしもひとの都合に合わせて作られた世界ではないからこそ、自分自身も、そうした自然の中の存在のひとつに過ぎないんだなと感じさせてくれます。
そもそも、ひと様の都合なんて全く気にせず存在しているものの中にいると、自分の都合よくいかないと悩むことなんてどうでもいいと感じさせてくれます。
きっと、そうした「ひとのことを気にも留めない」自然の場所は、ノーザンオカヤマにはいっぱいあります。
美咲町版DMOを準備中
Q)とても深いお言葉ですね。宇佐見さんの視点は地元の方にもいい影響や刺激になりそうです。美咲町で何かを進めているそうですね?
[宇佐見さん]今、美咲町では、「美咲町版DMO」を創ろうとしています。
ここは、従来の観光振興を主目的としたものではなく、美咲町を中心にノーザンオカヤマのいろんなところにいる「地域を楽しみ元気にしようとしているひと」たちのハブとして活動を支援し、それらを発信していくことで、地域の魅力をさらに向上させ、地域を元気にすることを意図して活動していこうと考えています。まだまだ、これからですが、是非期待してください。
ひとつひとつ丁寧で物腰柔らかい宇佐見さん。自然と共生するドイツや、地方都市での滞在経験があるからこそ、ノーザンオカヤマを温かい目で見つめ、示唆できることも多いのだと思いました。肩書きなどに関係なく、誰に対しても分け隔てなく開かれた心、いつも謙虚な立ち居振る舞いに私たちも大いに勉強になります。ガツガツしてなくて自然体、フランク、フラット…そんな方が混ざることで、ノーザンオカヤマの魅力も懐の深さもどんどん増していくような気がしました。
ノーザンオカヤマ セレクション
最後は、衆楽舎おなじみ音楽コーナー。宇佐見さんに、自然を感じてホットする場所で聴きたい1曲を教えてもらいました。
久石譲『Summer』
Apple MusicとSpotifyのリンクを貼っておきますので、小川のほとりを散歩している気分でお楽しみください〜🦆🦆🦆
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最後までお読みいただきありがとうございました!次回もどうぞお楽しみに〜。衆楽舎の広報担当、Haruでした。