「大丈夫?」は大嫌い(患者のキモチ)
僕の名前は、少し変わっていて「神社(かんじゃ)」といいます。
珍しい名字の僕が、20歳の時に、本当の「患者(かんじゃ)」になってしまいました。
今では、笑いのネタにしていますが…(笑)…
消化器官に炎症や潰瘍(かいよう)が起こる難病「クローン病」と診断されました。
半年間に8度の手術を受け、その後の4年間の絶食、約10年間の闘病生活を経て、運よく完治したのですが…
それも素晴らしい医師らに出会い、たくさんの協力者のおかげだと思いますし、本当に幸運に恵まれて、有難いことでした。
いまは、この実体験から得た「幸せに生きる知恵」を気楽にコラムに書いたり、カウンセリングをしたり、講座や講演、ピアサポートセミナーをひらいたりしています。
すでに発症から20年以上が経ちますが、当初、一番嫌だったのは、お見舞いで「大丈夫?」と聞かれることでした。
…大丈夫じゃないから、ここにいる…
…もし大丈夫じゃないと答えたら、あなたに何ができるのか?…
それが、たとえ思いやりの優しい言葉だったとしても、病人には酷な問いかけでした。
当時の僕は、すでに病気だったから、すっかり精神まで病んでいたのかもしれません。
でも、やっぱり、その一言「大丈夫?」は大嫌いでした。
お見舞いに来られた人は、何もしなくていいです!
ただ聴くのがいいです!
それが一番!
傍らにいて、肩をさすったり、手を握ったりするのもいいと思います。
もし何かしたいなら、患者だけでなく、看病している側のお手伝いをしたらいいです!
家族に一人でも病人がでると、家族みんなも病気になってしまうから、みんなで一緒に元気になっていかないと、決して良くはなりません。
だから、本当の思いやりとは、相手の立場にはなれないけれど、
「分かりたい」
「寄り添いたい」
そういう謙虚な行動なんだと思います。
僕は、「大丈夫?」よりも、ただ傍らにいて、ただ静かに聴いてほしかったなぁ。
僕はいま、自身が困難から学んだことを、他の人の人生に生かしてもらう活動をしています。よろしければ「サポート」をお願いします。いただいたサポートは、作家としての活動費に使わせていただきます。