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50年前の瞳、捉える今。
穏やかな晴れの休日、狭い自宅で過ごすのが苦痛になった。
広い景色を、陽の光と風を味わいたくなって
電車を使ってお気に入りの場所へ向かった。
今回は50年前製のレンズ一体型カメラと、それなりに
安価で手に入るフィルムを相棒に。
今回の相棒カメラはピントは自分で合わせる必要があるが
それ以外はカメラ任せになる機種。一眼レフとは違って
気軽に撮れる。今回使用したフィルムは初めての経験。
一枚一枚、撮る大事さを噛み締めつつも楽しくスナップした。
普段なら気にも留めないような存在や空間もフィルムカメラのおかげも
あってか、ふと目に留まる。これが面白いところ。
今回は自分なりに実験があって、基本的に撮影の絞りや露出といった事が
全てカメラ任せとなる機種だけど、せっかく明るいレンズを
搭載している事もあり、
ちょっとはボケが出せないものか・・・・という実験をフィルターを
使ってやってみた。すると、一眼レフとまではいかないまでも
ボケが状況によって出せるようになった。これは嬉しかった。
目的地まで歩いて向かう、道すがらもこういう時はより楽しい。
目的地はいい陽の光、いい風に溢れていた。
腹いっぱいにいい空気を吸う。何かと重い空気に包まれている
毎日の今、本当に大切な時間。
汐の香りを乗せて、吹いてくる風が心地良かった。
撮るのも大事だけど、実際に自分の目で観る。これが大事だと思う。
広大な景色と風で思いっきり心呼吸ができた。
デジタル一眼レフも一緒に持って行ったが、結局フィルムカメラばかりを
使用して撮っていった。
しばしの間、撮る事も止めて眼前の景色を眺めながら
波と風の音を聴いた。自然が創り出す光景はもちろんだが
音も素晴らしいと改めて思う。
様々な余計な音を消し去ってくれる。
今回は初めて使うフィルムだったけど、仕上がりを見て
気に入った。フィルムらしい色、空気の捉え方ができると
思った。これはまた使おう。
50年前の瞳(カメラ)でも、しっかりと今を捉えられる。
今の筈が、なぜかどこか懐かしい記録たち。
これがフィルムで撮影する
楽しみの一つなんだなと改めて思った。
時代は進めば進む程、いろんな事が便利になっていく。
でも逆に、過去の方法論や価値観も大事になってくる。
今と過去、この両方をフィルムは体感させてくれる存在なのかな。
何となく、そう感じている。
また心地よい時を味わいながら、自分で出来る限りにはなるけれど
記録できればと願う。