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【真の目的とは】大ピラミッドと古代エジプト人の謎【二分心×電波塔仮説】#2

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前回の記事はこちら▼

<WHY考察> 現代人の価値観に沿って考えるべきではない

 巨大なピラミッドや神殿、石像の建設、装飾を見ると古代エジプト人の異常なまでの執着を感じます。

 無論、古代エジプトだけではなく、世界中に残る古代文明共通の謎でもあります。

 言葉は過ぎますが、単なる王の墓(だったと仮定して)になぜこれほど膨大なリソースをつぎ込んだのか

 一つの仮説として浮かび上がるのが、ピラミッドを計画し建設に携わった人々は、明らかに現代人が有していない能力を持っていた可能性です。

二分心×ピラミッド電波塔説

古代エジプトに響いていた神々の声

『遠い昔、人間の心は、命令を下す「神」と呼ばれる部分と、それに従う「人間」と呼ばれる部分に二分されていた

神々の沈黙/ジュリアン・ジェインズ

 紀元前2500年、古代エジプト人と現代人とでは精神構造が大きく違う事を、心理学者ジュリアンジェインズは『二分心仮説』として提唱しました。

 この仮説によれば、3000年前まで人々は内観する意識を持っておらず、脳内に語りかける神々の声に従って行動していたといいます。

 極端な話、当時の人々の大多数が現代でいうところの『統合失調者』であり、神々の声が自分の行動を想起させるために絶対必要な要素だったと。

 もしこの仮説が正しければ、神や王といった権力に対して、現代人が抱く敬意をはるかに凌駕する畏敬や信仰心を持っていたことも納得がいく。

 当時の人々は、意識から生じる感情や損得といったエゴと分離しており、超合理的、超ドライな人たちだったと表現しても過言ではない。僕たちも、何かの作業に集中(ゾーンに入っている)しているときは時間を忘れて没頭するように、彼ら一人ひとりが、ピラミッドが本当に必要だと信じて疑わなかったからこそ作ることが出来たのです。

 彼らにとって本当に必要なもの・・・例えばライフラインです。

 当時、神々の声は水や食糧といった生きるために必要な生活必需品(インフラ)に近かったのではないか。と一考してみると、見方ががらりと変わります。

 脳内に響く神々の指令が、集合的無意識で共有された二分心の集団によって建設されたのがピラミッドだと仮定します。従ってピラミッド設計図が存在しないのは二分心仮説と矛盾しません。(この辺は松果体と右脳の関係性を考察した記事を読んで下さい)

 古代において神々は必ずといっていいほど登場し、それだけ当時の人々と密接に繋がっていたことが伺えます。

 神々の声が当時の人々に必要不可欠だったのであれば、現代のインターネットのように情報を受け取るための重要なインフラだと考えられていたのではないでしょうか。官民みなが必要だと信じていたから一体となって大規模なピラミッドや石彫、像を作った。そう考えると公共事業説もあながち間違っていない。

ピラミッドに数学的規則が現れる理由

”二分心の右脳に響く神々の言葉は、句や詩のように一定のリズムや繰り返し、と言った規則性が現れる”

神々の沈黙/ジュリアン・ジェインズ

 巫女やシャーマンを筆頭とする世界各地に残る『神懸かり』現象とは、ジェインズが主張する二分心仮説によると、右脳が生み出す幻聴、幻覚だと結論付けられます。

 彼らが口走る神託の言葉は、例えば祝詞のように抑揚が少なく、必要に繰り返され、一定のリズムを刻みます。

 これは自然が作り出す一定のリズムに右脳が同期しているためだと考えられます。

 ピラミッドにも同様にその構造、寸法に数学的な規則性が現れるのは、自然法則が支配する右脳の神々が見せるサイマティクスパターンを模倣したためです。

 つまり自然界に隠れる黄金比をガイドラインにしたのです。

ピラミッド電波塔説

 古代エジプトではピラミッド近くに都を遷都していきます。故に都の中心に神や王の像を奉る神政政治となっていく。

 権力側は民の統制(中央集権国家制)を取るため、民衆側は生きる羅針盤を得るために両者WINWINであった。

 ピラミッドのようなどこからでも見える巨大な施設が、民衆に対して神々の声(幻聴)を引き起こす催眠機能を持つ、いわゆる電波塔の役割であり、各地に安置された王の姿を刻む石彫や石像、各個人が所有していた小像が、声を引き出すための受信装置であったと考えられます。

 つまり、二分心仮説から深堀するピラミッドの正体は、民衆に幻聴(催眠状態を維持)作用を引き起こすためのきっかけ(象徴)であり、各地に安置された王や神の姿(像)が、人々の脳内に神々の声を響かせるためのツール(現代でいうスマホ)みたいな役割だった。と結論付けられます。

ファラオの声が必要だった

 意識を持たない二分心の人々の興味は今この瞬間だけ。です。なぜなら時間(過去や未来)を司る左脳が抑圧されていたからです。

 日々の取引や交易、約束事などその瞬間に必要だと感じたことは記録に残したかもしれませんが、
想いを後世へ残す。という行為自体が現代人の特殊な考え方なのかもしれないのです。

 王家の谷に見られる絢爛豪華な装飾は、死した王が新天地(冥界)までたどり着くための地図であり、冥界で生活するための生活必需品とともに安置しました。

 なぜなら、彼らを導くファラオの声は『声正しき者』として死後も響き渡り、彼らにとって故人は『今』も冥界で生きていたからです。

ファラオの声を響かせるための儀式

 神々の声(幻聴)は各人だけでなく、家族、ムラ、そして国家ごとにそれぞれ存在し、シチュエーションによって人々は採用する神々の声を選択していたと思われます。

 特に集団(文明)を維持するため、広く子孫に訓戒を響かせる必要に迫られた権力側は、ヒエラルキーの最上位に位置するファラオの声は規律を以て継承され広く子孫に想起されねばならない。と考えた。

 故に、大規模な葬祭殿、神殿といった特別な舞台で、神々の声を降ろす(神託読み上げ、それを聞く)ための儀式が古代の中心となります。

 故に日常生活において誰の目から見ても、神々(ファラオ)を想起するような緊張状態へと移行させるインパクトが必要です。

 それがピラミッドなのです。

声正しき者の称号

”死せる王は、民の中で幻覚となって相変わらず命令を下す”

神々の沈黙/ジュリアン・ジェインズ

 ファラオが亡くなると死後、冥界に向かう途中で、アヌビス神によって、その心臓を秤にかけられ、生前の行いが正しかったかどうかの審判を受けます。

引用元:cafemarenostrum

 審判を乗り越えることができればファラオは『声正しき者』の称号を死後に与えられる。

 それは、二分心の当時の人々にとって神々の声は常に正しく導いてくれるものであった。から。

 古王国時代、王だけが死後、オシリス神となることができたため、声正しき者という称号は、神となった王である声を想起させるために古代エジプト人にとって無くてはならないものだったのかもしれません。

口開けの儀式

 故にファラオの口(スピーカー)は、あの世でも現世の人々に指図する為に機能して貰わないと困るわけです。

 そのために行われた儀式が、口開けの儀式です。ミイラとなった死者はこの儀式を行うことで、再び生前と同じ活動ができると考えられていました。

 『あなたが再び息をすることができますように』との願いが込められていた。そこには空気の振動、つまり言葉を話す力も含まれていたはずです。

古代エジプト人の死生観カーとバーの定義

 『カー』と『バー』は魂や生命力の事で、古代エジプト独特の表現。何を指しているか、現代でも断定は難しく、むしろ当時の人々でもはっきりとした定義は分かっていなかったと考えられています。

 ここでは二分心仮説をもとに、カーとバーが何を指しているか検討してみたいと思います。

 カー(潜在意識):人間の影のような分身であり、生命力を表し常に人間と重なり合って存在しているものです。人間が死ぬとカーは肉体から離れていく。(つまり肉体を動かすための命令側、右脳的概念)

 バー(顕在意識):固有の人格を宿した魂と解釈されており、人間の活動的な力を現している。しばしば人頭に鳥の体として描写されています。人間が死んでもバーは肉体に留まる。(主体的な行動を司る左脳的概念)

 二分心仮説を踏まえて考えると、肉体を動かすための指示系統(動力源)がカー。つまり神の側です。逆説的に言えば、カーが肉体から離れていくと人間は行動力を失い死ぬ。(動力源の消失→肉体の死)肉体の死後、カーは声正しき者としてあの世で生き続けると古代エジプト人は考えた。

 人間的な主体的行動を促し、個性付けるための概念がバー。カーが肉体に戻ってきたときに生前の人格を復活させる概念がバー。だからバーは肉体に留まると考えられていた。

 故にバーは、カーによって機能する。

 カーは王の人格ではなく王の分身(神々)だと認識されていた。カー(神々)の言葉は、王のバー(人格)を通して民衆に伝えられていた。故に王の人格(バー)はミイラに残る。

 王の象徴(ミイラ、石像、ピラミッド)にカーが戻った時に、王の声を死後も受け取ることが出来ると考えられていた。のでは。


プリンタで例えるなら、カーがPCからプリンタに送られるデータで、バーインク(用意されたインクの色はみんな違う)、出力されたカラーイラストがその人の個性や人格となる

 無機質なデータはインクを介して個性的な表現を初めて持つ。プリンタが肉体ならばインクは肉体に依存する。(留まる)

石棺からミイラが出土しない理由

 古代エジプト人は、神々であるカーを自分たちが必要な力、本質であると見抜いていました。従ってカーの魂をピラミッドの玄室に安置したのです。

 棺の大きさから、カーは人間一回りか二回り大きいサイズでファラオの分身として見えていたと思われます。

石棺についての考察はこちら▼

 故に石棺からミイラが発見されないのは当然で、現代人が見えなくなっただけなのです。

 いっぽうで先の考察通り、バーは肉体に残ると考えていたため、神々の分身である王の人格と、神々の言葉を代弁するための口(肉体)はミイラとして残したはずです。

 しかしながら、古王国時代前後の石棺から出土したミイラは僅か2体で、体のほんの一部でありファラオのもか断定されていません。つまり今回の焦点である大ピラミッド時代のファラオのミイラは事実上見つかっていません

 ”現在までに発見されたミイラのうちファラオと断定されているものは31体確認されていますが、そのほとんどが後期(17王朝以降)のファラオのものです。”

 一体ミイラはどこに安置したのでしょうか?

 少なくとも、後期に発見されたものは大ピラミッド時の『カーの埋葬』風習を踏襲したものだと考えられます。

 脳構造の変化によって(松果体と右脳の関係性)カーは見えなくなり石棺をミイラの安置に利用するようになりました。つまり後期古代エジプト人ですら、石棺が何を意味しているか、理解しているものはほぼ皆無だったのです。

古代エジプト文明を支えた二分心の崩壊

 古代エジプト王国は、とても寛容で多くの移民を受け入れました。

 古王朝時代にはナイル川流域だけで100万人という現代でも大都市に匹敵する数の民を統率するために、強大な一つの権力の象徴が必要だったのは必然でしょう。

 第五王朝までの古代エジプト人は、ファラオという権力者が統治する一つの完結した箱庭の中で、大いなる神々のルールに従って生活を送っていた。故に争いは少なかったと見られています。

 しかしながら移民流入増によって7~11王朝時に政治的内紛が勃発。各地に群雄割拠。

 長期間にわたって安定した統治を続けていた古王国の崩壊とその後の戦乱によって社会的、思想的、政治的に大きな変化をもたらした。

 これがきっかけで政治混乱や異文化同士の小競り合いが増えたために、神々の声では統制が利かなくなり、文字によるコミニュケーションが左脳を発達させ、二分心を持つ人々が淘汰されていったのではないかと考えます。

 その証拠にピラミッドは第18王朝、紀元前1550年から1525年の間を最後に建設されることはなくなりました。文明の混乱期が繰り返されるとともに、少しずつ二分心の崩壊が進み意識を持つ人々が大多数に転じた時、神々の声は消失しました。

 これはピラミッドから幻覚機能を得られなくなった人々にとって作る意味が理解できなくなった。ことを示唆しているように思います。

変化してゆく解釈

 例えば現代文明の連続性が途絶え、数千年後の新たな人類が遺物としてスマホを発掘したとして、その用途が分かるでしょうか?

 特にQRコードはそれ単体では何の機能も果たしません。

 電気や電波を利用しない文明が、それらエネルギーの存在を仮説立てできたとしても、彼らにとってはただの信仰対象の域を出ることはありません

 僕たちが神々の声を聞くことができないように、そして世界中で出土する大量のヒトガタを模した彫像の意味を『信仰』として片付けてしまうように、です。

 エジプトを筆頭とする古代遺跡群も、それぞれ断片的であり、遺物同士を繋ぐミッシングリンクは信仰として解釈変更され蒸発してしまいました。

科学技術も、将来宗教として切り離され、目に見えない信仰という形になっているかもしれません。

 しかしながら、手段は違えどピラミッドもスマホも、当時を生きる人々にとって情報を得るための欠かせないインフラであるならば、脳構造の変化による解釈は違えど、いずれも先人の叡智の蓄積を享受していることに変わりはありません。

 同じ先祖崇拝をエネルギー源としたインフラ構造物であり、長い年月をかけて人々はピラミッド→スマホへ『機種変更』してきたのです。



 やがて文明は混濁していき人々に意識が渦巻き、生活と切り離され宗教として分離していくことになる。のちに誕生する王家の谷の絢爛豪華な装飾はそれらの名残である。

ネフェルタリの墓
引用元:TORAmamaLIFE

 しかしながら彼らは神々やファラオの声が聞こえなくなったとしても、残されたピラミッドや神殿に祀られた石像群は、神々やファラオが冥界で存在していると信じざるを得ないほどの存在だったのではないだろうか。

 このように二分心が消失してもなお、建設から4500年以上経過した子孫に対しても大きな影響を及ぼしていた。それだけの権威と実用性をピラミッドは備えていたのです。


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ショウタロ
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