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14年越しの記録。
自宅の棚から、偶然フィルムを発見した。なぜ手元にあるのかは
見当も付かないが、ISO100のネガフィルム。
確認すると、有効期限は2007年2月だった。
14年手つかずのフィルム。これは面白い。挑戦しようと
思った。
昨年末、約20年前に生まれて初めて購入したフィルムの
一眼レフの同モデルをオークションで再び手に入れた。
購入後にテストで使ったきり、撮影をしていなかった。
いい機会が訪れた。
フィルムは生もの。当然劣化している事は分かっていた。
撮影は賭けになる。ちゃんと像が写るのかも分からない。
でも面白いじゃないか。
デジタルのように後からどうとでもなるものではないし。
結果、劣化で色が見事にマゼンタに転んでしまった。
あ~・・・・と思った。が、これはこれでいいじゃないか。
14年越しの色との出会いだから。
驚いたのは色転びはあっても、フィルムの撮影面は
シャープな事。今のようにギスギスではない、心地よい解像度。
そして、フィルムのラチュードはやっぱりいいものだ。
激しい明暗差があっても、光と影の階調が粘って記録されていた。
使用したカメラのボディはAF対応だけど、レンズはMF。45年前のもの。
ファインダーはMF専用ではないから、シビアに目でピントを
確認するしかない。それで多少ピントがずれていようが
いいじゃないか。それを楽しまないと。
最初はフィルムで撮り始めた自分も、いつの間にかデジタルが
メインになって、ひたすら便利さを享受する状態になっていた。
そんな自分の弛んだ心に、フィルム撮影は刺激的に
蹴りを入れてくれる。
【遊びかもしれんけど、マジにやって楽しめ!枚数も限られてるぞ!】
とでも言ってれているようだ。
デジタルで簡単に撮る感覚とは違う時間の流れで
撮影してゆく時間。心地よい。
いい時間を過ごせた。フィルムは益々高額になってゆくし
好きなネガフィルムたちもかなり姿を消した。
でも時折で良い、フィルムで撮る感覚は忘れてはいけない、と
つくづく思う。一枚一枚をじっくり撮る。いい感覚だ。
今度は今のフィルムで、撮ろう。
シャッターを押す重みがデジタルと違う。これを味わって
さらに楽しまないと。
心地よい撮影時間を過ごした。
結果もこれで良い。
幸せなひと時だった。