読書で、心の扉を開ける。自分の辛かった気持ちを。辛さを抱きしめれば、また前に進める。
今回の話は、このBGMをかけながら
読んで欲しい。
僕にとっての読書は、自分の気持ちを見つける読書です。
見つかる気持ちは、大切にしたい気持ちもあれば、辛くて封印したのであろう気持ちも見つかります。
辛い気持ちが見つかるときのことを話します。ふだんの生活では出てこない、なかったことにしてしまったあのときの記憶。
たとえば、
先生にちょっと注意されただけで、ないてしまった自分。それだけじゃなくて、その泣いてしまった自分を好きな子の前で観られてしまったこと。
とかね。
ちゃんと、傷つけ。
僕は住野よるさんの小説を読むと、
とってもとっても痛く悲しくなる。
ほんときらいや、あのひと。
あのときの痛みが、
痛みを恐れて何もしなかったあの痛みを思い出してしまう。
もう傷つきたくない。
もう思い出したくない。
でもぼくは、
だからぼくは、、
もう、なかったことにはしたくない。
そうやってなかったことにしたことが僕の中で僕を止めているのだから。
あのとき感じたことを思い出して、
抱きしめて。
いまでもまだ間に合う。
ほんとうに向き合わなければ
いけなかったのは、
「もういやだ、
こんな痛みもう感じたくない、
もうこんな感情味わいたくない。
だからもうやめよう。」
そうやって閉ざしてしまった
心にフタをした思い出だった。
自分と向き合うため、辛くても読む。
辛いから読む。
住野よるさんの作品には、そんな向き合いたくなかった過去の思い出を、気持ちを掘り起こす不思議な力がある。
ある意味、住野さんはセラピストなのかもしれない。
・・・
あーほんといやだ。
ほんときらいだ。
ほんと気持ち悪くなる。
暗くなる。
こんなこと感じたくなかった。
忘れたままにしてほしかった。
忘れたことさえ忘れてたのに。
・・・
でもその忘れてたことが、
前に進むために必要なことだと
僕は数年前に、知った。
住野さん、やめて、
もうこれ以上、やめて!
とページをめくる。
いやだ、もういやだ、と
心が重くなる。
そして僕は、勇気をもって
気持ちを受け止める練習をしている。
そしていつか、
ちゃんと笑って
この気持ちを受け止められますように。
もう忘れないよ。
おもいだす勇気をもつよ。
しょーいち