【パブリッシャー事典】掲げているのは作家の「やる気」と「利益」の最大化!/講談社ゲームクリエイターズラボ
2023年12月にβ版をリリースした「Game Pitch Base」。
本サービスは、クリエイターやデベロッパーが生み出したゲーム企画とパブリッシャーとのマッチングをサポートすることで、より多くのゲームが国内外の市場に羽ばたくことを目指しスタートしました。
11月の情報解禁以降さらに多くのパブリッシャーにご参加いただき、12月のβ版リリース時には25社のパブリッシャーに参加表明いただきました。
そこで本日より、クリエイターの皆さまに参加パブリッシャーについて知っていただくことでマッチングの一助となるべく、パブリッシャーへのインタビュー企画「パブリッシャー事典」を始動いたします。
各パブリッシャーの特色や得意なこと、目指す姿などをお伺いしていきますので、ぜひご覧ください。
初回は「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」でお馴染み、「講談社ゲームクリエイターズラボ」の鈴木さんにお話を伺いました!
講談社ゲームクリエイターズラボってどんな組織?
ーー本日はよろしくお願いします!まずは会社の概要を教えてください。
講談社ゲームクリエイターズラボは「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」というキャッチコピーで、インディーゲーム開発者に対して年間最大1000万円差し上げてゲーム開発に集中していただく、というプロジェクトをやっています。
2020年9月14日にプロジェクトをスタートさせ、現在は講談社の「クリエイターズラボ」という部署のいちプロジェクトとして活動しています。
ーーもう3年以上活動されているんですね!
これまでのパブリッシュタイトルは?
ーーでは、これまでパブリッシュしたタイトルを教えてください
これまでに数タイトルをパブリッシュしてきており、代表作としてはところにょりさんの『違う冬のぼくら』ですかね。
こちらは2023年2月14日にアーリーアクセス開始、同年8月10日に本発売した作品で、2人プレイ専用アドベンチャーとなっております。開発は基本的にところにょりさん1人で行っています。
我々は個人・法人問わずにパブリッシュしておりますが、個人クリエイターの方が多いです。
また、ゲームの著作権はパブリッシャーに残ることが多いんですが、弊社の特徴として出版社と同じような座組でやっているため、ゲームの権利はクリエイターに残ります。
会社として得意なこと、サポートできること
ーー会社として得意なこと、サポートできることを教えてください。
インディーゲームのパブリッシャーの中では宣伝、広報に特化している会社もありますが、講談社は出版社ということもあり、編集部みたいなイメージです。
編集部としてクリエイターの要望に合わせたサポートをなんでもやります。
例えば、取材の代行や資料集めをしたり、専門家へのアポを取ったりなど。
総合出版社としてあらゆる専門家と繋がっているので、どんな分野でもご紹介できます。
また、会社のさまざまな部署と連携をとっており、小説と同じように校閲部を通して校閲や事実確認を行ったりもしています。
さらに写真部所有のスタジオにて、モーションキャプチャの撮影ができるので、3Dゲーム制作のお手伝いもできます。
もちろんラボメンバーには無償で貸し出しています。
我々の強みを可能な限り活かしてゲームクリエイターさんのサポートをしています。
ーー総合出版社としての講談社全体を巻き込んでサポートが可能なんですね。
そうですね。講談社の知見と人脈を全て提供できるところが我々ならではの強みかなと思っています。
個人で依頼するにはハードルが高いお仕事も、講談社がバックにつくことでやりやすくなる場合もあるかと思います。例えば、QAやLQAなんかは個人だと依頼しにくいですよね。
また、出版社として翻訳や世界に向けた販路など、海外向けの体制は整っています。
細かい部分だとストアページの作成から、大きい部分だとローカライズまでサポートできますね。
本格的なノベルゲームであっても、出版社としてツテがある翻訳会社さんと連携してしっかり翻訳ができます。
海外周りの対応をおまかせしていただけるのは1つ大きな強みかなと思っています。
ゲームの内容には特にアドバイスはいらないけど、海外販路の拡大を相談したい、という方にとってもプラスになるかなと思います。
ーーかなり幅広くサポートされていますね!
今後パブリッシュしていきたいタイトルは?
ーー今後パブリッシュしていきたいタイトルはどんなタイトルでしょうか?
一つでも多くの才能を世に繋ぐことが我々の使命だと思っていて、一人でも多くのクリエイターさんの作品を世に出したいと思っています。
個人でゲームを作っている方って、ずっとゲームをやってた人も多いんですけど、元々小説家や漫画家、映像作家志望だった方も多いんですよね。
本来なら別のところに流れていた才能がゲームに来ているんじゃないかなって。
クリエイティブって最終的には尖ってないどダメかなと思っているので、そうした尖りを持つ作品が欲しいなと思いますね。
我々のキャッチコピーとして「作家のやる気と利益の最大化を目指す部署」というのを掲げているので、クリエイターの皆さんに「講談社使えそうだな」と思って来ていただけたらいいなと思っています。
世に届けるために10年かかっていたはずのものを、我々がサポートすることで5年、ひょっとしたら1年で届けられるかもしれないし、1万本売れるタイトルが10万本売れるようになったりするかもしれない。
ーー講談社ゲームクリエイターズラボに相談したい!ってなったらどこに相談したら良いでしょうか?ラフにご相談して大丈夫でしょうか?
はい。今我々は
講談社ゲームクリエイターズラボオーディション(GCLA)
Amazing Indie Games
ゲーム持ち込み
の3つの取り組みを行っています。
「講談社ゲームクリエイターズラボオーディション(GCLA)」は常時応募受付中ですので、開発中のゲームのデモ版や企画書があればぜひご応募ください。
「Amazing Indie Games」は講談社ゲームクリエイターズラボ公式YouTubeで行っているゲームの紹介番組です。ラボメンバーにはなりたくないけど作品を紹介してほしい、という方はこちらからぜひ。
「ゲーム持ち込み」は、少年漫画誌とかで盛んな「漫画持ち込み」のゲーム版です。漫画の持ち込みでも、完成原稿で持ち込む方もいれば過去実績と今作っている作品をテキストやネームで持ってくる方など、持ち込み方はそれぞれです。どういう状態でもいいので、面白い企画があったら持ってきてください、という取り組みです。
ゲームを作り始めた高校生から、大手ゲーム会社でゲームを作っていた方まで、さまざまいらっしゃいます。最近は海外の方もよく来てくれていますね。
どんな相談でもお受けしております!
ーー心強いですね。ありがとうございます!
ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報は?
ーーピッチデッキに盛り込んで欲しい情報があれば教えていただけますでしょうか?
そうですね。すでに作っているものがあれば、それも含めてあるものは全部見せていただきたいです。
その上で「どういうところを目指すのか?」はお伺いしたいですね。
資料に書いて欲しいというよりも、直接お話を聞いた際に包み隠さずお話しいただきたいと思っていて、例えば「他から声を掛けられている」とか「すでにどこかから支援を受けている」とか。
そういう情報出したらマイナスになるんじゃないかと思われるかもしれませんが、伝えていただいた方がありがたいです。
あとは「何ができるか」という専門分野と「何がやりたいか」は書いていただけるとありがたいです。
その専門分野を絶対に使え、ということではないのですが、「何ができるか?」「何をやってきたか?」は本人の武器だと思うので。そこがわかると我々から提案できることも増えるかもしれないので、「できること」と「やりたいこと」の2つはぜひお聞きしたいですね。
ちなみに、シナリオライターやグラフィッカーでプログラミングは触れない、という方もたまにいらっしゃいますが、ゲームを作られるなら触ってみた方がいいと思います。
プログラミングを外注する場合でも、外部のプログラマーさんがいなくなったら開発が止まってしまったり、ある程度わかっていないと適切な指示が出せなかったりという事態にもなりかねないので。
今は無料のツールも多くハードルも下がっているので、本気でゲームを作られるのであれば、ぜひ触ってみて欲しいなと思います。
触ってみた上で人に頼むとかはいいと思うんですけどね。
ーー「できること」が抜けていることは確かに多いですよね。
本人はあまり自覚がなくても、武器になり得ると思うのでぜひ載せていただきたいですね!
プログラミングは触ってみるべき、というのもおっしゃる通りですね。
Game Pitch Base 参加クリエイターに向けて
ーー最後に、Game Pitch Baseに参加しているクリエイターに向けて一言お願いいたします!
そうですね。
「講談社が使えそうだな」と思っていただいたら、どんな提案でもいいので持ってきてください。
先ほどの話の中でもありましたが、自分の強みって自分で見えていないところも多くて、周りの人の方が見えていることもあると思うんですよね。
我々自身が武器として自覚できていなくても、クリエイターさんにとっては「使える!」と思う部分があるかもしれないので、「講談社使えそうだな」と思うのであれば、あなたのやる気と利益の最大化に努めますので、ご応募・ご提案お待ちしております!
ーーありがとうございます!!
総合出版社として多くの強みを持つ講談社ゲームクリエイターズラボ。
「講談社ゲームクリエイターズラボオーディション」や「Amazing Indie Games」、「ゲーム持ち込み」など、クリエイター支援のためのサポートを幅広く行っていらっしゃることがわかりました。
特に「ゲーム持ち込み」は「どういう状態でもいいので、面白い企画があったら持ってきてください」とのことで、気軽に相談できるところが大きな魅力に思えました。
「やりたいこと」がある方はぜひ、ご自身の「できること」をしっかり伝えつつ、相談してみてはいがかでしょうか。
講談社ゲームクリエイターズラボのGame Pitch Base パブリッシャーページはこちら。