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オーガニック論争における、負担と受益

品川区の給食食材のオーガニック食品調達に端を発して、盛り上がっていますね。この手の話はもう70年代の団塊世代たちによる団塊ジュニア子育て時代に「食の安全」という議論が巻き起こり、美味しんぼなどの漫画でも度々取り上げられて変な刷り込みを我々は受けているなと思っています。

ただこの手の問題については、消費者目線しかないものも多く、はたまた全体最適の視点が見落とされていることも多いな、と。食品というものは当然人間で食べない人はいないので盛り上がるテーマなのですが、もう少し生産者目線と全体最適という思考フレームを多角的に持っていれば、冷静なお話になるだろうなと思っています。

少しこのあたり他の政策制度、特に誰しも関与する教育とかでも同じ構図だと思っています。皆が関わる分野は誰しもが一言物申したくなり、そしていつのまにか感情的な論争になりがちです。

同時に今は高齢者向けでも、子育て世帯向けでも、負担と受益の構造は崩壊しているし、様々な地方活性化も同様で、なんでもかんでも役所にやってもらおう、税金で補助もらおう、無償化してもらおうと役所の業務拡大、国民の負担拡大の施策ばかりが出まくってます。さらに科学的根拠はなく、お気持ち的に安心というところで成立している商売に公的に加担していくというのも、農林水産政策全般においてもおかしな話になる構図です。

そもそも給食費も無償化したから、今回みたいな意味不明な拡大策すら行政単独で決められる様になっているとも言えます。オーガニック野菜への値上げによって発生する予算分は、むしろカロリーや栄養素などの幅広い原材料費に使うほうが効果的でしょう。牛乳がなければ成分表が破滅的になるような現状の給食代金の増額分の使い道がオーガニック野菜というのは悪い冗談です。

あ、今回の農作物論争については、まずは久松農園の久松さんの「農家はもっと減っていい」は名著なので、読んでいいない方は改めて読んでおいてください。


そもそも「すべての農作物は安全」

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